足元を極める 極上の革靴選び!
目次
1.おしゃれの基本は足元から
2.必ず押さえる基本のスタイル
2-1. 多種多様な革靴のスタイル
2-2. 持っておきたいマストシューズ
3.靴の意匠「飾りの種類」
3-1. 内羽根式?外羽根式?
3-2. 穴飾りの種類って?
3-3. つま先の形はどう見ればいいの?
4.革靴の素材「革」を知る
5.国ごとに顕著に現れる伝統的スタイル
5-1. イギリス 紳士靴をリードしてきた伝統の靴作り
5-2. イタリア 職人魂が奏でるファッショナブルな靴
5-3. フランス 2極化するデザインスタイル
5-4. アメリカ 合理性を追求するアメリカニズム
番外編 ベルトとの関係
おしゃれの基本は足元から
よく「お洒落は足元から」と言われます。
靴というのはファッションのコーディネートの上でもっとも重要な「核」となるアイテムだということを如実に表している言葉だと思います。
その靴がブランドものであるとか、高価で希少な革を使っているとか、そういった特異性のようなものは必要ありません。
ただその日のファッションと合っていて、トータルとして貴方に合っているかどうかが問われるのです。
大人の男性が靴を買うとなった場合、やはり定番は革靴だと思います。
ビジネスにもプライベートにもTPO似あわせたお洒落な革靴を履くというのは男の身だしなみ、ダンディズムというものです。
ただ、TPOに合わせた革靴?お洒落な革靴?と言われても、革靴には色々なデザインや素材、製法などがあり、とても奥が深いものです。
これから革靴を選ぶ際の参考になるような革靴のイロハをお話していきたいと思います。
必ず押さえる基本のスタイル
(出典:http://www.edwardgreen.jp/)
革靴には実は様々なスタイルというものがあります。
そのスタイルによって同じ革靴という括りでも全く別のものになりますし、利用シーンも全く異なります。
基本スタイルの特性を理解しておくことで、場違いな靴を履いてしまって恥をかくといったことがなくなりますので、しっかりと抑えておきましょう。
多種多様な革靴のスタイル
本格的に革靴を購入しようとすると、実は様々なスタイルがあることに気づきます。
革靴はそのスタイルによって、デザインはもちろん違いますし、履き心地や使えるシーンも全く異なります。
下には革靴の基本となるスタイルとその特徴、使えるシーンを書いていますので、そうしたスタイルごとに持つ特性やお作法を理解し、今の自分に合った利用シーンで活躍できるシューズを選ぶ参考にして頂ければと思います。
プレーントゥ
プレーントゥは最も基本のデザインで、つま先に飾りのなりプレーンな作りで、頑丈で長時間歩いても型くずれしにくくなっています。
シンプルなデザインなので、フォーマルシーンであっても使えますし、カジュアルな服装であっても合わせられます。
あまりにもシンプルなため素材の良さや作りの良さがダイレクトに見えてくるので、しっかりとした良い靴を選ぶ必要があります。
ストレートチップ
つま先の革の切り替えが横に1本入っているタイプで、ビジネスシーンや冠婚葬祭などフォーマルな場に最も適したシューズになります。
特に切り替えにメダリオンの入っていないキャップトゥは最もフォーマルであるといえます。
メダリオンのないブラックのストレートチップは、必ず一足は持っておきましょう。
Uチップ
つま先の革の切り替えが横に1本入っているタイプで、ビジネスシーンや冠婚葬祭などフォーマルな場に最も適したシューズになります。
特に切り替えにメダリオンの入っていないキャップトゥは最もフォーマルであるといえます。
メダリオンのないブラックのストレートチップは、必ず一足は持っておきましょう。
ウイングチップ
つま先の革の切り替えが翼(WING)のようなW形をしているものをウイングチップと呼びます。
ウイングチップの場合は、大抵がメダリオン(穴飾り)をあしらっているので、全体的な印象としてはかなりクラシックシューズの様相を呈します。
フォーマルな場、礼装には向いておらず、ジャケパンなどのカジュアルスタイルやビジネスでの利用がメインになります。
モンクストラップ
