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ジャンビィト・ロッシ Overview

最も勢いのあるラグジュアリーシューズブランドって？

　 GIANVITO ROSSI（ジャンヴィト・ロッシ）は、2006年にスタートしたばかりのシューズブランドですが、すでにとても有名なブランド。

ご存知の方も多いと思いますし、知らなくてもロッシという名前から勘の良い方ならピンとくると思います。
イタリアンシューズの巨匠セルジオ・ロッシの息子が立ち上げたシューズブランドであり、父であるセルジオ・ロッシの元で20年以上も修業をし、ブランドの立ち上げ時にはセルジオ・ロッシもサポートしています。

セルジオ・ロッシは、2020年にこの世を去っており、現在のクリエイションは別のデザイナーが担当していることを考えると、本来あるべきセルジオ・ロッシの伝統を色濃く引き継いでいるのはジャンヴィト・ロッシの方かもしれません。


　 実際ブランドの勢いという意味では明らかにジャンヴィト・ロッシの方が上回っているほどで、英国王室キャサリン妃をはじめ、リアーナ、アン・ハサウェイ、ベラ・ハディッド、グウィネス・パルトロー、ケンダル・ジェンナー、エマ・ワトソン、ダイアン・クルーガー、サラ・ジェシカ・パーカー、ペネロペ・クルスといったトップセレブリティであり、ファッショニスタたちがジャンヴィトの靴を愛用しているのです。

モノづくりという観点では、父親譲りのしっかりとした感覚を持ち、イタリアの靴づくりの街サン・マウロ・パスコリで世代を超えた職人たちの伝統や技を継承しつつ、手作りで靴づくりを行っています。
加えてジャンヴィトにはジャンヴィトらしい良さがあり、最新のテクノロジーを駆使した新しい素材をシューズに採用したり、ベーシックな中に感じられるモード、セクシー、エレガントというスタイリングが魅力的。

偉大な父の遺志を継ぐジャンヴィトの歴史

　 ジャンヴィト・ロッシのブランドとしての歴史はそれほど長いわけではありません。
2006年にスタートしたばかりのとても若いブランド。

生まれはイタリアの高級シューズ産業のメッカであるサン・マウロ・パスコリ、そして父親はイタリアンシューズの巨匠セルジオ・ロッシという環境からジャンヴィト・ロッシの靴作りに対する経験というのは生まれた時からすでに始まっていました。
父親の工房で靴に囲まれて育ったジャンヴィトからすれば、靴やかかと、革というのは彼にとってはレゴブロックのようなもので、工房が遊び場だったのです。

幼いころから靴作りは生活の一部になっていて、職人技を駆使した芸術とも呼べるデザインの中で育ってきたのでいずれ自身のブランドを立ち上げることは必然だったのでしょう。
2005年にグッチ擁するケリンググループにセルジオ・ロッシが買収されたときに父のブランドを離れ、自身のブランドを作ることを決意しました。

デビュー時にはF1のマシンや航空機にも使われる超強度でとても軽いカーボンファイバーをソールに使用することで100gという軽量サンダルを生み出したことで話題にもなりましたが、本質的には父セルジオ譲りの靴への愛情。
シンプルな構造ながらフェミニンなシルエットへのアプローチで、職人の力を最大限に発揮した履き心地のよさ、女性が自信をもって履けるシューズというのが真骨頂。


　 2008年にはミラノにフラッグシップショップをオープンし、北米へも進出。
サックス・フィフス・アヴェニュー、ニーマン・マーカス、バーグドルフ・グッドマン、ホルト・レンフリューなどの高級デパートで展開され、熱狂的な評価を集め、近年で最も成長している新しい靴ブランドだと言われるほど成長していったのです。

2016年には10周年を迎え、その勢いはとどまることを知りません。
ただ規模を拡大することがジャンヴィト・ロッシの目標ではなく、品質を犠牲にすることなく、顧客にとって特別なモノであり続け、時代を超越したスタイルを築くことだと語っています。

