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モンクレール Overview

モンクレールってすごいブランド、聞いたことあるよね？

　 Moncler（モンクレール）は高級ブランドとしての地位を確立していますが、ラグジュアリーブランドという立ち位置から考えるとかなり特殊なブランドといってもいいかもしれませんね。

主力製品がダウンジャケットで、現在でも

モンクレール＝ダウンジャケット

という方程式が完全に成り立っているブランドです。

ダウンジャケットというとアウトドアというイメージが強く、ラグジュアリーブランドというイメージはあまり湧かないのが普通ですが、モンクレールの場合は高級ブランドとして市場評価を得てしまっているというところがすごいのです。

近年では日本でも大人気、すでにモンクレールと肩を並べるほど街中でよく見かけるCANADA GOOSE（カナダグース）を筆頭にDUVETICA（デュベティカ）、TATRAS（タトラス）、HERNO（ヘルノ）、MooRER（ムーレー）といったプレミアムダウンブランドが頭角を現してきていますが、それでもまだ頭ひとつ抜けている感があるのはそのブランド力がずば抜けているからです。

モンクレールの品質の証

　 モンクレールの独特のロゴマークご存じですか？
白字に青と赤の鳥のようなマークですよね。

このマークはフランスの国鳥である「オンドリ」をイメージしています。
また、白、青、赤の3色で表現されているのもフランス国旗のトリコロールカラーからきているんです。
これは1968年のグルノーブルオリンピックでモンクレールのウェアがフランス代表チームに使われたときにオンドリがモンクレールのシンボルマークになったことからこのロゴが使われるようになりました。

モンクレールのダウンは最高級ということで認知されていますが、それもそのはずでフランス規格協会から最高品質とお墨付きをもらっているキャトルフロコン（4つ星）のグースの産毛を使用しています。

しかもこのダウンは１羽からわずか30gしか取れず、大量生産ができないほど希少価値が高いのです。
それを熟練の職人がひとつひとつベストな量をベストな場所に入れて、手作りすることで最高品質のダウンジャケットが作られているのです。

モンクレールというブランドの軌跡

　 ではそもそもモンクレールというブランドはいったいどうやって始まったのでしょうか？

始まりはフランスの田舎町で1952年にレネ・ラミヨンとアンドレ・バンサンという2人が立ち上げました。
モネステ・ド・クレァモン（Monestier de Clermont）という街にて創業したことから、頭文字をとってMonclerというブランド名をつけました。

創業当初からダウンジャケットを作っていたというわけではなく、テントやウェア、シェラフといった登山家のためのアイテムを手掛けるブランドだったのです。

看板アイテムのダウンはどうやって生まれたのか？

　 ダウン自体が生まれたきっかけは、工場スタッフの寒さをしのぐために防寒用として手足が出せるシェラフを作ったことからです。
ただ、これはあくまで原型というだけの話であって、ダウンジャケットという看板アイテムが生まれたのはまた別の角度からとなります。

それは、フランス人として初のヒマラヤ登頂に成功した登山家リオネル・テレイをブランドに迎えたこと。
登山というのは、想像しているよりもはるかに厳しいもので保温性の高い服がなくてはないものです。
そこで登山のプロのアドバイスをもらって登山家にとって本当に必要な保温性が高く、動きやすい、そして軽いウェアの開発を開始したのです。

こうして生み出されたダウンジャケットは1954年にはイタリアのカラコラム登頂隊、1964年のアラスカ遠征隊で使用されることになり、ダウンジャケットの第一人者として世界で認められるブランドへと成長したのです。

ダウンジャケット以外にも領域を広げていく

　 登山家向けのブランドとしてはすでに世界一ともいえるモンクレールでしたが、その経験やノウハウを活かして新しい領域へのチャレンジを続けていきます。

まずは同じくアウトドアとして防寒性や機動性が重要なスキーウェアへの進出。
当然ダウンジャケットで培ったノウハウがあるので、スキーウェアとしてもすぐに注目を集めます。
そして、1968年のグルノーブルオリンピックではフランス代表の公式ウェアに選ばれるという名誉を手にしました。

これだけでは終わらず、ファッションの世界へも展開していきます。
今でこそアウトドアブランドとファッションはある意味では両立しているような空気もありますが、まだこの時代ではそこは一線を画した状態。
そこに踏み込んでいったのです。

