インターナショナル様式データ
- 年代:1920年~1950年代
- 主な地域:ヨーロッパ
インターナショナルの解説
20世紀初頭におこった万国共通の機能的なデザインを表し、1920年代のヨーロッパを中心とした設計狭義における、各国の建築家たちの国際交流から起こりました。
主にル・コルビジェやミース・ファン・デル・ローエ、ヴァルター・グロピウス、といった現代建築を代表する建築家たちが中心となって前衛的なスタイルを展開しました。
そのスタイルは、洗練されたプロポーションの追及から、それまでのような量感があり、装飾性の高い空間ではなく、コンクリートを使ったシンプルな空間を理想としていました。
また、スチールやガラス、革といった世界共通の素材を多用し、計算しつくされたバランスとプロポーションをもち、無駄のないフォルムと無彩色を特徴としていました。
代表的な建築家としては、やはりル・コルビジェでスイス生まれのフランス人建築家です。
「住宅は住むための機械、家具はその設備」という基本理念のもと、新しいデザインと機能を主唱し、現代建築の第1人者となりました。
また、ピエール・ジャンヌレと助手で家具デザイナーのシャルロット・ペリアンとの共同開発で作り出したスチールパイプの家具は、モダンデザインの傑作として知られ、現代家具の発展に大きな影響を与えました。
なかでもニッケルメッキ仕上げのスチールパイプと子牛の毛皮を使ったアームチェア(LC2)やシェーズロング(LC4)、本体が革張りのグランド・コンフォートが代表的です。
もう一人忘れてはいけないのが、ミース・ファン・デル・ローエです。
ドイツ生まれのアメリカ人建築家です。
鉄やガラス、コンクリートなどの素材を使用し、建築表現の可能性を極限まで追求しました。バウハウス最後の3代目校長でしたが、ナチスの芸術弾圧を嫌い、アメリカへ移住後、マサチューセッツ工科大学の校長として多くの建築家を育てました。また、家具デザインにもその才能を発揮し、MRチェア、バルセロナチェア、ブルーノチェアなどに代表されるモダン家具の原点ともいえる傑作を数多く残しています。