- Established: 1991
- Nation:フランス
- Website:http://us.christianlouboutin.com/
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クリスチャン・ルブタン Overview
絶対に負けられない戦いがそこにある
(出典:http://us.christianlouboutin.com/)
クリスチャン・ルブタンというと何を思い浮かべますか?
1991年に創業され、わずか20年ほどの歴史しかないにもかかわらず、世界のラグジュアリーブランドと肩を並べるまでに成長したルブタン。
驚くほど高いヒールや真っ赤に染められたソール、アバンギャルドなスタッズ使いなど色々なイメージを持たれていると思います。
やはりルブタンと聞いてもっともイメージが強いのは、ブランドの象徴ともなっている真っ赤に染め上げられたレッドソールではないでしょうか?
このレッドソールは、ルブタンの守るべきアイデンティティとして類似品に対して数々の訴訟まで巻き起こすほどのアイコンとなっています。
スマッシュデザインには、偽物や模倣品はどうしても付き纏います。
しかし、クリスチャン・ルブタンは、次々と現れる模倣品と正面から戦い、その価値を守ってきたのです。
ルブタンの象徴ともいうべきレッドソールはいかにして生まれたのか?
どういった熾烈な戦いを繰り広げてきたのか?
そこに迫っていきましょう。
真っ赤なレッドソールは偶然が生み出した奇跡
(出典:http://us.christianlouboutin.com/)
クリスチャン・ルブタンの代名詞というと12cmを超える高いヒールでしょうか?
いえいえやはり真っ赤の靴底”レッドソール”でしょう。
レッドソールの魅力を最大限に引き出すのが高いヒールなのです。
なぜかというと、もうお分かりだと思いますが、高いヒールだと靴がほとんど垂直のようになりますよね。
靴が垂直のようになるということは本来見えないはずの靴の裏側(ソール)が見えてしまいます。
ここを赤く塗ったのがレッドソールで、ルブタンの目指す女性らしい美しさを引き出すための高いヒールがこのレッドソールを生み出したということになります。
では一体どうやってこのレッドソールが生まれたのでしょう。
それは本当に偶然の産物と言ってもいいのかもしれません。
1993年にルブタンのアシスタントが真っ赤なマニキュアを塗っていたところを見かけました。その時インスピレーションが彼の脳を駆け巡り、すぐに靴のソールを赤く塗ることを決めたのです。
そして、男性を魅了するこの赤いソールのセクシーさにすっかり虜になったのです。
若い頃から女性を美しく見せるというコンセプトを考えぬいた結果、最高のデザインを生み出したクリスチャン・ルブタンが世界の女性から圧倒的な支持を集めるのは当然といえますね。
熾烈を極める模倣品との戦い
(左がクリスチャン・ルブタン、右がイヴ・サンローラン)
しかし、これほどまでに有名なデザインになってくると当然出てくるのが、模倣品や偽物、コピー品です。
これは、ルブタンだけではなく他の多くのラグジュアリーブランドも経験してきていることですが、ルブタンの場合は企業間(ブランド間)での法定での争いというものが多くあります。
これだけ有名になったレッドソールをどうしても真似してみたいというブランドが出てくるのもいささか仕方ないことなのかもしれませんね。
そうして意味合いからもクリスチャン・ルブタンではレッドソールを商標登録しており、その権利の保護にやっきになっているのです。
そうした戦いの中でももっとも有名で話題になったのがイヴ・サンローランとの争いです。
フリーランス時代にはイヴ・サンローランの靴作りも請け負っていたルブタンからするとなんとも皮肉な運命とも言えます。
2011年にイヴ・サンローランがレッドソールを模倣した商品を販売したとして訴えました。
そして、一度はその言い分は認められなかったのですが、控訴してレッドソールの商標権を一部認めるという判決を勝ち取ったのです。
この”一部”というのは、ソールの色だけが赤で他の部分の色が赤以外の対象的な色使いだった場合に、その権利を認めるというものです。
イヴ・サンローランの靴は全てが赤色だったので販売差し止めには至りませんでしたが、こうした裁判を通してレッドソールはルブタンの象徴だと、オリジナルのものだというのを世に知らしめているのです。
イヴ・サンローランの話だけが有名ですが、実はこうした戦いは世界各国で行っています。
母国フランスでは、2012年にZARA(ザラ)がレッドソールの権利を侵害したとして裁判を起こしましたが、ここではルブタン側の主張は認められませんでした。
さらにベルギーでは、Dr.Adams Footwearに対してもレッドソールの商標権侵害で訴えを起こし、一審では負けましたが、控訴して商標権を認めさせることに成功しました。
オランダでもVan Haren(ヴァン・ヘイレン)に対して、「5th Avenue by Halle Berry」というレッドソールのシューズの販売停止を求めて訴えています。
他にもブラジルのアクセサリーブランド「Carmen Steffens」に対しても訴えを起こしています。
ある意味大手ブランドにここまで真似されるというのは光栄といえるのかもしれませんが、真似される側からするとたまったもんじゃないですね。
こうしたレッドソールを守るための戦いは今後も加熱していくと思われますが、「クリスチャン・ルブタン=レッドソール」の方程式は確実に世の中に浸透しているので、偽物やコピー品はなくならないでしょうけども他ブランドが模倣品を作るというのは減っていくかもしれません。
選ばれた者のみに許される靴の王様
(出典:http://us.christianlouboutin.com/)
ルブタンの靴に憧れている方は、みなさんこういったことを考えているのではないでしょうか?
