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カミーユ・フォルネ Overview

知る人ぞ知る志向のレザーグッズブランド

　 Camille Fournet（カミーユ・フォルネ）は、正直そこまで有名なブランドではないですが、ハイエンドなセレブ男性からは人気の高い高品質ブランド。

世界一といえる腕時計ブランドのパテック・フィリップや高級時計として名高いフランク・ミュラー、ゼニスやカルティエなど名だたる腕時計ブランドがこぞって採用しているのが、カミーユ・フォルネの時計ベルトです。


　 カミーユ・フォルネの魅力を端的に表すと、魅惑のエキゾチックレザー、最高の品質、控えめながらおしゃれなデザイン。
コントラストがデザインコンセプトになっているように、伝統的な技術とアートのバランスが素晴らしく、特に定番のVERSOシリーズのミニマルなカーフとアクセントとなっているエキゾチックレザーのコントラストは素晴らしく、カラーにおいてもさりげなく対比させているところがシンプルにかっこいいのです。


　 また、レザーグッズに関して言うとかさばらないというのもいいところで、財布などは特に薄く設計されています。
なので、スーツの胸ポケットなどに入れた時に、膨らまずにスマートに持っておけるのです。


　 最近だと公式オンラインストアからも購入できますし、国内でも東京、大阪、京都などに店舗もありますのでマシになりましたが、なかなか購入する場所がなかったので知る人ぞ知るという感じとなっています。
ただ、価格帯は一般的なラグジュアリーブランドと比べても高価で、特にエキゾチックレザーを多く使っている場合は非常に高価格帯となってきます。

高価ではありますが一生モノになりえるレザーグッズなので、大事に使いこんでいきたくなるようなアイテムばかりです。

職人の技術の結晶「メイド・イン・フランス」の誇り

　 カミーユ・フォルネの最大の魅力というのはやはりメイド・イン・フランスを徹底していることであり、創業者のカミーユ・フォルネから代々受け継がれてきた伝統の技術を守りながらハンドメイドで最高の製品を作り続けてきているというところです。

フランスの工場では200人以上の職人がバッグなら200以上、時計ストラップであっても60以上の工程を手作業にて実施、緻密な作業を入念におこなっています。

そしてフランス伝統の技法でもある『クチュール・セリエ』
これは馬具を作っていた革職人たちによって継承されてきた技術で、1本の糸の両端にそれぞれ針を付け、厚い革に対してステッチをかけていく技法で非常に丈夫で、かつ美しいステッチに仕上がるのです。
同じフランスブランドで馬具製造ブランドであるHermes（エルメス）も「クージュ・セリエ」という同じ技法を使っています。

またレザーグッズだとコバの仕上がりにその技術や品質というものが表れてきますが、カミーユ・フォルネではコバ塗りは2回に分けて行われ、表面を磨き滑らかな状態にし、コバを熱して馴染みを浴した後に着色、そして乾燥、研磨、そこからまた熱を入れ、着色、乾燥、研磨といった形で非常に丁寧に行われます。
こうしたこだわりが最高の製品を生み出していると言えるでしょう。

メイド・イン・フランスが誇る「サヴォアフェール」

最高級エキゾチックレザーへの強いこだわり

　 カミーユ・フォルネの中で技術や品質ともうひとつポイントとなるのがエキゾチックレザー。
エキゾチックレザーというのは、リザードやクロコダイル、オーストリッチといった動物の皮革をリアルに感じられるような高級皮革のことです。

当初からこのエキゾチックレザーを時計ベルトとして採用し、その品質の高さから名を上げていきました。
なんとエキゾチックレザーの品質を維持するために養殖されるミシシッピ・アリゲーターの全捕獲量の半分程度を毎年買い付けています。


　 エキゾチックレザーの種類も豊富で、定番のアリゲーター、リザード、オーストリッチ（ダチョウ）、もちろんカーフ（仔牛）もありますし、2001年にはポロサス・クロコダイル、ワイルド・フィニッシュ・アリゲーター、2002年にはアリゲーター・サテン・ファッション、2003年にはガルーシャ（エイ革）、2005年にはパイソンといったようにどんどん拡充されていっています。

