- Established: 1928
- Nation:日本
- Website:http://www.maruni.com/
ブランド評価
当サイトに掲載しているブランドは世界的に通用する一流ブランドばかりですですが、
ブランド評価は独断と偏見に基づきながらも、当サイトに掲載しているブランドの相対評価を元に可能な限り客観的な視点で行っています。
不快感を感じられる方もいらっしゃるかも知れませんが、ご了承願います。
ブランド力 | 高級感 | 価格 | デザイン性 | 技術力 | 独創性 |
---|---|---|---|---|---|
5 | 3 | 4 | 4 | 5 | 3 |
総合評価:4
ひと言コメント
マルニのデザインは木の温もりが感じられる本当にベーシックな普通の木製家具というイメージです。
特にユニークなデザインがあるわけではなく、純粋な和製木製家具です。
そのベーシックなデザインの中でも普通がとても素晴らしいと思わせる深澤直人の[HIROSHIMA」は、なんとあの「Yチェア」を超えるために作られた究極の普通です。
こういった作品を見ていると「普通っていいな」と改めて感じさせられます。家具の本来の目的を完遂するために無駄をなくすことも重要でしょう。
他には「nextmarni」というコレクションも展開しています。異文化との融合を椅子という媒体を介して行うということですが、このnextmarniコレクションにミケーレ・デ・ルッキ、アルベルト・メダ、安積 伸といった世界の様々な大物デザイナーが参画している事にマルニというブランドの力が表れています。
ブランドストーリー
MARUNI(マルニ)とは?
(出典:https://maruni.com/)
技術のマルニとも呼ばれ、家具工業の近代化にいち早く着目し、家具工芸という職人技の世界に対して工業化を持ち込み「職人の手によらない分業による家具の工業生産」を進めてきたブランドです。
なので、職人の意匠が光る匠の家具というよりは、広くあまねく一般的に購入できるシンプルな家具が多く、ベーシックな家具ブランドとして人気となっています。
その歴史の中では、まるで手品のように自在に木材の形を変える「曲げ木技術」の確立や木材の人工肝臓技術などを開発し、これまでにない高度な木工表現を生み出してきました。
それまではファッションでいうオートクチュールのような1品生産の高級品だった家具という概念を覆し、大量生産が可能な工業製品として世に広め、日本の洋家具の中でも空前の大ヒット商品を生み出すなど、日本を代表する家具ブランドとしての地位を確立してきたのです。
非常にシンプルな木工家具なので、100年先も愛され続ける定番家具を作り続けるというブランドコンセプトはとても納得のいくものとなっています。
マルニの歴史
(出典:https://maruni.com/)
マルニ木工は、日本の家具工業に対して「近代的企業化」という理想を掲げて、1928年に昭和曲木工場として設立されました。
この昭和の前半は日本にとっては戦争の時代でしたが、曲げ木製品を主力とした近代的量産家具メーカーとしての地位を築き上げようとしていました。
第2次世界大戦で一時家具の生産が停止しましたが、戦後いち早くマルニが注力したものに「量産体制の確立と、生産合理化の推進」です。
1960年代から独自性と更なる技術開発を目指し、より高度な木工加工表現を実現するために、カービングマシン、コッピングマシンの開発がなされ「エジンバラ」、「ベルサイユ」、「ルーブル」といった商品によって、その実用化が実現されました。なかでも「ベルサイユ」は技術革新の結晶といえる商品で類を見ない大ヒット商品となりました。
家具デザインの新潮流となるトータルコーディネイト提案が1970年代後半にマルニより発信され、「地中海シリーズ」、「地中海ロイヤルシリーズ」などの、日本を代表するトラディショナル家具シリーズが生まれました。
こうしてマルニは日本の家具文化をより近代的に進化させる先導者としての役割を果たしていったのです。
Nextmaruniプロジェクト
(出典:https://maruni.com/)
1990年代以降の日本のバブル経済崩壊とデフレ傾向、低廉なアジア製品の流入、ライフスタイルの多様化などの市場変化に対応するうちに、「美しい家具を」という思いが風化してしまう可能性に強い危機感を抱きました。
そこで始めたのが原点回帰の取り組みです。家具の原点に戻り、椅子とは何かを改めて模索していったのです。その過程で建築家・プロダクトデザイナーの黒川雅之から提案を得ます。「日本の洋家具は、これまで西欧の文化を受け止めてきた。しかし、それでは真の意味での歴史にはならない。『日本の思想や美意識から生まれた椅子』を世界に対し発信することが必要ではないか?」と、「日本の美意識へのメッセージ」を椅子によって表現し、それを一ヶ所に集めて日本文化との対話の空間を出現させようという企てを考えました。
こうして2004年に始まったのがネクストマルニプロジェクトです。従来マルニは、企画・デザインから製造までの全工程を一貫して行ってきましたが、このプロジェクトでは、世界の11人のデザイナーにデザインを依頼するとともに、インターナショナルデザインコンペティションを開催し優秀なデザインを募集しました。マルニはモノ造りに徹するという、まったく今までになかった方式を採用しました。
「日本の美意識へのメッセージとしての椅子」というデザインテーマに対し、デザイナーから寄せられた日本の美意識を追究した素材、形状、アイデアとそれを忠実かつ精緻に再現したマルニの技術とのコラボレーションから生まれた造形作品は、「nextmaruni」 として、イタリア・ミラノサローネにて2005年、2006年、2007年と新作を発表、世界から注目を集めました。
MARUNI COLLECTION(マルニコレクション)
(出典:https://maruni.com/)
nextmaruni(ネクストマルニ)の発展形ともいうべきコレクションが、MARUNI COLLECTION(マルニコレクション)。
マルニ木工が作るべきものは何なのか?原点とは何か?という問いかけを行い、開発パートナーとして深澤直人を迎えて2008年にスタートしたプロジェクト。
100年使っても飽きがこないというブランドコンセプトをベースに、堅牢であり、国際的なデザイン感覚、日本独自の木に対する美意識と緻密なモノづくりを結集した「日本から世界に発信する家具」を作るプロジェクトです。
2011年からはジャスパー・モリソンもデザイナーとして加わり、さらなる高みを目指しています。
(出典:https://maruni.com/)
そんなマルニコレクションの中でも最大の成果となっているのは、2008年から発表している「HIROSHIMA」シリーズであり、マルニコレクションのコアとなっているプロダクトです。
デザイナーの要望が100%ではなく、そこに技術者の知識やアイデアと融合して練り上げられる世界。
無塗装に近い自然な木肌を活かした仕上げのHIROSHIMA(ひろしま)は、ミラノサローネで大きな注目を浴び、30か国近い国で展開されるコレクションへと成長しています。
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