カイ・フランク・デザイン賞とは?
カイ・フランク・デザイン賞は、1992年に創設された「フィンランドデザインの良心」とも言われたカイ・フランクの精神を受け継ぎ、工業デザインの分野で革新的な仕事を成し遂げたフィンランドのチームやデザイナー、もしくはフィンランド国内で働くものに授与されます。
装飾的なデザインというよりも、日常使用にふさわしく機能的で、かつ美しい意味を持った製品というのが選ばれる選定の対象です。
これはカイ・フランクのデザインがこうした機能美をモットーにした作品であったため、彼の魂を受けつぐ作品に対して贈られることを意味しています。
運営はどこが行っているの?
フィンランド・フェア財団が出資したデザインフォーラムフィンランドによって運営されており、応募の受付によって選定されるわけではなく審査員によって選定が行われます。
そして、毎年11月のカイ・フランクの誕生日付近で受賞者が発表され、紹介されます。
この賞の賞品は、10000ユーロのキャッシュとタピオ・ジュノによってデザインされたカイ・フランクメダルの授与、そして展示会への作品の展示が行われます。
歴代の受賞者はどんな人?
1992年の初代の受賞者は、鳥をモチーフにしたガラス細工がとても有名なOlva Toikka(オイバ・トイッカ)が受賞しています。
近年では2014年に現在のフィンランドデザイナーの筆頭ともいえるハッリ・コスキネンが受賞しています。デザインハウス・ストックホルムの「ブロックランプ」やコンパッソ・ドーロも受賞している素晴らしいデザイナーですね。
他にも2008年には「ボールチェア」や「バブルチェア」でおなじみのエーロ・アールニオも受賞しており、そうそうたる面子が揃っていますが、フィンランドを代表するようなデザイナーは一通り選ばれているような印象です。
また、このフィンランドのカイ・フランク・デザイン賞を日本人デザイナーも受賞しています。
マリメッコやアラビアなどのコラボレーションで活躍している石本藤雄です。
こうしたフィンランドの著名デザイナーたちの中で日本人デザイナーが混じっているいるというのはとても異色のことですが、非常に誇らしいですね。