ロココ Rococo

ロココ様式データ

  • 年代:18世紀半ば
  • 主な地域:ヨーロッパ


ロココ様式の解説

別名ルイ15世様式といわれており、ルイ14世の没後のフランスに始まり、ヨーロッパの貴族層に流行した様式です。
特に室内調度様式をあらわしており、国王の絶対的支配から離れた貴族たちがヴェルサイユからパリでの社交生活を好むようになったことから生まれた優雅で装飾的なスタイルです。
ロココとは、貝殻状の人造石ロカイユに由来しており、ロココの装飾のモチーフである曲線に特徴があることからつけられた名前です。


建築

貴族の館が多く作られました。過剰装飾を施すバロック様式の傾向が残ったものが多く見られ、建築構造上の変化というよりは、インテリアに変化の傾向が強く見られた時代です。


室内装飾

それまでの大広間を中心とした間取りから、たくさんの小部屋が作られるようになり、特に「サロン」と呼ばれる客間が発達しました。
床は寄木張り、または大理石でオーバッソンと呼ばれる花柄の綴り織りの敷物がしかれました。曲線が重視され、部屋の形もコーナーを丸くしたものが多く、壁面にはロココカーブのウッドパネルが使われました。カラースキームは、パステルトーンが好まれました。
窓掛けは上下にロココカーブのカットが入ったバランスが特徴的で、フリンジはバロック様式に比べれば若干短めとなります。タイバックで引き分け、ドレープを寄せたドリパリーやオーストラリアンシェードも流行しました。


家具

建築様式の変化で部屋が小さくなるとともに、家具のサイズも小さく、繊細になりました。
椅子やコモード、コンソールなどの種類も増えています。デザインは全体的に曲線で構成され、家具の脚は、猫脚が使われました。


美術・工芸

絵画では版画、水彩画、パステル、素描などの手法が増えました。
この頃の女性的な文化を反映して婦人を描いた作品が多くあります。
代表的な画家としては、アントワーヌ・ワトー、フワンソワ・ぶーシェ、アレッサンドロル・エヴァリスト・フラゴナール、モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥールなどがいます。
工芸では、オランダのデルフト陶芸の隆盛に続いて、フランスのルーアン、セーブルに磁器製作所が作られ、東洋風の意匠が流行しました。またドイツのマイセンでは、硬質磁器の生産に成功し、ロココ趣味の人形が有名となりました。




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