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ジュゼッペ・ザノッティ Overview

ジュゼッペ・ザノッティってどんなブランド？

　 Giuseppe Zanotti（ジュゼッペ・ザノッティ）は、1994年にスタートしたシューズをメインに他の追随を許さないようなアバンギャルドなデザインで人気を集めてきたブランド。

「履いて褒められ、女性に自信を持たせる靴」
というコンセプトを持って、女性の美しいシルエットを際立たせるような凛々しいピンヒールとジュエリーや刺繍といったラグジュアリーな装飾を施すことで有名で数々のアクの強いデザインを生み出してきました。

ベーシックなパンプスというよりはドレスシューズといった感じのイメージが強く、サンダルなどの特徴的なデザインの方が印象深い方も多いでしょう。


　 最近ではメンズラインの本格始動によって、ラグジュアリースニーカーとしての存在感を強めており、メンズのイメージの方が強いくらいかもしれません。

また、ウェアラインやバッグなどのアクセサリーなどのラインナップを拡充しているので今やシューブランドではなく、総合ファッションブランドとしてブランドを拡大しています。
知る人ぞ知る少しニッチなブランドではありますが、そのデザイン性の高さは本当に素晴らしいものがありますのでジュゼッペ・ザノッティの世界観を詳しく見ていきましょう。

唯一無二の圧倒的なデザインと裏側にあるクラフトマンシップ

　 ジュゼッペ・ザノッティの魅力はなんといってもそのオリジナリティ溢れるデザイン性の高さという点になるでしょう。

ブランドを立ち上げる際に自身のデザインを実際に靴として成立させるためにジュエリーや刺繍といった装飾部門を立ち上げたことからも分かる通り、まるでアクセサリーのように美しいデコラティブなデザインが目を引くのです。


　 例えば、宝石を散りばめたサンダルや魚の骨をかたどったサンダル、ウエッジソールのソール部分を空洞にしたブロックサンダル、炎をかたどったアッパーのサンダルなど、素晴らしいアイディアと類まれなデザインへの融合力によって他のブランドでは到底見ることの出来ないオブジェのようなシューズを生み出しているのです。

かなり奇抜なデザインが多いため、履きこなすのが難しいという難点はありますが、ただそこは奇抜な中にも洗練されたシューズへの落とし込みがあるためアバンギャルドさが強調されすぎない合わせやすさもあります。


　 ユニークなデザインばかりに目がいくのですが、それだけではないのがジュゼッペ・ザノッティの魅力
ピンヒールに対するこだわりも相当なものがあるのですが、それもウエストからヒップにかけての女性的な美しいラインを強調するためのもの。
ピンヒールにも身体のラインに合うような曲線的なラインを取り入れ、美脚効果を出しつつ、同時に人間工学に基づいたアプローチによって歩いた時の疲れにくさも考えられています。

さらに素材選びにも余念がなく、足に馴染むような上質なレザーや装飾に使われるジュエリーや刺繍、メタルパーツ、リボンといったものも最高品質を吟味し、熟練職人の手作業によって丁寧に加工、取り付けがされています。
こだわりでいうとオートクチュールコレクションのような一点モノのような特別感を味わえるのです。

そして、日本人にとってうれしいのは、日本で販売される靴にはアジア仕様の木型が採用されているという事。
「履き心地のいい靴を届けたい」という想いから、甲が高く、足幅の広い日本人女性のためにしっかりと研究されているので安心して履けるようになっています。

デザイン性の高さはとても分かりやすいジュゼッペ・ザノッティの魅力なのですが、デザインだけではなく履き心地やシルエット、品質という面でも世界最高峰のシューブランドである事が感じられます。

歴史に名を残すような名作デザインの数々

シューズに革命を巻き起こすジュゼッペ・ザノッティの歴史

　 Giuseppe Zanotti（ジュゼッペ・ザノッティ）は、1994年にイタリアで設立されたシューブランド。
創業者はジュゼッペ・ザノッティで、自身の名前を冠したブランドとなっています。

1957年にイタリアのサン・マウロ・パスコリで生まれ、両親はリミニでアイスクリーム店を経営していました。
ファッション関連の家庭で育ったわけではないですが、リミニという街は工芸品が盛んな街で、また靴づくりが伝統として根付いていた街でもあったため自然と靴や工芸品といったモノづくりに触れながら幼少期を過ごしました。

ただ、シューデザイナーになる前にはクラブDJに夢中になり、クラブやパーティーという社交場で様々な才能溢れる人々と出会い、そういった縁からプレタポルテのファッションへと興味の矛先が変わっていったのです。
かつてマノロ・ブラニクも修業をしていたCASADEI（カサディ）の下で働き、シューデザイナーへの道を歩みだしました。

