- Established: 2010
- Nation:フランス
- Website:http://pigalle-paris.com/
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ピガール Overview
ファッションと芸術の街に生まれたストリートの産声
時代の本流にあるラグジュアリーストリートブランドですが、ラグストと言っても実はその国によって少しずつ違いがあります。
フランスの場合は、ラグストの基礎となる部分を築き上げた感のあるRICK OWENS(リックオウエンス)やバレンシアガのクリエイティブ・ディレクターも務めるデムナ・ヴァザリア率いる新星ヴェトモンなどがありますが、やはりパリ発のラグジュアリーストリートというとPIGALLE(ピガール)は外せません。
オフホワイトやフィアオブゴッド、ヴェトモン、パームエンジェルス、ヘロンプレストンなど今をときめくラグストブランドは2015年前後にスタートしており、まだまだ歴史はとても浅いです。
そんな中でピガールは、2010年にスタートしているという点では、他のブランドに比べると一歩先を行っているようなイメージ。
もちろんラグジュアリーブランドは100年以上歴史があるようなブランドがたくさんあるので、大した差ではないのですが、トレンドの最中にあるムーブメントにおいてはこの数年の差というのはけっこう大きいのも事実。
伝統的なファッションの街パリでいち早くラグジュアリーストリートウェアを発信したステファン・アシュプールとピガールについて詳しく見ていきましょう。
オートクチュールのようなエレガントなスポーツウェアスタイル
ピガールというとやはりイメージされるのは長方形に囲まれたボックスロゴ。
ボックスロゴの入ったTシャツやパーカーといった定番アイテムは、いかにもなストリート感がありますし、シュープリームなどのストリートブランドでも定番になっているデザイン。
日本でも3代目J Soul Brothersの登坂広臣など日本のファッションアイコンがピガールのボックスロゴアイテムを着用して一気に注目を集めることになりました。
海外でもエイサップロッキーやリアーナといったストリートファッション界の大物が着用したことで同様に人気となっています。
しかし、本来パリというのは伝統的なファッションブランドが多く、オートクチュールなどのメゾンが主流の街。
ストリートブランド自体も本場アメリカに比べると遥かに少なく、コテコテのストリートファッションよりもエレガントなスタイルをミックスしたフレンチストリートスタイルがピガールの本来の姿であり、魅力といえるでしょう。
実際ピガールのアイテムやコーディネートをよく見ると確かにストリートウェアではあるのですが、上質なカジュアルウェアという表現の方が似合います。
パリというカルチャーをしっかりと活かした伝統のオートクチュールとスポーツウェアを組み合わせる紡ぎだされる上質なウェアというのがピガールの特徴なのです。
素材に関してもリヨンのシルク、日本のジャージー生地、イタリアのニットなど厳選されたものを用い、フランスで生産されるというしっかりとしたこだわりによってスポーティーなウェアを内側からエレガントに仕上げているのです。
シャネルアトリエとも関係を持つ才能「ステファン・アシュプール」
PIGALLE(ピガール)はステファン・アシュプールが2010年にスタートしたブランドであり、実際には2008年にパリのピガール地区にオープンしたセレクトショップがその発祥。
ピガール地区というのは華やかなパリのイメージとは違い、いわゆる夜の街でパリの中でも治安が悪いとされるアンダーグラウンドな街ですが、ピガールで生まれたステファン・アシュプールからすると、ピガールのカルチャーや雰囲気全てがブランドPIGALLE(ピガール)のインスピレーションなのです。
両親はともにアーティストという一家でダンスウェアを作る父とダンサーの母、こうした環境で育ったステファンは幼いころから民族衣装などファッションに興味を持ち始め、独自の審美眼を養っていきました。
独学ではありますが、若者のファッションを観察し、様々な人の意見に耳を傾けることでスキルとセンスを磨いていったのです。
2002年には母親と一緒にクリエイティブエージェンシーVida9を設立し、リックオウエンスやガレスピュー、クリスチャン・ディオール、ナイキなどのショーを製作したことがファッション業界への第1歩でした。
ここから発展したのがリックオウエンスやガレスピューに加え、日本のフェノメノンなどを扱うセレクトショップのピガールであり、2年後にピガールというオリジナルブランドの歴史が始まったのです。
ピガールは順調に軌道に乗り、2015年にはいくつかの大きな節目がありました。
最も大きなニュースはフランス国が主催するANDAM(アートやファッションにおける発展支援団体)のファッション賞でグランプリを受賞したのです。
