バロック / レジャンス様式データ
- 年代:17世紀~18世紀半ば
- 主な地域:ヨーロッパ
バロック / レジャンス様式の解説
カトリック教会と専制君主の宮廷を中心に栄えた重厚な様式になります。
17世紀にローマバロックがイタリアのローマで始まり、フランスのルイ14世時代に開花した様式です。
特にバロックからロココへの過渡期の様式をレジャンスといい、ルイ15世様式と区別する場合もあります。
バロックとは、「風変わりな、不規則な」という意味でルネサンスの古典的な規範から離れ、動きのある形が好まれたことから目新しい様式を指す言葉として生まれました。
建築
ローマバロックは教会と結び付いた建築様式であったが、フランスでは専制君主の宮殿を装飾する様式として展開されました。色大理石やメッキなどを使って、形や色彩など、外観を過剰に装飾する傾向が強く、後のロココ様式にまで影響を与えています。宮殿を中心に放射状にのびた途、左右対称に配置された建物と幾何学的に構成された庭園が特徴です。この庭園は、イタリア ルネサンスの影響を受けたもので、のちにフランス幾何学式庭園として完成します。
建築家のルイ・ル・ヴォ―、画家でもあり、室内装飾家でもあったシャルル・ル・ブラン、造園家のアンドレ・ル・ノートルの3人による「ヴォ―・ル・ヴィコント城」や「ヴィルサイユ宮殿」、フランソワ・マンサールによる端麗屋根表現をもつ「メゾン城」などがよく知られています。
室内装飾
床は寄木張りか大理石で、その上に色数の多いオリエンタル柄かサボナリエの敷物を敷いていました。壁にはウッドパネルが使われるようになり、そこに彫刻を施したり、布張りをしています。板硝子の製造技術向上により、大型の鏡も使われるようになります。
カラースキームは、イタリアルネサンスにおいてもてはやされたビビットな赤が多用されました。
窓かけはダマスク、ブロケードなどの絹織物に、フリンジやコードで装飾を施すようになり、バランスにもたっぷりとフリンジをつけ、トップには壺状の飾りがつけられました。カーテンのタイバックは低い位置につけられ、これにもフリンジやタッセルの飾りをつけるなど非常に華やかさが増しています。
ヴィルサイユ宮殿の鏡の間、戦争の間、平和の間等が有名です。
家具
家具の傾向としては、大きめのサイズで男性的な重厚なデザインが多くみられます。
家具の脚は、金銀のメッキや象嵌装飾、フレミッシュスクロールが施され、HやX字型ストレッチャーがつけられました。また、椅子の座には、ゴブラン織りの張り地が使われました。
アンドレ・シャルル・ブールが代表的なデザイナーで彼のデザインはブール様式と呼ばれています。
美術・工芸
この時代の絵画は、明暗対比と躍動感を特徴としています。
代表的画家としては、フランドルのピーター・パウル・ルーベンス、オランダのレンブラント・ファン・レインなどがいます。
工芸では、オランダでデルフト陶器が盛んに作られ、フランスにも輸出されていました。乳白色の地にコバルト色で絵付けしたものが特に有名です。