「モンク」というのは修道僧のことで、もともとアルプスの修道僧が履いていた靴にインスピレーションを受け、シューレースがなく大きめのストラップとバックルで甲を締めるデザインになります。
もともとは英国トラディショナルなシューズですが、スタイリッシュなデザインが人気でモードなスタイルに合わせることも多くなっています。
ホールカット
1枚革でアッパーを包み込むように仕上げていて、ヒール部分まで継ぎ目なく作られるので高い技術力が必要とされるシューズ。
流れるような綺麗な流線型のラインを描くので非常にエレガントな印象を与えてくれます。
ローファー
スリッパのように脱ぎ履きが楽ということで付けられたのが「ローファー(怠け者)」。
アメカジスタイルの定番で、U字のモカステッチとコインを挟めるストラップが特徴のスリッポンタイプのシューズです。
カジュアルスタイルが主体ですが、最近ではドレッシーなデザインが増えているので、色々なファッションスタイルに合わせやすく人気があります。
サドルシューズ
馬の鞍を意味するサドルと呼ばれる革が甲部分の切り替えに使用されているデザイン。
もともとは船員の靴から取り入れられたとされており、サドルの色や素材を変えることで色々なバリエーションがあるため、カジュアルスタイルで人気なるシューズです。
持っておきたいマストシューズ
こうしてみるとご自身に必要な革靴のタイプもある程度見えてきたのではないかと思います。
定番ではありますが、確実に持っておきたいマストなシューズというとこんな感じになるのではないかと思います。
1.黒のストレートチップでメダリオンなし
(出典:CITY II http://www.johnlobb.com/)
冠婚葬祭やビジネス上でもよりフォーマルなシーンに対応するための一足。
2.黒か焦げ茶のプレーントゥ
(出典:BECKETTS http://www.johnlobb.com/)
ビジネスでの普段使いやあらゆるシーンに対応出来る一足。
3.カジュアルタイプ
(出典:TRURO http://www.johnlobb.com/)
ウイングチップやローファー、サドルシューズなどジャケットスタイルやカジュアルな装いでも問題なく対応できる一足、ウイングチップだとビジネスシーンにも使いませます。
靴の意匠「飾りの種類」
(出典:http://www.edwardgreen.jp/)
革靴のデザインは飾りによっても大きく変わってきます。
飾りが多くなればなるほどカジュアル色が強くなり、少ないとフォーマルな雰囲気が強くなります。
特につま先のデザインというのは、靴を選ぶ上で大きなウエイトを占めるので飾りの種類やフォルムなどをマスターしましょう。
ここを抑えればもう安心「靴の意匠」
つま先周りのデザインというのは、靴の表情を表すうえでとても重要です。
そして、この表情を決定するのが穴飾りとつま先の形。穴飾りの多さなどでフォーマルからカジュアルまで変わってきますし、つま先の形ひとつとってみても、それだけで靴の雰囲気がガラッと変えてしまうだけの力があります。
ここでは、靴の表情を決定する重要な要素、穴飾りの種類とつま先の形について見ていきたいと思います。
その前にまずフォーマルかカジュアルかを議論する上で重要な内羽根式と外羽根式についてお話しておきます。
内羽根式?外羽根式?
(出典:http://www.jmweston.fr/ 左:内羽根、右:外羽根)
左の画像が内羽根式で、右の画像が外羽根式です。
違いがわかりますでしょうか?
内羽根式は、紐を通す羽根の部分が甲と一体化、もしくは下に潜り込んだような形状です。
一方で外羽根式は羽部分が甲の部分の上に乗るような形状で分離しているのが分かりますね。
内羽根式はフォーマルで、外羽根式はカジュアルという当たり前のように言われていることですが、これは一体なぜなのか?
革靴の世界には歴史と伝統があります。
そういった歴史と伝統のある世界には暗黙のルールや決まり事があるので、そういったルールというのは今更覆すことなど出来ず、ただ従うしかないのです。
とはいえきちんとした根拠があって、
内羽根式の革靴のルーツは英国王室にあり、外羽根式の靴は軍人のブーツにあるということからフォーマルな場では内羽根式を、アクティブな場では外羽根式をという一種序列のようなものが出来上がったのです。
穴飾りの種類って?