セレクトショップなどでもダウンジャケットが取り扱われるようになり、温かく、高い品質のモンクレールのダウンジャケットはファッションアイテムとして絶大な支持を得るようになったのです。

そしてこの頃からダウンジャケットだけではなく、徐々に製品ラインナップを拡張していき他のスポーツウェア、ポロシャツ、バッグ、アイウェアといったアイテムを発表していきます。

ラグジュアリーブランドへの転身を図る

　 2000年代に入るとアウトドアブランドというイメージからラグジュアリーブランド、ラグジュアリーアウトドアブランドへとイメージの転換をしていきます。

2004年からジュンヤワタナベ、2005年にはバレンシアガといったラグジュアリーブランドとのコラボレーションを行い、モコっとしてしまうダウンジャケットをタイトできれいなシルエットに見えるようにデザインしたり、デザイン、カラー、素材などをよりモダンなものへとシフトチェンジを図りました。

さらにはガムルージュというレディース最高級ラインも登場し、後にヴァレンティノのクリエイティブ・ディレクターを務めたアレッサンドロ・ファキネッティやジャンバティスタ・ヴァリがデザインを担当。
メンズはトム・ブラウンを迎えガムブルーをスタートさせました。

その後もsacaiのデザイナー阿部千登勢とのコラボレーションライン「モンクレール グルノーブル」やvisvimのデザイナー中村ヒロキとのコラボレーション「モンクレール ヴイ」など数々の新しいコンセプトを開始しています。

多数の才能を繋ぐジーニアスプロジェクトによって大躍進

　 これまでも数々のコラボレーションを成功させてきたモンクレールですが、特に成功したのは2017年のヴァージル・アブロー率いるオフホワイトとのコラボレーション。

その成功をきっかけとして始まったのが、「MONCLER GENIUS（モンクレールジーニアス）」プロジェクト。
世界中の才能あふれるデザイナーとコラボレーションして毎月新しいコレクションを発表するという試みです。

このプロジェクトには、日本の藤原ヒロシや二宮啓をはじめ、ヴァレンティノのピエールパオロ・ピッチョーリ、パームエンジェルスのフランチェスコ・ラガッツィ、ALYXのマシュー・ウィリアムズ、ロエベのジョナサン・アンダーソン、HYKE（ハイク）など錚々たるメンバーが参加しています。

ジーニアスの大成功により、今までモンクレールに対して興味がなかったユーザーや若者からも支持を集めるブランドへと大きく飛躍していきました。

多彩なクリエイターとのコラボレーションで快進撃

日本でも大人気になったのは？

　 モンクレールってある時期をきっかけに日本でも爆発的大ブームになったのはなんとなくご存知ですよね。

実は木村拓哉さん（キムタク）主演のドラマ「HEROS」で久利生検事を演じたキムタクが常に着ていた茶色っぽいレザーダウンがモンクレールのダウンジャケットだと思われたからなのです。
これ実際はA BATHING APEのダウンだったので違うのですが。

実際にはフレッツ光のCMできていたダウンがモンクレールのダウンジャケット「エレベスト」でした。

ただ、モンクレールは別にキムタクだけではなく例えばダウンタウンの浜田雅功さんや人気モデルの蛯原友里さんや押切もえさん、滝川クリステルさんなど男女問わずに人気のブランドです。

ダウンジャケットなのにスタイリッシュに見えるのでモデルや海外セレブの間でも外せないブランドになっています。

今やエリートサラリーマンやセレブママたちの間でもモンクレールを着ることがステータスになっているほどなのです。


モンクレールはいまやラグジュアリーファッションブランドとして、その地位を確固たるものにしています。
単に防寒具にあらず、機能性や防寒性はさることながら、そのファッション性に注目を集めているのです。

ダウンジャケットのごわごわした感じが全くなく、軽く、動きやすい、そしてに何よりスタイルまでよく見えるというのはすごいですよね。

モンクレールのダウンジャケットを着ていれば、それだけで一目置かれることは間違いないですよ。

→次は「多彩なクリエイターとのコラボレーションで快進撃」

この記事を監修しているのは？

ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
好みや主観が入ったり、否定的な意見が存在するのは、ハイブランド.comの味であり、外部からの影響から独立しているからこそ出来ること。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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