コロニアル様式データ
- 年代:18世紀
- 主な地域:アメリカ
コロニアル様式の解説
アメリカ大陸において、ヨーロッパ各地による組織的な植民地開発が行われた頃の様式です。
コロニアルとは「植民地」という意味で、ヨーロッパからの移民によって母国からそれぞれの伝統様式が持ち込まれました。
イギリスの支配力が強まるにつれて、インテリア様式もクイーンアンスタイルやジョージアンスタイルなどの影響が大きく表れ、コロニアルスタイルはアメリカンジョージアンともいわれるようになりました。
現在でも古きよき時代のアメリカンスタイルとして好む人が多い様式です。
建築
イギリスのジョージアン様式を模倣したものです。
室内装飾
様式の流れからイギリスの影響が強く出ていた前期と、徐々にアメリカらしさを備えつつ洗練されていった後期とに分けられます。
前期(1720~1750)
床は幅広のフローリングを施し、フォーマルな部屋にはオリエンタルラグ、インフォーマルにはフックドラグを敷いていました。回し縁天井、腰羽目板を特徴とし、腰上は壁紙を張りました。また、真鍮やピューター、シルバーなど金属を生活用品に多用しています。
カラーはイギリスバロックの色を抑えたようなローズ、ダスティブルー、アボカドグリーン、ゴールドなどが用いられました。
ファブリックは、ダマスク、ブロケード、タペストリーで、織布は基調であったため、スワッグバランスや椅子張りのみに使用されました。
窓掛けはスワッグ&テール、ギャザーカーテン、またはタイバックで引き分けたドレバリーがインテリアアクセサリーとして用いられています。
後期(1750~1790)
床は洗練された細めのフローリングが施されるようになり、パーケット張りもみられるようになります。壁はイギリス、フランス、中国から輸入した手羽ありの壁紙張りでした。
カラーは中国の影響で赤、青と対比させたゴールドやイタリアルネサンスの色、またはネオクラシックのパステルカラーも用いられました。
ファブリックはコットンプリント、輸入のシルクやコットンのダマスク、プロカテール、ベルベットなどが使われました。
窓掛けは、ダブルハングに布の上飾りで優雅なトリミングを施し、ドレバリーはそのまま垂らすか、タイバックで引き上げるものが多く見られます。
この時期にクラシックエレメントの使い方が洗練されました。
家具
イギリスのクイーンアン、またはチッペンデールスタイルの家具を多用しています。
主な家具にはハイボーイ、ローボーイ、ウイングチェア、キャメルバック・ソファ、ウインザーチェアなどがあります。