チューダー / エリザベス様式データ
- 年代:16世紀~17世紀初頭
- 主な地域:イギリス
チューダー / エリザベス様式の解説
ヘンリー7世、8世、エドワード6世、メアリー女王、エリザベス1世の時代の様式です。
イギリスのルネサンス様式ともいえるスタイルで中央集権化が進み、国力が充実した時代で、積極的にイタリアルネサンスを導入していきました。
装飾的志向が強く、チューダー期をチューダールネサンスとも言いますが、実際にはエリザベス期で完成の域に達しました。チューダー期とエリザベス期で1つの様式としてとらえられることが多いです。
建築
チューダー期は、チューダーアーチに代表されるイタリアルネサンス様式の影響を受けたディテールが見られ、エリザベス期には、マナーハウスと呼ばれるパラッツォ風の貴族の邸宅が多く見られます。これは、後のイギリスカントリーハウスの始まりと言えます。
チューダーアーチ
アーチの先端が小さくとがったアーチで、垂直ゴシックの最後の段階であり、軒蛇腹のくり形や装飾文様などのディテールにイタリアルネサンスの影響が強く見られます。
マナーハウス
田園などの地方にあり、貴族の有する荘園領地の中心となる邸宅です。外観はシンメトリーを中心とした構成をとり、窓は大きな縦型の矩形、破風は曲線を組み合わせたものが多いです。ダービーシャーにある「ハードウィック・ホール」、ウィルトンシャーにある「ロング・リード」などが代表的です。
家具
この時期の家具は、造形的にはゴシック様式が残っており、細部にルネサンス的な優雅な装飾を施したものが多くありました。素材はオークが好まれ、オーク時代とまで言われます。家具の脚や飾り柱には、メロンレッグ、メロンバルブと言われる球状の飾りがつけられました。
装飾は、チューダーアーチ、チューダーローズ、アカンサスの葉などが使われ、ウィインスコットチェア、天蓋つきベッド、長方形のテーブルやカップボードなどが代表的です。