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デザイナーストーリー

倉俣 史朗というデザイナー

1960年代から90年代にかけて空間デザインからプロダクトデザインにおいて、世界的に見ても素晴らしい功績を挙げた日本が誇る名デザイナーです。

1934年に東京で生まれ、戦争時に空襲で米軍が落して行ったアルミがキラキラ光って綺麗だったと語ったことがあったそうです。
1956年に桑沢デザイン研究所・リビングデザイン科を卒業し、「ドムス」誌でイタリアモダンデザインに出会ってから、この本に認めてもらえるようなデザインを志します。

1965年には自身の事務所である「クラマタデザイン事務所」を設立し、1967年頃から前衛美術家 高松次郎やグラフィックデザイナー 横尾忠則とのコラボレーションした内装などを手掛け、一気に注目を浴び始めます。

1969年には自ら「ドムス」誌に作品を持ちこみ、後に掲載される事になります。まさにデザイナーとしての道を歩みだした時に抱いた想いが成就したことになります。
1970年には日本万博博覧会にも参加しており、この頃にFurniture with Irregular Forms（変形の家具）を発表します。

そしてエットーレ・ソットサスの誘いで1980年代前半に世界のデザイン界に旋風を巻き起こしたデザイン集団「メンフィス」にも参加しています。この頃、新設された日本文化デザイン賞を受賞しています。
また、この時期には工場で大量に出るくずガラスを人工大理石に混ぜ「スターピース」という素材を開発したり、エキスパンドメタル（金網材）を内装や家具に全面的に使い「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」といった傑作を生み出しています。

そして無くなる1年前にその功績を称えられ、1990年にフランス文化省芸術文化勲章を受章しており、今もなおベテラン・若手デザイナー問わず倉俣のデザインが影響を与えている稀有なデザイナーです。

代表作品

Miss Blanche　ミス・ブランチ　1988年

（出典:http://www.2121designsight.jp/） 倉俣史朗といえば「ミス・ブランチ」というくらいの作品です。
テネシー・ウィリアムズ原作の戯曲「欲望という名の電車」の女主人公から名付けられ、「KAGU Tokyo Designer's Week 1988」に出展されました。
ほとんど手作りであまりに高価なため、56脚しか作られなかったが、その希少性ゆえ、1997年にはロンドンのクリスティーズで、＄89,000で落札されています。

How High The Moon ハウ・ハイ・ザ・ムーン　1986年

（出典:http://www.mutualart.com/） ステールメッシュでつくられており、名前はデューク・エリントンのジャズ作品に由来しています。
1998年、2シーターが海外のオークションで＄24,000で落札され、話題となりました。

Homage to Josef Hoffmann Begin The Beguine ビギン・ザ・ビギン　1985年

（出典:http://ism.excite.co.jp/） ヨーゼフ・ホフマンへのオマージュ椅子でスチールワイヤーを巻きつけ燃やし、ワイヤーのみを残したという衝撃の作品「ビギン・ザ・ビギン」です。
椅子を燃す時、倉俣はそっと手を合わせたというエピソードがあります。

Furniture with Irregular Forms 変形の家具　1970年

（出典:http://designers.shiriagari.com/） 「変型の家具」と呼ばれるシリーズで、世界的に認知されるきっかけとなった作品です。
青島商店で製作され、カッペリーニより発売されました。

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この記事を監修しているのは？

高級家具・インテリアリサーチ部門

元建築家や現役インテリアコーディネーターや家具販売店員で編成。
国内外の高級家具やブランドなどを徹底的にリサーチし、定番からまだ見ぬブランドや家具を発掘しています。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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