- Established: 1854
- Nation:フランス
- Website:http://jp.louisvuitton.com/
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ルイヴィトン Overview
一人勝ちとも言える圧倒的なブランド力
(出典:http://jp.louisvuitton.com/)
ルイ・ヴィトンは言わずと知れた世界でもトップのファッションブランドです。
モノグラムやダミエといった人気のデザインはおそらく街を歩いていると頻繁に目にすることになり、名前を知らなくてもそのデザインは目に焼き付いていることでしょう。
ルイ・ヴィトンというのは、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)というグループ企業の中の1ブランドになるのですが、この単体1ブランドでの売上高も1500億円を超える規模となっており、年によって多少の増減はありますが、エルメスやグッチ、シャネルなどの他のラグジュアリーブランドの倍以上の売上という圧倒的な人気を誇っています。
ちなみにLVMHグループの中にはフェンディ、セリーヌ、ロエベ、マーク・ジェイコブス、クリスチャン・ディオール、ブルガリといったブランドも名を連ねている超巨大グループで他にもタグ・ホイヤーや、ゼニス、ウブロといった高級腕時計ブランド、モエ・エ・シャンドン、ドン・ペリニヨンといった超高級ワインブランドも参加においているファッション業界の巨人です。
2021年には、ルイ・ヴィトン初の黒人クリエイティブ・ディレクターとなったヴァージル・アブロー率いるOff-White(オフホワイト)も傘下に収めています。
その中でも主力ブランドとして冠のひとつになっているヴィトンというのがいかにすごいかというのがわかると思います。
歴史やブランド力におごらない革新性もヴィトンの魅力
ルイ・ヴィトンというのは、とても歴史のあるブランドでもありますし、圧倒的なブランド力があるというのは申し上げた通りです。
しかし、そのブランド力や歴史に胡坐をかいているだけでもありません。
時代の流れに合わせた革新性といった点を見てもやはりルイ・ヴィトンというブランドはずば抜けたセンスを持っています。
というのも、ヴィトンというとモノグラムやダミエなどのイメージがとても強いですが、新定番となったヴェルニは1997年にアーティスティック・ディレクターに就任したマーク・ジェイコブスが生み出したものですし、その後もレディースは二コラ・ジェスキエール、メンズはシュープリームとのコラボレーションで一大センセーションを巻き起こしたキム・ジョーンズからストリートシーンでは圧倒的な人気を誇るオフホワイトのデザイナー ヴァージル・アブローをクリエイティブ・ディレクターとして招き入れるなど他のブランドに先駆けてトレンドを創り出していっています。
こうした常に新しい風を取り込み、ブランドを活性化させることで最先端のブランドとしてのルイ・ヴィトンが出来上がっているのです。
このとてつもない人気の秘密は一体どこにあるのか?
なぜこれほどまでにルイ・ヴィトンというのは人気があるのでしょうか?
ルイ・ヴィトンというブランドは実にマーケティングがうまく、様々な戦略をことこまかに張り巡らせています。
よくマーケティングの4P戦略(Productプロダクト、Price価格、Place(流通)、Promotion(販売促進)というものが語られますが、ルイ・ヴィトンはこの4つのPに対して実に素晴らしい対応を行っているからなのです。
Product プロダクトはいわば職人のモノ作り
(出典:http://jp.louisvuitton.com/)
製品に関しては通常、モノを作るということを考えるときに職人が作る一点ものであれば納得がいくまでとことんこだわり抜いた作品を作り上げるでしょう。
しかし、ブランド製品のような大量生産、大量販売を見越したいわゆる工業デザインの分野に関しては一定以上の品質を満たすものを作ることが重要であり、過度な品質へのこだわりというのは製造コストの高騰につながるのでよしとされません。
しかし、ヴィトンの考え方というのはまさに職人が作品を作るかのごとく「絶対的な品質」というものを念頭において作られており、創業時代からその想いというのは脈々と受け継がれているのです。
なので、ヴィトンのアイテムは非常に丈夫で長持ちする高い品質をもった製品が生み出されます。
Price 価格ではなく価値
(出典:http://jp.louisvuitton.com/)
価格というのは一般的には安いものが好まれます。
ブランドものに限って言えばステータスという視点が入るので、単に安いことがいいわけではなくある程度の価格でないと逆に意味が無いということもあります。
価格に関するヴィトンの在り方は、価格ではなくその価値に着目しています。
そして価値というものが価格になる以上は他の競合との相対的な価格ではなく、ルイ・ヴィトンの製品としての絶対的価値によって価格が決定されていきます。
価値が高いものであれば、その分価格にも反映されるという至ってシンプルな考え方です。
しかし、ステータスをもとめるセレブからするとこの価値と価格のバランスがとれていることがやはり人気につながっているのでしょう。
Place 流通を支配する
(出典:http://jp.louisvuitton.com/)
モノを売るということを考えると普通は百貨店、ショップ、ネットショップ、量販店など様々な流通チャネルを使って販売を考えることが普通です。
ルイ・ヴィトンでいえばこの考え方は当てはまりません。
直営ショップや百貨店などヴィトンの目が届く範囲の限られた空間のみで販売することで、そのブランド価値を高めているのです。
安易な安売りや信頼出来ない場所では販売しないことでヴィトンの製品に対する信頼感と安心感を与えており、またその場所自体も選ばれた場所とすることでステータスを確保しているといえます。
Promotion 販売促進はイメージを創りだすのみ
(出典:http://jp.louisvuitton.com/)
商品のプロモーション活動において最もすぐに思い浮かぶのはテレビのCMではないでしょうか?
でもルイ・ヴィトンのテレビCMは見たことがないと思いませんか?
そうです、ヴィトンはCMをうっていません。そのかわりに雑誌や新聞に対する広告は出しています。
しかし、その中においてもモノを売るための広告というよりはヴィトンというブランドイメージを構築するためのもので非常に洗練されたラグジュアリーなイメージを我々に植え付けるのです。
こうして頭のなかに植え付けられたイメージというのがルイ・ヴィトンという憧れを創りだし、背伸びしてでも欲しいと思わせてくれるのでしょう。
最近では、ラグジュアリーブランドであってもセカンドラインや安価なディフュージョンラインなどを展開するケースもありますが、ルイ・ヴィトンはそういったことは一切していません。
また、多くのブランドが失敗しブランドイメージを失墜させてきたライセンス提供による普及などもこれまで全くしていませんし、海外からの並行輸入ですら見かける事が少ないでしょう。
こうしたブランドイメージを損なう活動を行わないという安心感、そして高級であり続けることがルイ・ヴィトンのプロモーションの一環なのです。
日本でも最高峰の人気
ヴィトンというブランドは世界的にもNo.1のラグジュアリーブランドとして認知されていますが、日本での人気はとりわけ高いです。
それというのもルイ・ヴィトン・ジャパンの代表に秦郷次郎が就いてからというもの、価格戦略や流通戦略は日本流のやり方がグローバル・スタンダードとして定着させるほどに成熟させたという経緯もあります。
また、大人気のモノグラムやダミエといったラインは日本の家紋や市松模様をモチーフにしてデザインされたということで日本という国と非常に関連性が高いということが挙げられるでしょう。
こうした日本の文化との深い関わりというのも日本人の美意識や愛着という感性を刺激し、他のブランド以上の思い入れを生んでいるのかもしれません。
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ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門
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