ジョージアン Georgian

ジョージアン様式データ

  • 年代:18世紀初頭~19世紀初頭
  • 主な地域:イギリス


ジョージアン様式の解説

イギリスのジョージ1世から3世の時代に流行したイギリスのロココ、およびネオクラシックともいうべき、文化的にも趣向的にも洗練された時代の様式です。
イギリス経済の成長期にあたり、中産階級が台頭したことから優れた職人たちが貴族の保護から独立し、デザイナーとして活躍したイギリス家具史の黄金時代といえる時代です。
この時代はヨーロッパへの遊学である「グランド・ツアー」が流行し、ツアーに出た貴族の子弟たちがフランスでフランス語やマナー、イタリアで古代ローマやルネサンスの建築や美術を学び、多くの美術品、芸術品を持ち帰りました。
このツアーでの出会いや友情がのちのイギリス文化に大きく影響をしています。


建築

前期(1714~1770)

ギリシャ・ローマの古典建築を基本とした、端正な建築様式「パラディオ・スタイル」が復活しました。第3代バーリントン卿がその中心とも言える人物であり、グランド・ツアーで出会った建築家兼家具デザイナーのウィリアム・ケントなどを後援したばかりでなく、ロンドンにある「チズウィックハウス」などを設計もしました。
また、リゾート地として知られるバースでは、ジョン・ウッド親子が活躍し、なかでも息子の設計による「ロイヤル・クレセント」は有名です。


後期(1770~1820)

近世イギリス建築様式を確立したともいえる建築家のロバート・アダムが活躍した時代で「グランド・ツアー」で学んだローマ建築の知識を生かして古代ローマ風の優美な装飾模様や色彩を施しました。「サイアンハウス」の前室に代表されるような作品は、これまでのパラデァアニズムに比べ、より意匠的な装飾や色彩は当時一世を風靡しました。
また、造園では自然のままの姿を表現した絵画的な庭園が流行し、フランスの規則的な幾何学的庭園に対して、イギリス風形式庭園と呼ばれます。


室内装飾

前期(1714~1770)

フランスのロココ様式をイギリス人にあうように実用的で機能的なデザインに改良したトーマス・チッペンデールやウィリアム・ケントといったデザイナーが活躍しました。
カラースキームは、東洋の影響を受けたディテールをピーコックブルーやレッド、ゴールドなどが人気のカラーとなっています。ファブリックは、ダマスク、ベルベット、花柄のチンツなどが多く使われました。


後期(1770~1820)

古代ギリシャ・ローマのデザインを自在に取り入れ、軽快で優美な趣を演出したロバート・アダム、トーマス・シェラトン、ジョージ・ヘッペルホワイト、ジョサイア・ウェッジウッドなどのデザイナーが活躍しました。
床は白、黒、象嵌の大理石を使い、天上はドーム天井やニッチなどに特徴が見られます。窓は両側に縦長窓、中央にアーチ窓を配したパラディアンウインドー、ファンライトや半円窓のサンバーストが流行しました。
カラースキームは、アダムやウェッジウッドのパステルブルーやイエローと白との組み合わせが人気を博しました。
ファブリックはサテン、ダマスク、チンツ、トワレプリントにギリシャの壷、花飾り、ストライプ、古典模様などさまざまな柄が用いられています。


家具

素材にはマホガニー、サテンウッドが多く用いられ、前期は「マホガニーの時代」、後期は「サテンウッドの時代」といわれます。
椅子の張り地は、シルクの朱子織が好まれました。
この時代の代表的なデザイナーには、クイーンアン風、ゴシック風、ルイ15清風、中国風などの折衷様式を完成させたトマス・チッペンデールがいます。彼は、「紳士と家具師の指針」という最初の家具デザインに関する書物を書いたことでも知られています。代表作としては、椅子のせいに東洋の仏塔をイメージした「パゴダバック」やリボンを結んだような「リボンバック」などがあります。
他にも古典的なモチーフを活かして、洗練された家具を完成させたアダム4兄弟やロバート・アダムの影響を受けて機能的でシンプルな家具を発表したジョージ・ヘッペルホワイト、直線的で静かなデザインが特徴的なトーマス・シェラトンなどがいます。




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