- Established: 1992
- Nation:イギリス
- Website:https://www.alexandermcqueen.com/
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アレキサンダー・マックイーン Overview
すごい前衛的なブランドというイメージですが・・
デザインの天才と言われながらも「モード界の反逆児」、「イギリスファッション界のバッドボーイ」など様々な表現で称されたALEXANDER McQUEEN(アレキサンダー・マックイーン)。
過去のイメージから超アバンギャルドなデザイナーズモードブランドというイメージを持たれている方もいるかと思いますし、ブランドとして名前は聞いたことがあっても、実際どんなブランドなのかというのはあまり知られていないかもしれません。
近年ではイギリス王室のウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式でウェディングドレスをデザインしたブランドとして話題となりましたが、日本ではもともとヴィア・バス・ストップのようなセレクトショップで扱われていたくらいで、直営店が出来たのは2014年になってからですし、知名度も人気という点でもまだまだ浸透しきっていないブランドです。
実はブランドを立ち上げたアレキサンダー・マックイーン自身はすでに亡くなっていて、今は後任のサラ・バートンがクリエイティブ・ディレクターであり、ロイヤルウェディングのデザインを行ったのもサラ・バートンです。
逆にサラ・バートンになってデザインに丸さのようなものが出てきた一般受けするようになった節もありますし、ブランドの展開という意味においてもケリング(グッチ・グループ)が力を入れてきています。
波瀾万丈な歴史や常識を超えたコレクションなどおもしろいブランドではありますので、知っていくととても興味深いブランドになると思います。
波乱万丈を極めるブランドの歴史
ブランドのスタートは1992年でイギリスの名門ファッションスクールのセントラル・セント・マーチンズの卒業コレクションでVOGUE(ヴォーグ)のエディターに見初められ、ブランドスタートのきっかけとなります。
ローライズパンツの走りとなったコレクションやモデルの服がボロボロになったコレクション、生きている虫が服に入っているコレクションなど普通ではないことに見慣れているはずのファッション関係者でさえ驚きを隠せないほど奇抜なショーを連発し、どんどんと名を上げていったのです。
アレキサンダー・マックイーン自体は、そうしたぶっ飛んだコレクションがLVMHのベルナール・アルノーに認められ、LVMHグループのGIVENCHY(ジバンシィ)のクリエイティブ・ディレクターを兼任することになります。
その後、グッチ・グループに買収されたことでLVMHから離れ、ブランドは拡大路線に。
ただ2010年にアレキサンダー・マックイーンが自殺により、この世を去ったことで右腕としてウィメンズ部門のトップを務めていたサラ・バートンがクリエイティブ・ディレクターとしてブランドを引き継ぎました。
デザインだけじゃなく、本当にすごいのは服作りの技術
アレキサンダー・マックイーンの服というのは、その奇抜、アバンギャルドさばかりに目を奪われがちですが、実はその本質はイギリスの伝統的な仕立て通りサヴィルロウにあります。
学校で服作りを学んでいたわけではないですが、16歳からサヴィルロウで修業を行い、イギリスの伝統的な仕立てをマスターし、さらに舞台衣装を扱うバーマン&ネイサンズでパターンカッティングを学び、セントラル・セント・マーチンズではパターンカッティングの講師を務めたほどデザインだけではなく、服作りに関してもプロなのです。
アバンギャルドなモダンスタイルなデザインではありますが、服の仕立て自体は伝統的な仕立て、そしてシャープ・カッティングという技法によってカッティングでシャープさを表現します。
さらにジバンシィでのオートクチュールの経験によってフレンチシックを取り込んだために様々なエッセンスがミックスされた唯一無二の服だったのです。
サラ・バートンも学生時代のインターンからアレキサンダー・マックイーンの下で働き、14年にも渡りアレキサンダー・マックイーンを支えてきたので、この考え方や技術、意志を受け継いだうえで彼女なりの緻密な計算を加え、柔らかいデザインへと昇華させています。
アレキサンダー・マックイーンのアイコンって??
アレキサンダー・マックイーンが世に流行らせたものと言えば、ひとつはローライズパンツ。
これはデビューコレクションで発表したのですが、お尻の割れ目が見えるほどのローライズで、このデザインを真似て多くのデザイナーが同様のローライズを発表したため1990年代のトレンドアイテムとなりました。
そして、現在でもブランドのアイコンとなっているのがスカルモチーフ。
今ではスカル(がい骨)のモチーフというとどこか安っぽい、ありふれたデザインとなっていますがよく考えたらスカルのモチーフをデザインに使うという発想はなかなか出てこないですよね。
それがここまで一般的に使われるようになっているのはアレキサンダー・マックイーンの存在があったからです。
ここ最近のトレンドというとラグジュアリーブランドがリリースするスニーカー。
アレキサンダー・マックイーンでもラグジュアリースニーカーは人気となっていて、ミニマルなデザインなのですが品があり海外セレブやファッショニスタの間でも大ブームになっています。
デビュー時からのレディー・ガガとの関係
アレキサンダー・マックイーンの最後のコレクションとなった2010年のコレクションで発表されたのがアルマジロブーツ。
実はこのシューズはレディー・ガガのミュージックビデオ「Bad Romance」で着用されています。
というのも今でこそレディー・ガガの奇抜なファッションというのはそれ自体が個性として認められ、むしろもてはやされているのですが、デビュー当初はあまりにもぶっ飛びすぎていてデザイナーから衣装提供を断られ続けていたのです。
そんな時にアレキサンダー・マックイーンは同じような状況を経験していたこともあり、彼女の才能を認め衣装提供をしたのです。
こうした縁もあり、売上が寄付されるオークションサイトのクリスティーズに出品されたアルマジロブーツ3足をすべて購入し、3足で総額 約3600万円で落札。
「天国からの贈り物」というメッセージ付きでインスタグラムで披露しました。
メインラインは高いけどセカンドラインなら
ALEXANDER McQUEEN(アレキサンダー・マックイーン)は、McQ(マックキュー)というディフュージョンラインがあり、2000年にグッチ・グループの傘下に入ったことで2006年にスタートしたものです。
目的はセカンドラインらしく、トレンドや若者を意識してメインラインよりも明らかに安価にすることでブランドを普及させるため。
メインブランドの1/3~1/5くらいの価格帯で購入できるので、アレキサンダー・マックイーンのデビューを考えている方にはぴったりのブランド。
若者のユースカルチャーからインスピレーションを得ており、デニムを中心にして、テーラードのディテールを活かしTシャツやパーカー、スニーカーなどのカジュアルアイテムからドレスまで揃っています。
特にデビュー時にはカルト的な人気を得るほど大ブレークしました。
アレキサンダー・マックイーンは、大英帝国3等勲爵士(CBE)を受勲しており、亡くなった際には王室や世界的な指導者のみしか許されていなかったセントポール大聖堂で追悼式が行われ、ニューヨークのメトロポリタン美術館で行われた回顧展には50万人もの人々が訪れたほどです。
サラ・バートンも大英国勲章OBEを受勲していますし、ディオールのクリエイティブ・ディレクター就任が噂されたほどのすごいデザイナーなのです。
まだ日本での人気という点では、トップラグジュアリーブランドに比べると劣る点は否めないですが、素晴らしいデザイナーによって継承されてきたクリエイティブの塊のようなブランドですので本物にこだわる方はチェックしてみてください。
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