「あんなに高いヒールを本当に履きこなせるのかな??」
「絶対脚が痛くなって歩けないよ・・・」
ルブタンの靴は決して安くはありません。
一足1000ドル以上、日本円で10万円はするような代物です。
そうやすやすと失敗できる買い物ではないと思います。
履きやすい、足が痛くて歩けないなどいろいろな意見が飛び交っていますが、実際のところはどうなの?というところをルブタンの靴の特徴を踏まえて考察してみたいと思います。
ルブタンの靴って本当のところ履きやすいの?
(出典:http://us.christianlouboutin.com/)
クリスチャン・ルブタンに憧れる女性の方々はとても多いと思います。
ファッションを愛するほぼ全ての女性が一度はクリスチャン・ルブタンの靴を履きたいと思っているのではないでしょうか?
ただ、ルブタンというとどうしても気になるのが履き心地。
あまりにも高いヒール、そしてポインテッドトゥのタイトなシルエット。
履いたら歩きにくいんじゃないか? 脚が痛くなるんじゃないか? そもそも快適なわけがないと様々な思いが錯綜しているのではないでしょうか?
ルブタンの靴の履きやすさが語られるときには、両極端な意見が入り混じります。
一方では、ルブタンの靴はとても履きやすい、足に馴染むと言う人もいれば、ちょっと歩いただけでも足が痛くて限界、買ったはいいけどお蔵入りなどと言う人もいます。
これって一体どっちの意見が正しいのでしょうか?
答えは簡単で、どっちも正しいのです。
基本的に人はそれぞれ違います。
脚の形も違えば、脚の筋力も違います。細さやバランス感覚、痛みへの耐性など千差万別なのです。
なので脚の形が合う人は痛くないでしょうし、足の筋力が強い人であればルブタンの高いヒールも履きこなせるというわけです。
ただ、これでは結局自分にはどうなの?
というところで答えにはなっていないので、ルブタンの靴がそもそもどういう靴かというところをきちんと整理して自分に合うかどうかを判断する必要がありますね。
もちろん初めてルブタンを買う場合であれば、フィッティングはとても重要だと思いますので、ネットで買うにしろ一度は店舗に足を運んで試着することをおすすめします。
ルブタンの特徴から履き心地を考えてみよう
(出典:http://us.christianlouboutin.com/)
まず、ルブタンの靴の大前提として、決して履きやすい靴ではありません。
これはクリスチャン・ルブタン本人が「King of painful Shoes(痛みを伴う靴の王様)」と言っていることからも分かります。
ルブタンの靴に対する情熱は、まず女性らしくエレガントで美しいシルエットを靴によって作り出すというところにあります。
極端に高いヒールもそうした女性の美しさを引き出すための手段にすぎないのです。
そしてヨーロッパブランド特有の靴の幅の狭さが挙げられます。
これはなぜかというとルブタンはフランスのブランドです。
欧米人は一般的に足の幅が狭くて、甲が低くなっているのですが、当然ながら自国、またその周辺国の足型に合わせて靴を作るので日本人には合いにくい靴型になっているのです。
ジミーチュウは足に吸いつくような魔法の靴と呼ばれていますが、ジミーチュウの場合はイギリスブランドでありながらも靴の幅がけっこう広めに作られています。
このあたりが日本人を含めたアジア人の足型にフィットしやすく、魔法の靴ともてはやされる理由のひとつとなっています。
もちろん魔法の靴と呼ばれる由縁はこれだけではありませんが。
実はシャネルやルイ・ヴィトンなどはアジア向けの木型があり、靴のサイズがヨーロッパ向けとアジア向けで違っています。
シャネルなどはサイズ表記に”C”がついてますが、これがアジア向けのサイズ表記になっています。
グローバル標準のラグジュアリーブランドであってもアジア向けに木型を変えてしまうほど、ヨーロッパと日本では足型が違っているのです。
こうしてみてみると、やはりルブタンの靴を履くというのはなかなか難しいということが分かってきますね。
履きやすいと言ってる人はどんな人?
