イタリア ルネサンス Italian Renaissance

イタリア ルネサンス様式データ

  • 年代:15世紀~17世紀頃
  • 主な地域:イタリア


イタリア ルネサンス様式の解説

中世のキリスト教中心の封建社会に対して、自由と人間性の回復を求め、古代ギリシア・ローマの古典に帰ろうとする運動です。ルネサンスとは「再生」「復興」の意味で、15世紀のイタリアで怒り、ヨーロッパ各国へと広まっていきました。
ヨーロッパでは、十字軍の遠征以降、商工業の発達により、市民の文化的自覚が高まっていました。特にイタリアにはメディチ家など大商業資本家も出現し、神中心の中世的な古い規範からの脱却と共に、人間中心の新しい精神が求められていきました。

イタリア ルネサンスには15世紀のフィレンツェを中心とした初期ルネサンスと、16世紀初頭のローマ・ヴェネツィアを中心に展開された盛期ルネサンス、また盛期ルネサンス以降に変わった手法や奇をてらった傾向が現れた16世紀後半のマニエリスム期を含めてイタリア ルネサンスと呼ばれる事が多いです。
しかし、マニエリスム期に関してはイタリア ルネサンスと別ものとして考えられている事もあります。


建築

中世では教会建築が中心でしたが、ルネサンス期では個人の邸宅や別荘、劇場や病院、市庁舎などの公共施設も多く作られました。これらは、半円アーチや細身のオーダー、メダイヨン、ペディメントといった古典的モチーフを使って、シンメトリーに構成されました。
特にパラッツォと呼ばれる都市型の邸宅は、中庭つきの低層の建物で、以降のヨーロッパ都市建築の基本となりました。
また、郊外には広大な庭と建物が一体となったヴィラと呼ばれる別荘が建築されました。
これがイタリア ルネサンス式庭園となり、後のフランス幾何学式庭園の手本となっています。

初期ルネサンス

ルネサンス建築の幕開けであるフィリッポ・ブルネレスキの「バッツィ家礼拝堂」は、古代ローマ建築の古典的な装飾に彩られています。
レオン・バティスタ・アルベルティの「サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂」は、古典的なプロポーションを巧みに再構成しています。

盛期ルネサンス

ドナト・ブラマンテの「テンピュット」は、ルネサンスを代表する建築で、円や正方形を基本とした理想的な形態追求の成果と考えられます。

マニエリスム期

ルネサンス最後の大建築家と言われる「建築四書」の著者であるアンドレア・パラディオの活躍した時代です。
古代建築様式を研究し、個展形式によって多数の建築作品を残しました。特に「ラ・トロンダ」のように古代ローマ様式であるオーダーのプロポーションを再発見し、規範化したことは構成の建築に大きな影響を及ぼしています。


室内装飾

床に、大理石、モザイク、寄木張りのほか、テラゾーも使われ始めました。
壁は漆喰仕上げにされる事が多く、木の羽目板張りもありました。壁や天井にはフレスコ画が描かれる事が多く、宗教的な題材と共にだまし絵が流行りました。
16世紀になると、グロテスクといわれる幻想的な装飾模様が流行し、マニエリスム期には変わった形状モチーフが多く使われるようになりました。


家具

椅子の座や背に詰物をし、ビロードや綴織りで張るようになるなど、座り心地が劇的に向上しました。
材料はウォールナットが多く使われ、レリーフや象嵌の装飾がされるようになりました。ダンテスカやサボナローラの椅子などX字型の脚の椅子や、スガベロ、カッソーネなどがその代表例で、ほかに物入れ付きの長椅子であるカッサバンカやクレデンツァなどの家具があります。


美術・工芸

フレスコ絵画の全盛期となり、技法的にも3次元の物体を2次元の平面に描いた透視画法の完成やネーデルランドの油彩画の誕生などさまざまな芸術が生まれました。
また、この時代はボッティチェルリ・サンドロ、レオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロ、ラファエロ・サンティ、エル・グレコといった美術史に残る巨匠を輩出した時代でもあります。




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