プリンス・フィリップ デザイナー賞とは?
プリンス・フィリップ デザイナー賞は、1959年に第2次世界大戦後の緊縮財政への対策としてプリンス・フィリップによって創設され、当初はエレガントなデザインを讃えるエジンバラ公爵の賞として広まりました。
1950年代後半は、機能的な製品が主流となっている中で、より上品で優雅なデザインに対して報奨を与えることでエレガントなソリューションの活性化を刺激することが目的でした。
それ以来、プリンス・フィリップ・デザイナー賞は、日常生活に影響を与えるプロダクト、グラフィック、建築物の偉大な作品をデザインしたデザイナーに対して最高の報奨を与えることに重点を置いてきました。
1959年、最初の年は狭いキッチンにも収まる独創的なミニマル冷蔵庫をデザインしたチャールズ・ロングマンが受賞しています。
イタリアやドイツではコンパッソ・ドーロやiFデザイン賞、レッド・ドット賞など歴史が深いデザイン賞がありますが、イギリスにおいては最も歴史あるデザイン賞となります。
1990年からは、デザイナー自身の永続的な社会への貢献をより強く意識するようになり、ジェームズ·ダイソン(1997)、ケネス·グランジ(2001)、テレンス·コンラン(2003年)、ノーマン·フォスター(2004)、トーマス・へザウィック(2006)といった英国デザインを支える主要なデザイナーが選ばれています。
エジンバラ公爵自身が審査員を務め、品質、独創性、商業的成功などを加味してその選定を行っています。
受賞者は、フィリップ王子から直々に署名がされた証明書を受け取り、特別表彰を授与することが出来るという大変名誉ある賞になります。
エジンバラ公自体は2011年に英国デザインの発展に十分に寄与したとして、この賞の審査から辞任しています。
イギリスのデザイン賞としては1959年から50年以上続いた最も歴史あるデザイン賞でしたが、2011年にその役目を終え、終わってしまったというのは残念ではありますが、これまでの受賞者にとってその名誉は色あせることがなくすばらしい栄光として輝いていくことでしょう。