- Born in: 1929
- Nation:カナダ
- Website:https://www.foga.com/
デザイナーストーリー
アメリカを代表する建築家
1929年にカナダのトロントで生まれた、現在はアメリカを代表する建築家の一人です。
1957年にハーバード大学院を卒業後、パリのアンドレ・ルモンデのもとで修業をし、1962年に独立して自身の事務所をロサンゼルスに開設しました。
当初、家庭向けの家具デザインを手掛けましたが、あまり成功はしませんでした。
そんな彼が脚光を浴びるきっかけとなったのが、「ゲーリー自邸」と呼ばれる自宅のリノベーションでした。
その後は、ヴィトラ・デザイン・ミュージアムやビルバオのグッゲンハイム美術館、フィッシュダンスなど数々の建築作品を発表し、建築界のノーベル賞であるプリツカー賞を受賞し、日本では高松宮殿下記念世界文化賞も受賞しています。
2003年には、カナダ勲章も叙勲しています。
ゲーリーの家具デザイン
ゲーリーは、家具分野でも素晴らしい作品を発表しています。
「イージー・エッジ」という家具シリーズや「クロス・チェック」ですが、使われる素材が非常におもしろく、その発想や着眼点は素晴らしいものがあります。
イージー・エッジ
(出典:http://www.ekomeble.eu/)
過去から家具の素材として安価なボール紙というのはデザイナーから注目はされていました。
しかし、強度や構造的な問題からあまりこの素材に挑戦するデザイナーはいなかったというのが実情です。特にプラスチックの台頭以降は顕著になりました。
しかし、ゲーリーは、この難易度の高い素材に対して建築で培った技術を用いて1972年に「イージー・エッジ」を発表したのです。驚くべきことにアイデアの源泉は事務所に捨てられていた段ボールからひらめいたのです。
このイージー・エッジは、4つの段ボールの構造体でフォルクスワーゲン・ビートルを持ちあげるというド派手な広告写真でたちまち話題をかっさらい、商業的な意味でも大成功を収めたと言えます。
思考として安く家具を提供したいと考えているゲーリーは、イージー・エッジがその思考に反する事から、この家具のデザインと販売をやめてしまいました。
その後、ヴィトラ・デザイン・ミュージアムでコレクションされることになったのをきっかけとして1986年にヴィトラより復刻販売され、2005年のミラノサローネでは新バージョンまえ発表されています。
クロス・チェック
(出典:http://www.knoll-japan.com/)
ゲーリーはソフトウェア技術にも精通しており、航空力学・機械設計向けソフト「CATIA」を建築に適用しつつ、複雑な形態を構造的に解決する手法をとっていました。
このクロス・チェックはまさにそんな構造的な難易度が高い作品となっており、建築で用いたアプローチを彷彿とさせる作品です。
フレームは、プライウッド(合板)のリボンを織って作りこまれ、見た目以上に強度もあり、適度な柔軟性で快適な座り心地を提供してくれます。
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この記事を監修しているのは?
高級家具・インテリアリサーチ部門
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