- Established: 1919
- Nation:スペイン
- Website:http://www.balenciaga.com/
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バレンシアガ Overview
バレンシアガのイメージって??
(出典:http://www.balenciaga.com/)
バレンシアガ(BALENCIAGA)の印象というと一時的なブームを巻き起こしたバッグですか?
それとも定番化したバッグというイメージでしょうか?
デムナ・ヴァザリアの存在により、今ではストリートブランドの代表格というイメージを持たれている方も多いかもしれません。
日本人の悪いところとして、雑誌や有名人が持ったことで一時的なブームを引き起こして、流行が去った瞬間に「廃れた」といって持てなくなってしまうところですね。
バレンシアガのバッグは、中央のジッパーとエッジについたスタッズのデザインがかなり特徴的なので、一時的なブームに巻き込まれてしまったせいで古いと感じられている方も多いのではないかと思います。
ハイブランドのバッグは流行り廃りが激しく、常に新作が出続けるということもありなかなか定番として定着していくのは難しいのですが、バレンシアガのバッグは十分に定番化したと言ってもいいのではないでしょうか?
少し前のバレンシアガは少し大人の20代後半から30代くらいの女性に人気があり、また、あまりにも有名すぎずシンプルでビジネスにも使えるところが男性人気に火をつけているように思います。
バレンシアガのデザインが気に入ったなら定番なのか、廃れたのかであまり悩む必要はあまりないでしょう。
問題なく定番となっています。
(出典:http://www.balenciaga.com/)
ただ時代の変化というのは恐ろしいもので、シティやファーストのような定番バッグでさえも今ははるか過去の話になっているのが現在のバレンシアガ。
ヴェトモンでラグジュアリーブランド業界に彗星のように現れ、2015年からアーティスティック・ディレクターに就任したデムナ・ヴァザリアによって全く別のブランドに生まれ変わりました。
ストリートとラグジュアリーを融合させ、ラグジュアリーストリートをけん引するブランドとなっています。
特にスニーカーなどはリリースすれば大ヒット必至の注目度で、まさに新生バレンシアガと呼ぶにふさわしい状況になっています。
歴史的にはオートクチュール(オーダー服)のブランド
(出典:http://flungmagazine.com/)
バレンシアガのイメージとしてバッグの事をつらつらと書きましたが、実は元々のバレンシアガというブランドはオートクチュール(オーダー服)のブランドだったというのはご存じですか?
バレンシアガの服というのは、1950年代から60年代にかけて当時ニュールック革命で絶頂期にあったクリスチャン・ディオールと唯一肩を並べられるブランドとして世界で1、2を争うほどの人気を誇っていたのです。
ただ、両者の大きな違いはプレタポルテ(既製服)の機械化によってアメリカで既製服を展開し、大成功を収めたディオールと機械では自分の服は作れないとオートクチュールに絞ったバレンシアガだったということです。
世界で1、2を争うほどだったブランドが現在ではそこまでの地位ではないなと感じられる方がほとんどだと思います。
その理由は、創業者であるクリストバル・バレンシアガの死後、バレンシアガというブランドは空中分解し、一度は存亡の危機にまで至ったからということがあります。
やはりラグジュアリーブランドの多くは創業者の名前を関していることがほとんどで、ブランドを立ち上げた本人がいなくなることでブランドが傾くという事はよくある話です。
バレンシアガもその例外ではなく、瀕死の状態にまで陥ったのです。
バレンシアガのイメージを作りかえたのは誰?
創業者のクリストバル・バレンシアガが作ったオートクチュールブランドのバレンシアガ。
ただ、バレンシアガというのは時代によって、もっと言うとその時のデザイナーによって大きな変革とイメージの変化が起こっています。
その立役者とどういった変革が行ったのかご存知でしょうか?