エキゾチックレザーの反対運動もあり、倫理面や入手困難な観点からエキゾチックレザーの不使用を宣言するラグジュアリーブランドも出てきている中、カミーユ・フォルネが今後どう対応するのかも注目されます。

カミーユ・フォルネの歴史「時計ベルトのトップブランドからレザーグッズのトップへ」

　 1945年に元々馬具職人であったカミーユ・フォルネがフランス北部ピカルディ地方で高級時計ベルト工房として創業したブランドです。
Hermes（エルメス）やValextra（ヴァレクストラ）なども馬具製造からスタートしていますが、馬具職人とレザーグッズというのは非常に相性が良く、そのこだわりの強さから品質面で一流となりやすいのだと思います。

カミーユ・フォルネの神髄でもある「クチュール・セリエ」によるサイドステッチの美しさとエキゾチックレザーを使った芸術性により世界の名だたる時計ブランドに採用され、時計用革ベルトのトップブランドへと登りつめていきます。

1988年には業界でも初となる旅行時の時計収納用革ケースとポシェットを発表したことで注目を集めます。


　 大きな転機が訪れたのが1994年、Jean-Luc Déchery（ジャンラック・デシュリー）とその妻Françoise（フランソワーズ）によって買収されたのです。
フランソワーズはブランド・ディレクターとして新しいカミーユ・フォルネのビジョンを示しました。

これはカミーユ・フォルネというブランドにとってはよい機会で、スモールレザーグッズの販売を開始し、ブランドとしての伝統や技術を重んじながらも東京や北京にブティックをオープンするなどグローバルへ展開するブランドへと舵を切ることが出来たのです。
2007年にはレザーグッズラインからバッグもリリースし、ブランドを拡大していきました。

2014年には伝統的な手袋メーカーのLavabre Cadetを買収しています。


　 さらに2016年にはコレクションのアイデンティティをより強固なものとするため、フランス唯一のインダストリアルデザイン学校であるENSCI-Les Ateliersを卒業したClaire Aubadie-Ladrix（クレア・オーバディ=ラドリックス）をアーティスティック・ディレクターとして抜擢。
最初の試みとして新しいグラフィックデザインのロゴに刷新しコンテンポラリーブランドへの脱皮を図っています。

クレア・オーバディ＝ラドリックスは2018年に退任していますが、その後はギヨーム・ルノダンとクロエ・マイヨがアーティスティック・ディレクターに就任しています。

伝統技術とモダンの融合「アップルウォッチレザーベルト」

　 新しいアーティスティック・ディレクターの抜擢やロゴの刷新などコンテンポラリーブランドとして伝統の上に新しいカルチャーを築こうとしているカミーユ・フォルネ。

ユニークな取り組みとしてはアップルウォッチ用のレザーストラップも提案しています。
もちろん着脱可能なインサートは付属しています。

もともと腕時計用のレザーストラップのブランドとしてスタートしているカミーユ・フォルネですので、時計バンドはお手の物です。
その伝統的な技術や最高級のレザーを存分に活かしたアップルウォッチ用のベルトというのはセレブ層からは大人気となっています。


　 定番のヴォ―リスカーフやパティネアカーフ、リザードやアリゲーターまで揃えており、ベーシックなブラックやブラウンから鮮やかなイエロー、ブルー、グリーンなどのカラーまでバリエーションも豊富です。

アップルウォッチをカミーユ・フォルネのレザーストラップでデコレートするというのも伝統とモダンの融合という意味ではとてもよいコントラストとなっています。


レザーグッズブランドとして最高峰のカミーユ・フォルネ。
まだまだ知名度としては高くないですが、財布にしてもバッグにしても人と被ることはまだまだ少ないでしょう。
ブランドを強烈にアピールするよりも、最高のモノを持ちたいと思われる方には非常にマッチするブランドではないかと思います。

次は、メイド・イン・フランスが誇る「サヴォアフェール」

この記事を監修しているのは？

ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
好みや主観が入ったり、否定的な意見が存在するのは、ハイブランド.comの味であり、外部からの影響から独立しているからこそ出来ること。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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