そして、フリーランスの職人工房で靴のデザインをはじめ、その才能が認められたことでメゾンの靴を手掛けるまでにステップアップ。
勢いのままに小さな靴メーカーだったVICINI（ヴィッチーニ）を買収し、ヴィッチーニの経営基盤を強化していき、ジュゼッペ・ザノッティスタイルを表現するためにジュエリーやヒールを製造する部門や刺繍職人などを雇用し、品質面を強化。

ついに1994年にニューヨークでジュエリーを使った初のシューズコレクションを発表しました。
これがブランドGiuseppe Zanotti Design（ジュゼッペ・ザノッティ・デザイン）の始まりです。


　 圧倒的なオリジナリティと高いレベルでの職人技が評価され、そのセクシーさやグラマラスなスタリングに人気は一気に拡大し、マドンナ、ビヨンセ、ジェニファー・ロペスなどのセレブリティにも愛用されました。
2000年にはミラノに初のブティックをオープンし、勢いを増していきました。

2008年にはアメリカの気鋭ブランドであるプロエンザ・スクーラーとのライセンス契約を発表し、同ブランドの靴の製作や販売を手掛けています。

2012年にメンズコレクションを発表していましたが、2016年から本格的にスタートさせ、ジップを配したスニーカーがラグジュアリーストリートの潮流とばっちりとハマり、ラグジュアリースニーカーの代表格となるほど人気となります。

さらに2017年にはこれまでGiuseppe Zanotti Designとしていたブランド名をGiuseppe Zanotti（ジュゼッペ・ザノッティ）へと変更し、新しいブランドのスタートを切りました。
2019年にはユージニオ・マンギがCEOとして就任し、すでに70か国以上に展開しているジュゼッペ・ザノッティのビジネス面においてもさらなる拡大を目指しています。

撤退と再上陸を果たした紆余曲折の日本進出

　 日本でも現在では百貨店やセレクトショップなどで取り扱われていますが、スニーカーブームもあり、どちらかというとメンズ人気の方が高くなっているためメンズ専門店がかなり多くなっています。

実は2008年に八木通商と共に銀座1号店をオープンしたのですが、すぐに撤退するという事態になり、2012年にバルマンやカルヴェンを手掛けているブルーベル・ジャパンが日本に再上陸させたという経緯があります。
当初はポップアップストアとして期間限定で表参道ヒルズに出店しました。

その後、日本初のフラッグシップショップが2016年に表参道ヒルズにオープンし、2014年にはウェアラインがスタートしていたこともあり、ウィメンズ、メンズのシューズ、バッグ、アクセサリーとウェアというラインナップを備えた日本最大級の店舗としてスタートしました。

ラグジュアリーを体現するメンズスニーカーが大人気

　 ジュゼッペ・ザノッティというブランドは、もともとパンプスやサンダル、ブーツなどグラマラスでゴージャスなレディースシューズが人気のブランドです。
そして、それは今も変わらず人気を保ち続けていますし、ラグジュアリーシューズブランドとして名前が上がるブランドです。

ただ、メンズスニーカーをリリースしてからというものジュゼッペ・ザノッティのイメージはメンズスニーカーという人も少なからずいるのではないでしょうか？
それくらいジュゼッペ・ザノッティのスニーカーは人気があり、ラグジュアリーストリートのムーブメントにも相性の良い靴となっています。


　 ジュゼッペ・ザノッティの良さが十分に活かされているといってもいいクロコダイルやパイソンなどの厳選された高級感のある素材を採用し、単なるスポーティーなスニーカーとは一線を画す真のラグジュアリースニーカーとなっているからです。
レディースでもシューズ×ジュエリーや刺繍にこだわっているようにスニーカーにも洗練された美しいメタルパーツや刺繍などが施され、スニーカーでありながらもスニーカーでないような突き抜けたゴージャスさと芸術性が備わっているのです。

そして定番となっているジップデザインによって着脱のしやすさはもちろん、そのデザイン面でもアイデンティティを示しています。

世界のセレブにも愛用者が多数出現し、一種のブームを巻き起こしたのがジュゼッペ・ザノッティのスニーカーなのです。

ディフュージョンラインのVICINI（ヴィッチーニ）

　 あまり知られていませんがVICINI（ヴィッチーニ）は、ジュゼッペ・ザノッティのディフュージョンライン（セカンドライン）としての位置づけになるブランド。
もともとはブランド設立前にジュゼッペ・ザノッティが小さな靴メーカーだったヴィッチーニ社を買収したので今でもヴィッチーニ社がジュゼッペ・ザノッティとヴィッチーニの両方のアイテムを作っています。

しかもヴィッチーニ社はディースクエアードやジャンフランコ・フェレ、ロベルト・カバリといった高級ブランドのシューズも手掛けているので品質は折り紙付き。

ブランドとしてのヴィッチーニは、ジュゼッペ・ザノッティのグラマラスなイブニング向けデザインとは対照的にカジュアルなデイユース志向になっていて、価格帯も大体半分～1/3程度とリーズナブル。