(出典:http://us.christianlouboutin.com/)
ではルブタンの靴を履きやすいと言ってる人もいますが、それは一体どういった人でしょう?
ルブタンは海外セレブから日本の芸能人、モデルさんにも大人気のブランドです。
よく公式の場やブログなどでもルブタンの靴を履いているところを見かけます。
ルブタンの靴が履きやすいと言っているのは、こうした一部の有名人であることがほとんどです。
こういった方というのは、基本的に長時間歩くということはありませんよね?
移動は車が普通だと思いますし、下手すると電車だって乗らないことがほとんどでしょう。
瞬間を切り取ってみてみると、ルブタンの靴は明らかに女性を美しく見せてくれる綺麗なスタイルを作ってくれますし、こうした方々から讃美の声が上がってくるのは当然なのかもしれません。
そして、もうひとつに脚の筋力も関係してきます。
大体モデルさんや女優さんというのは、日々スタイルを保つためのトレーニングであったり、モデルさんだとウォーキングの練習もしているでしょう。
こうした日々の努力が筋力を鍛え、高いヒールにも負けない体を作っているといえます。
また、海外セレブは置いておいても、日本であっても女優やモデルさんはハーフの方も多いです。
そういった意味では足型もどちらかというと日本人離れしている人が多いというも理由にあるかもしれません。
結局結論として・・・
(出典:http://us.christianlouboutin.com/)
ルブタンの靴を履きこなせる人というのは、ある意味選ばれた人になるのかもしれません。
・足型が欧米人のそれに比較的近い人。
・日常生活において、あまり歩く必要性のない人。
・別に女優やモデルさんに限った話ではなく、しっかりとしたトレーニングなどで脚力を鍛え、スタイルを維持するための努力をかかさない人。
こういった条件を満たせるような方であれば、苦もなくルブタンを履きこなせるのだと思います。
ただ、条件に当てはまらないからといって諦める必要もなく、おしゃれは我慢を地でいけばルブタンの美しいシルエットを手に入れることは出来ると思います。
ルブタンと関わりの深いセレブリティ
ルブタンの靴に憧れる理由のひとつとして、数多のセレブがルブタンを履いているということにあります。
みなさんもルブタンの靴を履いている海外セレブ、そして日本の有名人を見たことは1度や2度ではないはずです。
実際にどんな人たちがルブタンを履いているのでしょう?
一口に海外セレブと言っても色々な人がいます。
歌手や女優、モデルといったファッションアイコンとなっているような人たちもいますし、いわゆる王侯貴族のような本物の上流階級の方もいます。
世界で、そして日本でどんなセレブがどんな時にルブタンを履いているのか?
そして、それを知ることでルブタンの履き心地の意味の理解にも繋がるのではないかと思います。
多彩な才能を発揮するコラボレーション
(出典:http://www.louisvuitton.com/)
クリスチャン・ルブタンというデザイナーは、実に多才な人です。
それもそのはず、学校の勉強には目もくれず、若干12歳で家を飛び出し、キャバレーで働きながら夜な夜なナイトクラブに出かけるような少年だったのです。
その頃からアンディ・ウォーホルやミック・ジャガーといったスターと関わりを持ってました。
そして、デザイナーとなってからも様々なブランドに対して自身のシューズデザインを提供し、自らのブランドを立ち上げてもその意欲はとどまることを知らず、数々のコラボレーションを成し遂げてきたのです。
2019年には驚きの構想が発表されました。
なんとクリスチャン・ルブタンがホテル事業に進出するというのです。
場所はポルトガルでルブタンの別荘があるアレンテージョ地方で、設計はマダレーナ・カイアドを指名し、内装はルブタン自身が手掛けます。
オープンは2020年夏を目標にしているようで、ルブタンらしい情熱的なホテルになることを期待したいです。
コラボレーションは、靴という枠組みだけには終わらず、異業種まで含めて多岐にわたります。
これまでルブタンの行ってきたコラボレーションの数々を一挙ご紹介します。
ラグジュアリーブランドというとほとんどが100年近い、またそれ以上の歴史を持つようなブランドばかりです。
それをたった20年ほど、実際には数年でその域にまで達してしまった感のあるクリスチャン・ルブタン。
今後どのような展開になっていくのか、ますます楽しみになる特別なブランドです。
この記事を監修しているのは?
ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門
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