ANDAM(アンダム)アワードはシャネルやLVMHグループ、イヴサンローラン財団といったフランスを代表するファッション業界の重鎮が審査員として揃うとても大きなアワードで、このグランプリによってシャネルのファッション部門社長のメンタリングの権利まで獲得したのです。
これによってシャネルのアトリエがステファン・アシュプールの後ろ盾となっているのです。
さらにはeコマースの立ち上げや日本に国外初のフラッグシップストアを日本にオープンしたのです。
また、ステファン・アシュプールもラグジュアリーストリートブランドのファウンダーとしてはお決まりになっている「/(スラッシャー)」。
デザイナーであるだけでなく、Vida9の社長であり、セレクトショップのオーナーであり、さらにはパリでも有名なオーガナイザー集団「PAIN O CHOKOLAT(パンオショコラ)」を主宰していたりとマルチな活動を行っています。
世界に先駆けて日本に進出したジャパンLOVE
PIGALLE(ピガール)の日本への進出は世界の中でもかなり早く、2013年に渋谷でボックスロゴアイテムだけを扱うゲリラショップで日本上陸を果たしています。
そして2015年に世界3店舗目、アジアで初のフラッグシップストアが円山町にオープンしました。
円山町というのがピガールらしいウィットに富んだ立地になっていて、ラブホテルやバー、クラブなどが立ち並ぶ日本でも有数の歓楽街を選んだのは、ピガール地区もパリの中でも有名な歓楽街だったということがあるのでしょう。
ピガールでそうであったようにステファン・アシュプールは歓楽街では歴史、文化、建築といった様々なインスピレーションが生まれる場所としており、ピガールの雰囲気に似ていて居心地のよい円山町に決めていたそうです。
このピガール円山町は2019年にブランド初の試みとなるギャラリーへと業態を変更しています。
ブランドの希少性を高める目的として、常設物販をなくして新作発表やコラボレーション、アートや音楽、フードなどイベント時にオープンするという新スタイルへと移行しました。
ファッションの域を超えた粋なコラボレーション
ピガールも当たり前のように他ブランドとのコラボレーションは積極的に行っています。
日本の吉田カバンのPORTER(ポーター)やカシオのG-SHOCK(ジーショック)、コンバース、変わり種ではアメリカのオーディオブランドBeats by Dr.Dre(ビーツバイドクタードレ)とヘッドフォンを開発しています。
そんなピガールのコラボレーションの中でも特筆すべきものを取り上げています。
コラボレーションの発展形はバスケットコート
コラボレーションとして最も有名なのはNIKE(ナイキ)とのコラボレーションです。
2014年からバスケットボールを中心に据えたコラボを行ってきており、リバウンド王デニス・ロッドマンのAir Shake Ndestruktをクールなロイヤルブルーの美しいカラーに染めたヌバックレザーとテクニカルテキスタイルのコンビネーションのシューズやコートでもストリートでも活躍できるアパレルウェアなど多数リリースしてきています。
最も注目すべきは2019年にパリに初めて作られたバスケットコートそのもの。
そもそも安全にバスケットをプレイする場所を作りたいという想いとコミュニティの発展を願い駐車場だった場所がバスケットコートに変わり、パリのバスケットボールプレーヤーの憩いの場所となったのです。
この取り組みはパリを飛び出し北京、メキシコシティへと拡大していきました。
色彩の魔術師の競演「ミッソーニ×ピガール」
ラグジュアリーブランドとストリートブランドのコラボレーションというのは近年ではトレンドになっていますが、MISSONI(ミッソーニ)というのはかなり珍しいコラボレーション。
過去にはコンバースとのコラボレーションがあったくらいで、ピガールのようなブランドとのコラボはかなり意外性がありました。
ミッソーニの高級仕様のニットウェアとバスケットボールジャージをベースにしたナイロンメッシュ素材を融合させ、三角形に切り取ったファブリックをパッチワーク状に構成したアイテムはアートのような芸術性を持ちつつ、スポーティー。
多彩な色彩感覚を持つ2つの感性によって抜群のアイテムを発表しています。
MISSONI(ミッソーニ)× PIGALLE(ピガール)のアイテム
ファッションと芸術の街パリを発祥とするラグジュアリーストリートブランドPIGALLE(ピガール)。
キャッチーなボックスロゴアイテムもいいですし、伝統的なオートクチュールの空気感を感じられるエレガントなスポーツウェアという他では感じられないピガールの煌めきは一度体験してみると病みつきになります。
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ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門
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