穴飾りはまず大きく分けて2つあります。
ひとつはトゥキャップに施される飾りで「メダリオン」と呼ばれます。
もうひとつが革の切り替え部分などに施される穴で「パーフォレーション」と呼ばれます。
基本の考えとして、この穴の数が多くなればなるほどカジュアルな雰囲気になっていくということです。
なので、フォーマルな場で使用する靴には極力メダリオンやパーフォレーションのない靴を選ぶというのが定説になります。
キャップトゥ
(出典:http://www.edwardgreen.jp/)
ストレートチップの切り替えに穴飾りが一切なく、ステッチのみが施されているものです。
内羽根式のブラックはフォーマルシーンで使えるように一足は必ず持っておきたいものです。
パンチドキャップトゥ
(出典:http://www.edwardgreen.jp/)
ストレートチップの切り替え部分にのみ穴飾りが施されているものを指します。
ストレートチップからすると格式はわずかに落ちますが、余程のフォーマルな場でもない限りはブラックの内羽根式であれば代用は可能です。
フルブローグ
(出典:http://www.edwardgreen.jp/)
ふんだんなメダリオンとパーフォレーションが施されたウイングチップのことを指します。
スエードなどが使われることも多く、あまりにも装飾的でカジュアル色が強いためブラックでもフォーマルな場では使えません。
(出典:http://www.edwardgreen.jp/)
パンチドキャップトゥにメダリオンとパーフォレーションが施されたものは、ハーフブローグといい、フルブローグに比べてゴテゴテ感が薄くなりスタイリッシュになります。
(出典:http://www.edwardgreen.jp/)
もう少し、シンプルにしたい場合はクォーターブローグでパンチドキャップトゥにパーフォレーションのみでメダリオンを施さないタイプです。ハーフブローグよりもかなりスマートになり、カジュアルな印象はありますが、スーツスタイルでも問題無いレベルです。
つま先の形はどう見ればいいの?
ラウンドトゥ
先がラウンドした最もクラシカルでスタンダードな印象を持つトゥフォルム。甲からトゥにかけてのラインがゆるやかなものほどよりフォーマルに適していると言われます。
スクエアトゥ
トゥの先端を水平にカットしたような四角いトゥフォルム。イタリアブランドの靴ではスクエアトゥがよく用いられており、スタイリッシュな印象が強い。
セミスクエアトゥ
ラウンドトゥとスクエアトゥの中間に位置するようなフォルム。ラウンドトゥほどかしこまりすぎず、スクエアトゥほどモードではなく、洗練されたイメージ。
ポインテッドトゥ
ラウンドトゥの中でも特にトゥの先端が極端に尖ったフォルム。ブーツなどによく用いられているがかなりカジュアルな印象になる。
オーバルトゥ
ラウンドトゥよりもさらに丸みを帯びたトゥフォルムで、全体的にポテッとした印象になるのでスタイリッシュな印象ではないが、年齢が上がるほど人気になる傾向がある。アメリカ系のブランドで多いフォルム。
チゼルトゥ
チゼルとは工具のノミのことで、スクエアトゥの先端を鋭角にカットしたもの。
ジョージ・クレバリーが開発し、広めたフォルム。
革靴の素材「革」を知る
(出典:http://www.artioli.com/)
素材も牛革だけではないのです。スーツの生地の基本がウールであるように革靴の素材の基本は牛革です。
ただ牛革にも種類がありますし、加工もあります。また、牛革以外にも使われる素材があります。
素材の特性を知っておくだけでも靴選びがずいぶんと楽になりますので、しっかり覚えておきましょう。
革靴の表情を決めるうえで大切な「革」
「革」というのは、動物の皮を腐食や変質を防ぐ加工を施すことで「皮」から「革」になります。
この皮から革への加工をなめしといい、皮のなめし方によって仕上がりが大きく変わってきます。
なめされることによって出来上がる革は吸湿性や排温性に優れており、また足の方にそって馴染んでくるので、アッパー素材としては最適と言われます。
革靴を選ぶには、この使われる革によって履き心地や質感が変わってきますし、価格も大きく変わってきます。
素材となる革の知識をつけておくことで、革靴選びがもっと有意義なものになるでしょう。
カーフ(牛革)
生後6ヶ月以内の子牛の皮をなめして仕上げられるレザー。
きめが細かく、しなやかで耐久性も高い最上級のレザーとして使われる。
高級バッグなどにも使われるほど人気が高い。
ステア(牛革)
生後2〜6ヶ月以内に去勢した雄を2年以上太らせながら育てた成牛の革。
カーフに比べるとかなり厚手になり、耐久性も高く、最もよく使われる素材。アッパーだけでなくソールにも使われる事が多い。
キップ(牛革)
生後6ヶ月から2年の牛を指し、カーフよりもやや厚手ではあるが、革のきめは細かくカーフに次ぐ高級レザーとして人気が高い。
