目次
1.ポイントは誰のデザインした家具なのか!
1-1. 時代背景が生み出したミッドセンチュリー
1-2. ミッドセンチュリーは誰の家具をコーディネートするかが重要
2.絶対に外せないブランドはこれ!
2-1. 北欧スタイルと比べて、どういった違いがあるの?
2-2. ヴィンテージ品も買いやすいのが嬉しいところ
2.3. ミッセンスタイルでは外せない代表的なブランド
3.決め手はやっぱりアイテム選び!
3-1. 決め手はやっぱりアイテム選び!
3-2. お得に買うなら色々選べるデザイナーズ家具ショップで
ポイントは誰がデザインした家具なのか!
時代背景が生み出したミッドセンチュリー
ミッドセンチュリーというのは、世紀の真ん中のことで1950年前後のことを指しています。
ちょうどこの時代というのは第2次世界大戦が終戦し、各国から兵士たちが帰国し、新しい生活のための住まい、そして家具やインテリアの需要というのが一気に高まったタイミングだったのです。
そして、ミッドセンチュリースタイルと呼ばれる家具の中心はアメリカ。
なぜアメリカなのかというと、戦争被害の少なかったこともあり軍用の技術開発の発展が家具のデザインにも応用されていったからです。
さらに数々の名建築家やデザイナーを生み出したドイツの美術工芸学校バウハウスで学んだデザイナーが次々とアメリカへ亡命したというのもこの時代のアメリカ家具の成長に大きく寄与しました。
ミッドセンチュリーは誰の家具をコーディネートするかが重要
(出典:http://www.hermanmiller.co.jp/)
ミッドセンチュリー家具の中でもっとも先に思いつくのは誰でしょう?
チャール&レイ・イームズ夫妻という方が多いのではないでしょうか?
イームズのシェルチェアやラウンジチェアというとミッドセンチュリーの代表選手のようなイメージもあり、ミッドセンチュリースタイルの部屋をコーディネートしている方だとイームズの家具というのは外せない存在になっているかもしれません。
しかし、ある意味ではイームズよりもさらに重要な人物がいます。
それが1945年にハーマンミラーのデザインディレクターに就任したジョージ・ネルソンです。
ハーマンミラーというとイームズの作品やアーロンチェアのビル・スタンフなどジョージ・ネルソン自身の作品も取り扱うミッドセンチュリーの中核を担うインテリアブランドです。
ジョージ・ネルソンは自らもデザイナーとして、さらにディレクターとしてハーマンミラーを世界的ブランドに押し上げた立役者なのです。
イームズの才能をいち早く見抜き、ハーマンミラーとの販売契約を結んだのもジョージ・ネルソンがいたからなのです。
ジョージ・ネルソン自身もココナッツチェアやネルソンベンチ、ボールクロックなど現在もミッドセンチュリースタイルの定番ともいえる数々の名作をデザインした名デザイナーでもありました。
(出典:http://www.hermanmiller.co.jp/)
そして、やはりチャールズ&レイ・イームズ。
説明するまでもなくミッドセンチュリーの代名詞となっている存在です。
エーロ・サーリネンとともに出展したプライウッドチェアでMoMA オーガニック・インテリア・デザイン・コンペで優勝を果たし、その後はハーマンミラーからシェルチェア、ラウンジチェア、アルミナムグループチェア、ストレージユニットなど数々の名作を発表し、現在でもミッドセンチュリー家具の中で断トツの一番人気となっています。
(出典:http://www.hermanmiller.co.jp/)
他にもデザイナーとしてイームズとしのぎを削ったデザイナーとしてハリー・ベルトイアの存在もあります。
イームズとともに成形合板(プライウッド)の技術を開発し、KNOLL(ノル)に迎えられ、ダイヤモンドチェアやベルトイア・サイドチェアなどを発表しています。
イームズの後発のようなイメージがありますが、サイドチェアに使われるワイヤーシェル構造はベルトイアの方が先に完成させていたという説もあります。
(出典:http://www.knoll-int.com/)
イームズ夫妻やハリー・ベルトイアとともにクランブルック美術アカデミーで学んだエーロ・サーリネンも忘れてはいけません。
ベルトイアと同じくKNOLL(ノル)からチューリップチェアやウームチェアといった名作を発表しているのです。
(出典:https://www.vitra.com)
もう一人忘れてはいけないのが、イサム・ノグチの存在です。
イサム・ノグチは日系アメリカ人でハーマンミラーのジョージ・ネルソンからの依頼を受けて有名なノグチ・コーヒーテーブルをデザインしたデザイナーです。
他にも「AKARI」はミッドセンチュリーを代表する照明としてとても人気がありますよね。
こうした素晴らしいデザイナーの活躍によって、ミッドセンチュリーと呼ばれる時代に次々と名作が生み出されました。
ミッドセンチュリースタイルというのは、家具のデザインやカラー、部屋の雰囲気というよりも誰の家具をコーディネートするかにもっとも重きを置かれるスタイルと言えるのです。
この辺りが他のインテリアスタイルとは少し違うところですね。
絶対に外せないブランドはこれ!