履いたら変わる女性の脚を一番に考えた履き心地

　 ジャンヴィト・ロッシのパンプス履き心地が良い、歩きやすいというのは近年よく耳にするかと思います。
確かに間違ってはいないと思いますが、誰にとっても確実に履き心地がいいのか、楽なのかというと答えは「No」でしょう。

シューズには型がありますし、自分の足に合う、合わないというのは当然出てきます。
とはいえ、歩くことを前提にしっかりと設計されているシューズであれば足に会う可能性が高いというのが実際のところ。


　 ジャンヴィト・ロッシのパンプスがなぜ履き心地が良い、歩きやすいと言われているかというと、それはその設計思想にあります。
ジャンヴィトはセルジオ・ロッシという伝説的なシューデザイナーの父を持ち、その下で長い経験を積んできました。
経験の中でトレンドや市場のニーズとは関係なく、自身の美学を表現するために職人技における最大限の品質の追求、そしてデザイナーのエゴを女性に押し付けないミニマルなデザインとなっています。
自身をフレームメーカーと表現し、靴は女性の脚の美しさを引き立てる額縁のような存在であるべきと考えているから。


　 その構造はかかとが少し高めになっていることで安定感があり、ヒールがやや内側（前方）に付いているので銃身がしっかりとヒールに乗っかることでかなり安定します。
さらにサイドの部分の脚の包み方が秀逸で、ヒールを履いていると起こりやすい前に滑っていく感覚がなく、がっちりとホールドされているように感じます。
しっかりと重心が安定することで、背筋もピンと伸び、変に力が入らないので足もスッと伸びて筋肉が自然と美しいラインを形成してくれるのです。

ジャンヴィト・ロッシのパンプスは設計思想から華やかさという点では、他のブランドと比べると見劣りする部分も多いのですが、世界中のセレブリティがこぞってデイリーから大事なイベントまでジャンヴィト・ロッシをチョイスするのは履き心地の良さと自身のスタイル、シルエットを美しく魅せてくれることを理解しているからでしょう。

サスティナビリティには最先端のテクノロジーで

　 サスティナビリティという言葉は、近年ではラグジュアリーブランドでもバズワードのようによく使われる言葉。
地球規模で環境への影響を減らしていくという取り組みなので、様々なブランドが取り組みを行っているのは理解できますが、その中でもジャンヴィト・ロッシの取り組みはかなり最先端。

イタリアのボローニャ大学と提携し、2019年から開発を進めブランドの生産ライフサイクル全体を分析するプラットフォームを作り、そのサスティナビリティの実現に向けて突き進んでいますが、ジャンヴィト・ロッシのゆるぎない2つの柱である「デザインと時代を超えた品質」にも繋がる取り組みなので至極当然のことなのです。

行っているのは消費分析や廃棄物管理を通じてデータ収集を行い、製造工程で排出された二酸化炭素量を算出することで、どうすれば削減できるのかという対策を立てていくようなもの。
ここで導き出された対策は工場などの内部プロセスに適用されて二酸化炭素の排出量を60％削減することに役立ちました。

こうした先進的な取り組みを行っていき、さらにサプライヤーや販売店にも浸透させ、2025年までにブランド全体で完全なカーボンニュートラル達成を目指しています。


大量生産が当たり前になってきている中で、伝統的な靴づくりを継承し、60にも及ぶ工程をハンドメイドによって高品質なシューズを作り続ける稀有なブランド「ジャンヴィト・ロッシ」。
こうしたこだわりの強さが最高の履き心地を生み、世界中のファンから支持されている由縁でしょう。
初志貫徹、こうしたモノづくりの本質を持ち、最高のシューズを発信し続けてほしいですね。

この記事を監修しているのは？

ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
好みや主観が入ったり、否定的な意見が存在するのは、ハイブランド.comの味であり、外部からの影響から独立しているからこそ出来ること。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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