サローネ・サテリテ・アワードとは?
サローネ・サテリテ・アワードとは、世界最大規模の家具見本市ミラノサローネにて1998年から始まった若手デザイナーの展示スペース「サローネ・サテリテ」のなかで優秀な若手デザイナーを発掘するために順位をつけてアワードを与える試みです。
サテリテ開始から13年目の2010年から始まったサローネ・サテリテ・アワードは、35歳以下の若手デザイナーを対象とし、そのデザイナーのもつ感性がデザインに如何なく表現され、かつ実用的なデザインであるということが評価の視点になります。
こうした審査から1位から3位までが選ばれ、ここで選ばれたデザイナーはその先の将来が約束されたようなものとなります。
サローネ・サテリテってどんな位置づけ?
ミラノサローネの展示会場の中でフィエラ見本市会場内で世界各国の若手デザイナーが自らブースを構え、未発表作品を展示する特別イベントです。
ミラノサローネ会場へは通常は有料での入場となるのですが、サテリテ会場にだけは無料で入場することができ、大手ブランドの大規模でお金をかけたインスタレーションとは全く違った、どこか学園祭的雰囲気が味わえるところが特徴的です。
こうした雰囲気が好きな人が多く、またこれから台頭してくるであろう期待の若手がここから多数巣立っていっていることを考えると自分の目で次世代のスターデザイナーを発掘するというのは非常に楽しみではあります。
日本人デザイナーの活躍
このサローネ・サテリテに参加するのは30カ国前後から1000人弱くらいのデザイナーやアートスクールが出展し、大体ブースとしては150前後が展示されます。
この中で日本人デザイナーというのは10%にあたる15ブースくらいを展開しており、それなりに参加率は高いと思います。
2010年の第1回のサテリテ・アワードを受賞したのが日本人デザイナーの田村奈緒です。
葉っぱをモチーフにしたシリカサンドのお皿を展示し、見事に1位を獲得したのです。
実はこのサテリテ・アワードが始まる以前にもサテリテに展示された作品のなかで優秀な作品には「design report award」というものが贈られており、2005年の最優秀賞にはトネリコの「Memento」が選出されています。
こうした世界を舞台にした若手の登竜門において日本人デザイナーがトップの成績を残すというのはとても素晴らしいことだと思います。
田村奈緒はこの後もレッド・ドットデザイン賞やiFデザイン賞など世界でも権威のあるデザイン賞を受賞していますし、アルテックの「スツール60」のアニバーサリーモデルのデザインやエスタブリッシュ&サンズとのコラボレーションなど活躍を続けています。
トネリコは最優秀賞受賞のMementoがカッシーナより製品化されました。