スコッチグレイン
型押し加工がされていて、スコッチの原料である穀粒をひいたような模様であることからスコッチグレインと呼ばれます。
革の表面がエンボス加工なので傷がつきにくいのが特徴。
スエード
子牛、ヤギ、羊の革の裏側を研磨して起毛させた革。
カジュアルな靴の素材としてよく使われ、毛足のしなやかな光沢とやさしい手触りが特徴。
ベロア
スエードと同じように革の裏面を研磨して作られるのだが、毛足がスエードよりも短いのがポイントで、よりなめらかな手触りとなっている。
オイルレザー
牛革のなめし加工もしくは仕上げ工程で大量のオイルを含ませたレザー。
撥水性が高く、しっとりとした艶感があり、使い込むことに風合いが出てくる。
コードバン
馬革の尻部分を使用したもので、牛革に比べてかなりきめ細かくなっており、なめらかで擦れにも強い。
光沢感があり、使い込むごとに味わいが変化する。財布などのレザーアイテムにもよく使われる素材。
オーストリッチ
ダチョウの革で羽を抜いたあとが丸く突起しているのが特徴。
軽くて柔らかく、かつ牛革の10倍程度の耐久性があり、とても丈夫なため長期間の仕様にも耐えられる一生ものになり得る素材。
クロコダイル
いわゆるエキゾチックレザーといわれるものの一つで、独特のウロコ模様と光沢感が高級感抜群の素材。
高級バッグやベルトなどでもよく使われているが、生産が難しいため希少価値が高い。
シュリンクレザー
なめし加工の際に特殊な薬品を加える事で革の表面を収縮させたもの。
革の表面に独特のシボが浮き上り、とても味わい深いレザーとなる。
エナメル
表面がつやつやと濡れたような質感になる素材。
エレガントな質感が魅力でフォーマルな場では足元にもよく使われる素材。
国ごとに顕著に現れる伝統的スタイル
(出典:http://www.johnlobb.com/)
革靴は製法、特徴など国によって大きな違いがあります。
代表的な国としてイギリスとイタリアがありますが、同じヨーロッパなのに歴史的背景、文化的背景、環境が違うため靴作りにも必然的に差が生まれるのです。
代表的なブランドも含めて国ごとの違いというのをまとめています。
国ごとに顕著に現れる特徴
革靴には各国それぞれの特徴があります。
代表的なのは、イギリスとイタリアでそれぞれフォルムや作り方など伝統と歴史に支えられた特徴があります。
他にもフランスとアメリカが有名で、日本の革靴も世界中から高級革靴が集まってくるので実は靴作りのレベルが非常に高くなっています。
ブランドも各国でそれぞれ素晴らしいブランドがあり、多くが日本でもかなり名の知れたブランドばかりです。
各国の靴作りの特徴とブランドについて解説していきます。
イギリス 紳士靴をリードしてきた伝統の靴作り
スーツでもそうですが、イギリスという国は歴史と伝統を重んじる国でトラディショナルなくつが多いです。
製法はグッドイヤー・ウェルト製法が主流で、雨に弱いイギリスではマッケイ製法の靴はほとんどありません。
イタリアやフランスのような繊細さはあまり見られないものの、質実剛健といった感じで頑丈で永く履ける靴を得意とし、ビジネスでもカジュアルでも活躍してくれます。
エドワード・グリーン
(出典:http://www.edwardgreen.jp/)
1890年に創業という歴史あるブランドで、上質な靴作りにこだわって瞬く間に人気化します。
しかし、一時期経営が傾いたことをきっかけにアメリカ資本になりますが、これが功を奏し、典型的なイギリス靴のフォルムに洗練されたエッセンスを加味したことで一流ブランドとして大成した経緯があります
ジョンロブ
(出典:http://www.johnlobb.com/)
創業者のジョン・ロブはイギリス王室御用達の職人となるほどの実力者。
1976年にパリ支店が閉鎖された際には、エルメスが店舗と商標権をそっくりそのまま買い取ったほどその技術力は高く評価されるブランドです。
クロケット&ジョーンズ
(出典:http://www.crockettandjones.com/)
創業されてから永きに渡り、多くのブランドやメーカーのファクトリーとして活動してきたが、近年ではオリジナル靴に力を注ぐようになり、人気のブランドとなっています。
機械化による合理化に迎合せず、クラフトマンシップを貫くブランドとして仕上がりの美しさに定評があります。
イタリア 職人魂が奏でるファッショナブルな靴
イタリアの靴はイギリスとは正反対といった感じでフォルムがとにかく美しく、スクエアトゥやノーズの長いスマートなくつが多いです。
大半がマッケイ製法になっていて、質実剛健ではなく流麗華美といった表現が似合います。
イタリアはものづくりの精神をもった職人が多数いるので、アルティジャーノ(靴職人)、また伝説的なマエストロ(巨匠)と言われるスターが作るブランドが多く存在する国です。
とにかくスタイリッシュに靴を履きこなしたいという方にはイタリア靴はおすすめです。
