- Born in: 1888
- Nation:デンマーク
- Website:
デザイナーストーリー
デンマークの近代家具デザインの父
コーレ・クリントは「デンマークの近代家具デザインの父」と呼ばれる家具デザイナーです。
1888年にデンマークのコペンハーゲンで建築家の父の元に生まれ、その影響から自然と建築への興味がわいていきました。
しかし、クリントが大きなデンマークデザインに大きな功績を残したのは建築ではなく、家具の分野でした。
1914年にクリントの初めてのデザインといえるファーボー美術館用の家具を発表します。この時のFaaborg Chair(ファーボー・チェア)は最初の作品とは思えないような素材と美しいフォルムとが絶妙なバランスで融合されていました。
その後のクリントの作品の多くがそうであるように、様々なクラシック家具の影響を受けています。
1923年にはデンマーク王立芸術アカデミーにデザイン部門を開設するために尽力し、1924年には初代教授に就任します。
ここでボーエ・モーエンセンやオーレ・バンシャーといった後に北欧デザインを引っ張っていくことになる若手デザイナーの育成に力を尽くし、デンマーク家具のモダンデザインに大きな影響を与えます。
明確でロジカルな構造、無駄をそぎ落としたシンプルなライン、質の高い素材の使用、そして質の高いクラフトマンシップをデザインに求めた斬新な教育方針でデンマーク家具デザインを改革していきました。
また、人体のサイズや生活用品から使われる家具の適したサイズを割り出し、伝統家具をリデザイン(再設計)し、サファリチェアやプロペラスツール、デッキチェア、チャーチチェアといった機能的チェアも生み出しています。ポール・ケアホルムデザインの「PK91 フォールディングスツール」はこのプロペラスツールからインスピレーションを得たと言われています。
1949年にはロンドンの工業デザインにおけるロイヤル・デザイナーに選ばれています。
コ―レ・クリントの代表作
Faaborg Chair ファーボー・チェア
(出典:http://www.architonic.com/)
1914年にファーボー美術館のためにデザインしたチェアで、デンマークの現代家具デザインの最初の作品と言っても過言ではない作品です。
Safari Chair サファリチェア
(出典:http://www.carlhansen.jp)
1933年にデザインされた椅子でイギリス陸軍がアフリカ・インドを統治していたころに駐在軍が使用していた伝統的作品のリデザインです。市場で流通したこの椅子は木製の構造体にキャンバス地の座面をつけてありました。軍隊で使われていたものなので持ち運びが便利なように考えられており簡単に解体、組立てができます。
Propeller Stool プロペラスツール
(出典:http://www.architonic.com/)
1930年に設計され、折りたたむと一本の棒になるスツールです。見た目がまるでプロペラのような形状をしているために名付けられました。
ポール・ケアホルムデザインの「PK91 フォールディングスツール」はこのスツールからインスピレーションを得たとされています。
Deck Chair デッキチェア
(出典:http://www.dmk.dk/)
サファリチェアと同じ1933年に発表された取り外し可能な布張りのマットとクッションでできたデッキチェアです。
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この記事を監修しているのは?
高級家具・インテリアリサーチ部門
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