テイストはやや違いますが、安価にジュゼッペ・ザノッティの世界観を楽しみたいならヴィッチーニという選択肢もありかもしれません。

VICINI（ヴィッチーニ）のアイテム

こんなのもあり！？ 人がメインのコラボレーション

ジュゼッペ・ザノッティというと様々なコラボレーションでもおなじみです。


　 そんな中でもバルマンとのコラボレーションはとても話題になり、希少価値が高くプレミア化するほどの人気になっており今ではほとんど手に入りません。

バルマンとジュゼッペ・ザノッティはけっこう共通点が多く、実はOff-White（オフホワイト）のヴァージル・アブローはバルマンとジュゼッペ・ザノッティでスニーカーデザインをしていたことがありますし、2012年にジュゼッペ・ザノッティを日本再上陸に導いたブルーベル・ジャパンはバルマンの取り扱いをしていました。
また、バルマンのクリエイティブ・ディレクターに就いたデムナ・ヴァザリアもジュゼッペ・ザノッティのスニーカーの大ファンなのです。

これほどの関係性にあった2つのブランドのコラボレーションなので不思議ではありませんね。

また、ブランドとのコラボレーションよりもアーティストやハリウッド女優といった著名人とのコラボレーションが多いのもジュゼッペ・ザノッティの特徴です。

「ジュゼッペ トリビュート トゥ マイケル・ジャクソン」

　 2018年に発表された「ジュゼッペ トリビュート トゥ マイケル・ジャクソン（Giuseppe Tribute to Michael Jackson）」は、すべてのシリアルナンバー付きの2000足限定販売で話題となりました。

マイケル・ジャクソンのシンガーとしての活動への賞賛の意味を込めて特別なスニーカーとしてデザインしています。
ジュゼッペ・ザノッティの定番となるファスナーはスワロフスキークリスタルで装飾し、バックルにはマイケルの名前、右側のソールには赤いスワロフスキークリスタルで「TRIBUTE」という文字をあしらいました。

しかもナンバーワンの一足は120個のブラックダイヤモンドと55個のルビーをあしらった特別仕様でチャリティーオークションに出品されました。

ジェニファー・ロペス カプセルコレクション

　 ハリウッド女優のジェニファー・ロペスとのカプセルコレクションも発表。
ジェニファー・ロペス自身がインスタグラムで制作風景の動画を投稿し、その中でジェニファーとジュゼッペ・ザノッティが話し合いながらデザインを仕上げていく様子が映し出されました。

そうして出来上がったのはコルセットをイメージしたカットアウトでオープントゥのアンクルブールJEN（ジェン）や足首にストラップを巻き上げた「LESLIE（レスリー）」などの4モデル。

ジェニファー・ロペスの持つアイディアとジュゼッペ・ザノッティらしいアバンギャルドなデザインが見事に融合したコレクションに仕上がりました。

G-Dragonとのコラボレーション

　 韓流スターとしてファッションアイコンでもあるビッグバンのG-Dragonとのコラボレーションも実施。
アッパーにグリッターカーフを使用することでキラキラと輝く目立つデザインとなっており、スリッポンとレースアップの2タイプがリリース。

クラシックでエレガントなベースにG-Dragonのエッジの効いたセンスとロックなエッセンスをプラスしたことでモダンでありながらもタイムレスなシューズが完成しました。

ジュゼッペ フォー ゼイン（Giuseppe for Zayn）

　 大人気グループのワン・ダイレクションの元メンバーであるゼイン・マリクとのコラボレーションスニーカーも発表しています。

登場したのはスニーカーとブーツが2モデルずつで、ガールフレンドでもあるモデルのジジ・ハディッドとの名前を組み合わせたカップル名「Zigi（ズィジ）」と名付けられた2つのジッパーが並ぶショートブーツまでデザインされました。

「Giuseppe for Swae Lee」

　 兄のスリム・ジミーとのヒップホップデュオRae Sremmurd（レイ・シュリマー）で注目を集めているラッパーのスウェイ・リーとのコラボレーション。
兄のスリムがジュゼッペ・ザノッティのデジタルキャンペーンに出演したことがきっかけでこのコラボは実現しました。

ジュゼッペ・ザノッティの象徴的なスタイルのスニーカーにスウェイのトレードマークを注ぎ込んでデザインされたスニーカーは、鮮やかなブルーモチーフの刺繍を全体に施したグリッターブーツや「Blabber」スニーカーのサイド部分にはゴールドのレタリングで「GZ」のグラフィックロゴとフラワーモチーフで装飾した華やかなアイテムに仕上がっています。

非常にユニークなセンスを持った唯一無二のブランドですし、シューズだけではなく総合ブランドとしてもまだまだ伸びしろの感じられるブランドですので今後の動向にも注目が必要です。

次は、「歴史に名を残すような名作デザインの数々」

この記事を監修しているのは？

ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
好みや主観が入ったり、否定的な意見が存在するのは、ハイブランド.comの味であり、外部からの影響から独立しているからこそ出来ること。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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