北欧スタイルと比べて、どういった違いがあるの?
(出典:http://www.fritzhansen.com/)
ミッドセンチュリースタイルと北欧スタイルでよく混同されることがあります。
ある意味では仕方のないことでもありますが、やはりミッドセンチュリーと北欧スタイルというのは違います。
仕方のない理由としてはミッドセンチュリーの時代、1950年代というのは北欧家具もまた全盛期だったということです。
北欧家具というと北欧デザインの巨匠アルネ・ヤコブセンやハンス・J・ウェグナーといったデザイナーもこの時代に生きたからです。
例えばヤコブセンのアリンコチェアやセブンチェア、エッグチェアなどはしばしばミッドセンチュリースタイルの中に組み込まれます。
ミッドセンチュリーの定義を時代と割りきってしまえば、同時代に作られたヤコブセンのチェアもミッドセンチュリー家具で全く問題無いですし、実際そこまで厳密に違うという必要はないと思います。
ただ、ミッドセンチュリーのもうひとつの背景としては、戦後のアメリカでの家具文化の発展が大きく関与しているということを考えるとやはり少し事情が変わってきます。
(出典:http://www.eamesoffice.com/)
ミッドセンチュリーのアメリカの家具というのはFRP(ファイバーグラス)やプライウッド(成型合板)、アルミニウムといったこれまでになかった素材が活用されたという特徴があります。
北欧家具は無垢材が中心となっていますが、無垢材では実現できなかった繊細なフォルムを作り出したり、安価で強固な素材としてアルミニウムやFRPのプラスチック素材が多用されたのです。
そして、こうした素材によってポップで大胆なカラーリングの家具が作られるようになり、シンプルで合理的でありながらも滑らかな曲線的なフォルムが宇宙を連想させることから「コズミックパターン」と呼ばれたりもしました。
素材、カラー、そしてフォルムを見るとミッドセンチュリー家具と無垢材が中心の北欧家具では、どちらがいい、悪いというわけではありませんが明確な違いがあるのです。
ヴィンテージ品も買いやすいのが嬉しいところ
(出典:http://www.eamesoffice.com/)
ミッドセンチュリー家具の人気の理由のひとつとしては、ミッドセンチュリー時代に作られたヴィンテージ品であっても比較的安価にコレクションできるということがあります。
なぜ、ヴィンテージ品でも安く購入出来るのかというと、大量生産可能な素材や製法によって作られていたため、市場に多く出回っていたからなのです。
例えばイームズのシェルチェアであれば、ハーマンミラーで販売されている現行品の場合、環境に配慮してポリプロピレン樹脂に素材が変更されていますが、ヴィンテージ品であれば当時の趣そのままにFRP(ファイバーグラス)のものが手に入ります。
もちろん現行品であっても素材こそ変更されていますが、デザイン自体は当時の物をそのまま使っているのでなんら変わりはありません。逆にデザイナーの理想のフォルムが当時の技術では実現できなかったが、最新の技術を用いることで実現出来ている例もあります。
ヴィンテージ品はもちろん魅力てきですが、現行品にもヴィンテージ品にはない魅力があったりすのもおもしろいところです。