アルティオリ
(出典:http://www.artioli.com/)
政治家や俳優など世界中のセレブから愛されるブランド。
こうしたセレブの要望に応えるため、長時間靴を履いても疲れない、ファッション性の高い靴を作る必要があります。
そのため製法のほとんどはデザインの自由度が高く、軽くしなやかなマッケイ製法になっており、イタリアを代表するイタリア靴を作るブランドとなっています。
シルヴァノ・ラッタンジ
(出典:http://www.silvanolattanzi.it/)
わずか9歳にして靴作りを始めたラッタンジは、独自の世界観を持っています。
ずば抜けた技術力、創造力を持って作られる靴はクラシックからモードまで幅広いデザインを可能とし、ディテールまでこだわり抜いた靴は芸術作品のように美しい仕上がりとなります。
サントーニ
(出典:http://santonishoes.com/)
1977年にイタリアで創業されたサントーニ。歴史としてはまだまだ浅い方ですが、その実力派老舗ブランドにも劣りません。
トレンドを柔軟に取り入れるデザイン力、ハンドメイドの技術力の高さも折り紙つきで、オリジナルのグッドイヤー・アルコッタをはじめ、製法も10種類以上を使いこなしその幅は他のブランドの追随を許しません。
フランス 2極化するデザインスタイル
フランスの靴というのは、ブランドによって完全に2極化しており、J.M.ウェストンやパラブーツのようなどちらかというとイギリスよりのクラシカルな靴作りに専念しているブランドもあれば、御三家ベルルッティやオーベルシー、コルテのように美しいアートのような靴を作るブランドも有ります。
ベルルッティ
(出典:http://www.berluti.com/)
職人であり芸術家でもある一族によって生み出されたベルルッティ。
見ているだけで吸い込まれていきそうな靴はもはや作品と呼べるレベルです。
4代目のオルガが生み出した月の色の移り変わりにインスピレーションを受けた「パティーヌ」という色付け方法は独特の透明感で見る人を魅了します。
オーベルシー
(出典:http://www.aubercy.com/)
イギリスで靴作りを学び、イタリアに工場を作り、そして本国であるフランスの独創性がプラスしたことでイギリスの伝統的なクラシックに、イタリアのエレガンス、フランスのエスプリが混在した多国籍な靴です。
それぞれの国のいいところをとったクラシックでありながらも現代的な靴を作るブランドとして日本でも人気です。
J.M.ウエストン
(出典:http://www.jmweston.fr/)
100年以上にも渡り、伝統的なグッドイヤー・ウェルト製法を頑なに守り続ける伝統あるブランド。
デザイナーにミッシェル・ベリーを迎えてからモダンデザインが増えてきたが、全工程を職人が手作業で行うという文化は継承し、定番モデルも守り続けながら新しいデザインを生み出しています。
アメリカ 合理性を追求するアメリカニズム
アメリカという国は、ファッションもそうですし、家具などもそうですが、機能性や合理性を重視する傾向があります。
靴に関しても、それぞれのブランドごとに特徴はあれど基本スタイルは歩きやすさや履きやすさといった機能面がまず最初でゆったりとした作りと、どちらかというとカジュアルな装いにある靴のほうが多いのが特徴です。
オールデン
(出典:http://www.aldenshoe.com/)
最高品質のコードバンを使い、手作業で仕立てられるその技はアメリカでも数名しかいないと言われる幻の技。
また、問題のある足にフィットして均整回復させる成形法のデザイン分野の先駆者としても知られ、その特殊な開発技術によって足にストレスのかからない靴を開発しています。
アレン・エドモンズ
(出典:http://www.allenedmonds.com/)
アメリカの歴代大統領が初登庁時に履く靴としても知られるアメリカ屈指のブランド。
釘などを使っていないため、足にフィットして柔らかく曲がるため履き心地はオーダーメイドの靴のようです。
番外編 ベルトとの関係
革靴とベルトの色を合わせましょう。
よく聞く言葉だと思います。なぜこんなことを言われるのか分かりますよね?
例えば、お洒落な高級ブランドの黒のプレーントゥを買ったとします。
そこに合わせたライトブラウンのベルトとなると、、、想像しただけでもかなり靴もベルトも浮いてしまってバラバラな姿が想像できるのではないでしょうか。
なので最低でも革靴とベルトの色は合わせるようにしましょう。
可能であれば、その質感も合っていたほうがベストです。質感というのは素材と考えていただけると分かりやすいと思います。
待望のお洒落革靴デビューをするときには、一緒にベルトも購入することを忘れないで下さい。
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