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マノロ・ブラニク Overview

世界最高峰のシューズブランドが『マノロ・ブラニク』

　 Manolo Blahnik マノロ・ブラニクの靴というとどういったイメージをお持ちでしょうか？

ここ最近でマノロ・ブラニクが日本でも一般的に知られるようになったのは、セックス・アンド・ザ・シティ（Sex and the City）の功績が大きいのではないでしょうか？
1998年から2004年まで放映され、アメリカだけではなく世界中で社会現象にまでなったドラマです。

4人のキャリアウーマンたちの物語ですが、主人公のキャリー（サラ・ジェシカ・パーカー）が強盗に襲われたときのセリフが有名ですよね。
「フェンディのバッグも、時計も指輪も持って行っていい、でもマノロ・ブラニクだけはやめて！」 というセリフですね。 マノロ・ブラニクをこよなく愛するキャリーのこのセリフがブランドを一躍有名にしたと言ってもいいくらいです。

もちろんこのドラマによって一般的な認知が広まったというだけで、もともとマノロ・ブラニクというのは靴のブランドの中で以前から世界のトップブランドでした。
例えば、クリスチャン・ルブタンやジミーチュウ、セルジオ・ロッシなどと並べて靴の◯大ブランドなどとも言われたりもします。

ロールス・ロイスという車をご存知ですか？
よくセレブが乗っている長い車ですね。車の中でも最高級に位置づけられるブランドです。
このロールスロイスに例えて『靴のロールスロイス』などと言われたりもするのです。


　 2021年にはブランド創設50周年を迎え、ニューヨークのマディソンアベニューに新しいフラッグシップショップもオープン。
「THE MANOLO BLAHNIK ARCHIVES A NEW WAY OF WALKING」というバーチャルミュージアムを公開し、メゾンのアーカイブを明らかにしつつ、未来に向かっての進化を感じさせるものです。

セックス・アンド・ザ・シティ効果も薄れ、徐々に知名度が下がってきつつありましたがマノロ・ブラニクの50周年に合わせてか続編がスタートしたのもマノロ・ブラニクにとっては追い風ではないでしょうか。

もちろんセレブの御用達ブランド

(出典:https://www.manoloblahnik.com/) ビッグブランドとなると確実に世界のセレブリティとの蜜月関係があるものです。
マノロ・ブラニクぐらいのクラスになるとやはり世界のセレブリティが愛してやまないブランドとなっています。

もちろんサラ・ジェシカ・パーカーによるセックス・アンド・ザ・シティでの宣伝効果も抜群でしたが、それ以前にもマドンナやダイアナ妃アメリカのマルチタレント サンドラ・バーンハードといった超大物たちがマノロ・ブラニクを愛用していました。
マドンナに言わせると「セックスよりも長持ちする」とマノロ・ブラニクの靴を彼女なりのウィットに富んだ表現で賞賛していました。

他にもテイラ・ショー、ビアンカ・ジャガー、ダイアナ・ロス、ジェリー・ホールなどもいるし、最近だと日本でも一世を風靡したスーパーモデル ナオミ・キャンベルやケイト・モス、元スパイス・ガールズでサッカー選手のディビッド・ベッカムと結婚し、自身のブランドも立ち上げたヴィクトリア・ベッカムなど多数のセレブリティが支持しています。

また長年ステージでもレッドカーペットでもマノロ・ブラニクを愛用してきたリアーナとはコラボレーションも実現しています。

マノロ・ブラニクは世界中の美女たちの脚元を飾り続け、『マノロス』の愛称で通っています。
これは世界一高級でフェミニンな靴の代名詞ともなっているのです。

他デザイナーとのコラボレーションも圧倒的な多さ

　 またおもしろいのはマノロ・ブラニクというデザイナーは他のデザイナーのコレクションのために靴を作っているということでも有名です。
駆け出しの頃なら分かるのですが、マノロくらいのビッグネームになっても若手のコレクションのために靴をデザインするというのはかなり変わっているかもしれません。

代表的なところでは、ディオール時代のジョン・ガリアーノとのコラボレーション。
ガリアーノのコレクションではマノロがシューズをデザインしていました。

日本でよく知られたデザイナーとしてはMichael Kors（マイケル・コース）とのコラボレーションも有名です。

他にもニューヨークを拠点にするファッションデザイナー キャロライナ・ヘレラやビル・ブロス、オスカー・デ・ラ・レンタなどにもコレクションを提供していましたし、デビュー前にはアメリカファッション界の教祖的存在であったダイアナ・ヴリーランド専用の靴を作っていたりもしました。

若手ではクレメンツ・リベイロ、ガリアーノの元でアシスタントもしていたアントニオ・ベラルディ等が挙げられます。
こうした自分よりも明らかに若い才能にコレクションを提供しているということ自体が意外な事実ですが、ブラニク自体は若い才能と関わることに興奮し、自身のデザインの活力としているのです。

「世界で最も美しく、危険な靴」は脚そのもの与えてくれる

(出典:https://www.instagram.com) マノロ・ブラニクの靴の特徴としては履きこなすのがこの上なく難しいということです。
例えばクリスチャン・ルブタンの靴なども「選ばれたものだけが履ける王様の靴」などと表現されたりしますが、マノロ・ブラニクの靴も同様です。

ブラニクの作る靴はとても繊細です。
基本的にはミニマルに研ぎすませていくスタイルなので、要らないものを次々と削っていく、残るのは本当に必要な部分だけ。
そうすると必然的に履きこなすのは難しくなってきます。
美しさを追求するとほとんどが無に近いものになってしまうからです。

実際ブラニクの靴を履いてコレクションに出るモデルたちは命がけです。
あまりにも尖ったヒール、浅い踵ではふとした瞬間によろめき、靴が脱げてしまいます。
それを防ぐために両面テープで足の裏と靴を固定しないといけないくらいです。

「世界で最も美しく、それでいて世界で最も危険な靴」
それがマノロ・ブラニクの靴なのかもしれません。
しかし、だからこそ人はマノロ・ブラニクに憧れを抱くのです。


大量生産の時代にあってマノロ・ブラニクは年2回のコレクションで発表する靴型はいまだに自分で作っています。
さらに手の込んだ靴を作るときには200年以上の伝統技術を継承する職人集団が作り続けています。
もちろん手作業は機械に比べると大幅に時間がかかりますし、大量に作ることができません。

1日に100足にも満たないような生産能力しかないのです。
これだけ手間ひまかけて作られた靴なだけに、マノロ・ブラニクの靴は履く者に脚そのものを与えてくれます。
長く、そして細い最高の脚線美を生み出してくれるのです。

次は、靴のロールスロイス「マノロ・ブラニク」の歴史

この記事を監修しているのは？

ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
好みや主観が入ったり、否定的な意見が存在するのは、ハイブランド.comの味であり、外部からの影響から独立しているからこそ出来ること。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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