最近はジェネリック家具というかっこいい言葉が使われていますが、いわゆるリプロダクト品もイームズなどはかなり大量に出回っているので、本物や正規品にこだわる方は注意したほうがいいですし、逆に同じデザインをどうしても安く買いたいという方は購入してみてもいいと思います。
ミッセンスタイルでは外せない代表的なブランド
調子に乗ってミッセン(ミッドセンチュリー)などと言ってしまいましたが、ミッドセンチュリーはデザイナーが重要という話をしましたが、そのデザイナーの家具を扱うブランドがあります。
ブランドを抑えておくことも正規品を購入する上ではとても重要なことになので、ぜひ覚えておいてください。
ハーマンミラー Herman Miller
(出典:http://www.hermanmiller.co.jp/)
ここまで何度も登場してきているハーマンミラーなので今さら詳しい説明も不要かと思いますが、ジョージ・ネルソンがデザイン・ディレクターをつとめ、チャール&レイ・イームズの家具を取り扱うミッドセンチュリーの根幹となるブランドです。
ハーマンミラー自体はロナン&エルワン・ブルレックやコンスタンチン・グルチッチなどもう少し新しい時代のデザイナーの家具も当然取り扱ってますが、やはり主力製品はイームズのシェルチェアやラウンジチェア、アルミナムグループチェア、そしてジョージ・ネルソンのプラットフォームベンチ、ココナッツチェア、マシュマロチェアといったミッドセンチュリーアイテムです。
ミッドセンチュリースタイルの部屋を作りたいと思ったらまずはハーマンミラーを見てください。
ここからはじめるのがもっとも近道です。
KNOLL ノル
(出典:http://www.knoll-int.com/)
ハーマンミラーと並び、ミッドセンチュリーを彩るブランドとしてはKNOLL(ノル)が挙げられます。
KNOLLは、ハリー・ベルトイアやエーロ・サーリネンの家具の正規品を取り扱っていて、チューリップチェアやウームチェア、ダイヤモンドチェアといったミッドセンチュリーを代表する家具を製造しています。
他にもバウハウスの1期生で教官も務めたマルセル・ブロイヤーや近代建築3大巨匠のひとりミース・ファン・デル・ローエの家具の復刻なども行っており、歴史的に価値の高い家具の生産を行っています。
ハーマンミラーと共に外せないブランドであることは間違いありません。
Vitra ヴィトラ
(出典:https://www.vitra.com)
ヴィトラはスイスのブランドですが、ミッドセンチュリー家具の中では重要なイサム・ノグチの家具の正規ライセンスを保有しています。
もともとイサム・ノグチはハーマンミラーやKNOLLと商品の研究開発を行い、販売も行っていたのですが2003年にヴィトラがイサム・ノグチのライセンスを取得し正規ライセンスの保有ブランドとなっています。
イサム・ノグチの現行品を購入するのであればヴィトラからとなりますし、ヴィンテージ品であればハーマンミラーやKNOLLになるのです。
まずはこの3ブランドを抑えておけば、ミッドセンチュリースタイルにおいて間違いはないと思います。
決め手はやっぱりアイテム選び!