変革者① ニコラ・ジェスキエール
(出典:louisvuitton.com)
瀕死の状態だったバレンシアガでしたが、たった一人のデザイナーによって息を吹き返します。
現在のバレンシアガ、新しいバレンシアガを作ったのはニコラ・ジェスキエールというデザイナーです。
ニコラ・ジェスキエールという名前、もしかするとどこかで聞いたことがあるかもしれません。
世界一のブランド「ルイ・ヴィトン」において数々のヒットを生み出したマーク・ジェイコブスの後を継いでクリエイティブ・ディレクターになった世界屈指のデザイナーです。
しかし、バレンシアガのデザイナーになったのはまだ26歳の時、はっきりいってこんな若造に務まるのか?という疑心暗鬼の状態からファーストコレクションでセンセーショナルなデビューを飾り、一気に新生バレンシアガを印象づける活躍をしました。
そして、2012年まで15年にも渡りバレンシアガというブランドを支え、トップブランドへと押し戻したのです。
バレンシアガはかなり大人のブランドというイメージだったのが、アバンギャルドで普通じゃ満足出来ないという人にとってもってこいのブランドへと変貌した瞬間でした。
なので、バレンシアガの顔となったバッグもニコラ・ジェスキエールが就任してから発表され、定番となっているシティやファーストといったアイコンバッグも彼の手によるものなのです。
変革者② デムナ・ヴァザリア
(出典:louisvuitton.com)
しかし、このニコラ・ジェスキエールの作り上げたイメージからさらに大きな変化が起こりました。
過去のバレンシアガを知る方からすると、デムナ・ヴァザリアのバレンシアガは全く別のブランドと感じることでしょう。
vetements(ヴェトモン)がオーバーサイズのビッグシルエットやアイキャッチーなレタリングロゴなどを駆使し、ストリートの世界で大きな脚光を浴びましたが、そのデザイナーであるデムナ・ヴァザリアを長い歴史を持つバレンシアガのアーティスティック・ディレクターとして迎えたのです。
デムナはバレンシアガを全く別のブランドへと生まれ変わらせました。
ヴェトモンでもアイコンとなっていたビッグシルエットやSNS映えするようなロゴデザインを送り出し、インフルエンサーやファッショニスタが次々とインスタグラムなどのSNSへ投稿することで若者へと広がっていき、一気にラグジュアリーストリートブランドへと変貌させました。
特にダッドスニーカーと呼ばれる少し野暮ったいデザインのスニーカーが大ヒットし、世界で最も注目されるストリートブランドとなったのです。
(出典:louisvuitton.com)
2019年には自身のスタート地点でもあるヴェトモンを退任し、バレンシアガ一本でいくという宣言をしています。
そして、ストリートとは真逆になるバレンシアガのオートクチュールを半世紀以上ぶりに復活させるという偉業まで成し遂げたのです。
これは、ニコラ・ジェスキエールでも成しえなかったすごいことなのです。
日本でのブームの火付け役は?
(出典:http://www.balenciaga.com/)
実はバレンシアガはグッチグループ(ケリング)の傘下ブランドになっているのです。
2001年にグッチグループを牽引していたドメニコ・デ・ソーレがニコラ・ジェスキエールの抜きんでた才能に目をつけ、バレンシアガを買うというより、ニコラ・ジェスキエールを買うという感じで買収をしました。
そして、2006年に正式に日本にバレンシアガ・ジャパンを立ち上げ次々とショップ展開を行ったのです。
それまでは輸入販売しかなく、手に入れるのが難しかったバレンシアガがとても身近な存在となり、クールで斬新なバレンシアガの人気が日本で爆発しました。
街を歩いているとバレンシアガを持っている人をあちこちで見かけるようになり、いわゆるブームとなっていったのです。
日本での売上を全世界の1/4まで増やすという目標があったため、当時のブランド戦略としてはブームの到来というのは成功ではありますが、右に習えの日本において必ずしもブームが来ることが成功とはいえない側面もありますね。
持つときも右に習えですが、捨てるときも右に習えになりますから・・・
こうして見てみるとバレンシアガというブランドもなかなかおもしろいブランドということが分かります。
ラグジュアリーブランドというのは長い歴史があり、その歴史の中で様々な苦難に直面し、それを乗り越えたブランドだけが今も残っているというわけです。
バレンシアガは今また注目されています。
ニコラ・ジェスキエールの後を継いだアレキサンダー・ワンは、2年で契約解除になりましたが、次のアーティスティック・デザイナーに就いたデムナ・ヴァザリアは、ヴェトモンでの活躍が知られる人物。
(出典:http://www.balenciaga.com/)
2015年の就任から、わずか数年でバレンシアガがストリートで主役になるほど、ストリートファッションにムーブメントを巻き起こしています。
デムナワールドともいえる全く新しい世界観をバレンシアガで表現し、ラグジュアリーストリートの中心となりました。
メゾンブランドとして歴史あるバレンシアガに対して、賛否両論もあるのは事実ですが時代は変わっていくものなのでこうした変化も非常に面白いですね。
今後もどんなコレクションが展開されていくのか楽しみが尽きません。
この記事を監修しているのは?
ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門
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