レッド・ドット・デザイン賞とは?
レッド・ドット・デザイン賞とは、ドイツのエッセンにあるノルトライン=ヴェストファーレンデザインセンターガ主催している国際的なデザイン賞で世界的に見ても非常に権威ある賞とされています。
1955年に創設された以来、イタリアのコンパッソ・ドーロ賞や同じくドイツのiFデザイン賞などと並び60年以上もの歴史を持つ由緒正しきデザイン賞です。
応募はデザイナーとメーカーからの応募を受けつけており、年に一度行われるセレモニーにおいてその表彰がオこなれます。
どんなカテゴリーで選ばれてるの?
ジャンルとしては3つのジャンルにおいて構成されており、いちばん歴史があるのがプロダクトデザイン賞、そしてコミュニケーションデザイン、デザインコンセプトと分けて受賞選定が行われます。
プロダクトデザイン
家具、家電機器、機械、自動車、道具などいわゆる工業デザインの分野にて選定が行われます。
家具では、このプロダクトデザイン賞に該当するものがほとんどで近年では、オラ・イトがデザインした「Ora-Ito Table」、アルペールの「Saya」、ウォルター・ノルの「Foster520」、リーン・ロゼの「PLOUM」などが選ばれています。
また、プロダクトデザインの中ではレッド・ドット:デザインチーム・オブ・ザ・イヤー(red dot: design team of the year)」というチームとして世界にインパクトを与えたデザインチームに対して贈られるチーム賞もあります。
この賞は1991年より行われ、毎年1チームが非応募型で選ばれるので、このデザインチーム・オブ・ザ・イヤーに選ばれるということは大変名誉なことになります。
このチーム・オブ・ザ・イヤーにはアップル、ノキア、フィリップス、BMWなど世界の名だたる企業が名を連ねていますが、2000年には日本のソニーも選ばれています。
また、家具デザイナーということでは、ミケーレ・デ・ルッキのデザインチームが1997年に受賞しています。
コミュニケーションデザイン
1993年からはコーポレートデザイン、広告、インタラクティブ・メディアまたはサウンドデザインの分野での功績に対して授与されているコミュニケーションデザインというジャンルが加わり、さらに2008年からは「レッド・ドット:デザインエージェンシー・オブ・ザ・イヤー(red dot: design agency of the year) 」というデザインの功績が全部門にまたがって影響を与えたようなデザイン事務所や通信機関に対して授与されています。
2008年の第1回は「Strichpunkt」ガ受賞し、その後は「KMS TEAM」、「BBDO」と続いています。
デザインコンセプト
最も新しいジャンルとなり、2005年という他の2ジャンルと比べると比較的最近になって出来た賞です。
デザインコンセプトやアイデア、ビジョンといった抽象的なものを評価する賞で、このコンペティションは世界中の若くて将来有望な創造性あふれるタレント、デザイナーおよびデザイン会社を世に送り出すために創設されたものです。
どうやって評価しているの?
レッドドット賞は非常に権威ある賞なので年々その応募数は増加傾向にあり、過去2年以内に製品化されたデザインを対象として近年では毎年50カ国以上の国から10000を超えるような応募が集まります。
こうして集まったデザインに対し、その革新性、機能性、人間工学、エコロジー、耐久性といった9つの観点から20名以上の専門的な審査員によって選定が行われます。
大体500点くらいがレッド・ドット賞として選定され、そのうち最も優れたデザインには「ベスト・オブ・ベスト」が贈られますが、ベスト・オブ・ベストに選ばれる製品というのは各カテゴリに1つか2つ程度なのでとても敷居が高く、簡単に取れるものではありません。
※カテゴリは、各ジャンルの中でも細かく分かれており、例えばプロダクトデザインだと家具、電化製品、機械、バスルーム、車、オフィス用品、コンピュータ、照明など細分化されています。
なのでベスト・オブ・ベストは大体年間で30~50くらいの製品が選ばれます。
そして受賞したプロダクトは、「レッド・ドット・デザイン・ミュージアム」に最低でも1年間は展示されることになっています。
家具の中でもレッド・ドットデザイン賞受賞というのをよく見かけますが、ベスト・オブ・ベストかレッド・ドット賞かでその価値も違います。
気に入った家具であれば、特にどんな賞を受賞しているかというのは気にする必要がないとは思いますが、世界的な評価というのは家具を選ぶ上でのひとつの目安にはなると思います。