誰の家具をコーディネートするか、どこのブランドで販売されているかといったことをお話してきましたが、そのスタイルを決定づけるのは何を部屋に置くかになってきます。
ミッドセンチュリーのアイテムの中でMust buy(マスト バイ)となるアイテムをいくつか紹介していきます。
マストバイと書きましたが、必ず置かなければいけないというわけではなく正確には『Nice to have(あったらいいな)』なのであしからず。
イームズ・ラウンジチェア&オットマン
(出典:http://www.hermanmiller.co.jp/)
イームズの作品の中でも最も人気があり、そして最もデザイン性の高いアイテムがラウンジチェアではないかと思います。
そのフォルムのかっこよさ、そして存在感はこれがあるだけで部屋がミッドセンチュリーになるといっても過言ではないです。豪華なレザークッションに木目の美しいフレームのコンビネーションは、見るもの全ての羨望の的となることは間違いありません。
ミッドセンチュリー豪華1点主義なら絶対にラウンジチェアがおすすめです。
ココナッツチェア
(出典:http://www.hermanmiller.co.jp/)
ジョージ・ネルソンのココナッツチェアはその独特のフォルムとどっしりとした大きなボディで部屋をミッドセンチュリーへといざなってくれます。
見た目は座りにくそうに見えますが、意外と快適な座り心地でどんな体勢で座ってもくつろげるという驚きのチェアなのです。
マシュマロソファ
(出典:http://www.hermanmiller.co.jp/)
マシュマロソファもジョージ・ネルソンの作品ですが、インパクトという点では他の追随を許さない衝撃的なデザインです。
18個の丸いクッションが座面と背面を支えるというデザインで、細いフレームによって宙に浮いているように見えます。
クッションの張地が選べるので、カラフルなクッションコーディネートでポップなカラーリングにするとよりミッドセンチュリー感が増しますね。
ノグチ・コーヒーテーブル
(出典:https://www.vitra.com)
圧倒的人気のコーヒーテーブル。いびつな3角のガラステーブルトップに不思議な形の脚というミステリアスなフォルムです。
コーディネートのお手本やドラマ、雑誌でもたびたび登場する定番テーブルなので、知らないうちに目にされていると思います。
ミッセンにはこうした定番をうまく取り入れていくことが重要になりますね。
お得に買うなら色々選べるデザイナーズ家具ショップで
ミッドセンチュリーの家具を購入するには直接ブランドから購入するという方法以外にもデザイナーズ家具を取り扱っているショップで購入するという方法があります。
ショップで購入するとポイントやセールなどお得に購入できることが多いのと、ブランドをまたがってコーディネートができるので基本的にはショップで購入するのがいいでしょう。
YAMAGIWA Online ヤマギワ
世界の照明ブランドとしても名高いYAMAGIWAのオンラインショップです。
ヤマギワでは、ハーマンミラーとKNOLL(ノル)、イサム・ノグチの「AKARI」の取り扱いがあり、ミッドセンチュリーの主要なアイテムは全ておさえています。
イームズのラウンジチェア、シェルチェア、プライウッドチェア、そしてジョージ・ネルソンのプラットフォームベンチやココナッツチェアもあります。
KNOLLではチューリップチェアにベルトイアのダイヤモンドチェアやサイドチェアなども取り揃っています。
ミッドセンチュリーのアイテムが対象になるかはアイテムにもよってきますが、会員登録することで最大で25%OFFにもなる会員価格が適用されるので、うまく活用できればかなりお得に購入することができます。
hhsytle.com エイチエイチスタイル
青山に本店を構えるデザイナーズ家具の定番ショップhhstyle。
ハーマンミラーの家具だけで100点以上の商品数があり、ヴィトラでもイサム・ノグチのコーヒーテーブルやダイニングテーブル、そして豊富なネルソンクロックのバリエーション、イームズのハウスバードなど名品が目白押しです。
hhstyleの場合は、5万円以上購入するとポイントが50ポイント貯まるので、以降の買い物では最大15%OFFの特別価格が適用されます。
まずは5万円分購入してから、その後残りの商品を購入すればお得に買物ができますね。
MoMA STORE モーマストア
モーマストアでは、イームズとジョージ・ネルソンの家具を取り扱っています。
MoMA(ニューヨーク近代美術館)の公式オンラインショップなので、信頼感という意味ではピカイチです。
会員登録は有料になりますが、会員になると10%の割引価格で全商品を購入できるので、ラウンジチェアのような高額商品を検討している場合はMoMA STOREが一番安く購入できる可能性があります。
また、キャンペーンを随時開催していて、その中でも10%割引などがあるので、チェックしておいて損はありません。
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