シカゴ・アテナイオン博物館 グッド・デザイン賞とは?
コンパッソ・ドーロが1954年、iFデザイン賞が1953年、レッド・ドット・デザイン賞が1955年ということを考えると1950年から始まったシカゴ・アテナイオン博物館が主催するグッド・デザイン賞は実は世界でも最も歴史あるデザイン賞といえます。
MoMA(ニューヨーク近代美術館)、シカゴのマーチャンダイズマートとの間のパートナーシップにより始まったこの賞は、「家庭用家具モダンデザインの新しいカタチを」というコンセプトのもとに革新的で最先端の工業デザインのためのアワードプログラムです。
MoMAのエドガー·カウフマン·ジュニアがチャールズ&レイ·イームズ、ラッセル·ライト、ジョージ·ネルソン、およびエーロ·サーリネンといったモダンデザインの先駆者たちとともに立ち上げました。
今では50以上の国から応募があり、ペーパークリップからボーイング787やNASAの宇宙船にいたるまで、革新的なデザインにおいて40000以上もの作品がグッド・デザイン賞を受賞しています。
1950年にモート・ゴールドショールによってデザインされた正方形に黒ドットのロゴは、自社の製品やグラフィックデザインが、国際的な最高基準を満たしていることを証明するマークとして機能しています。
日本でも財団法人日本産業デザイン振興会が運営する「Gマーク」がグッドデザイン賞と呼ばれていますが、全く別物で権威という点で考えれば、レッド・ドットデザイン賞やiFデザイン賞と同じくらい世界的に価値が高い賞になります。
どうやって選出されるの?
1月のシカゴの見本市、6月のサマーマーケット、11月に開催されるシカゴとサマーマーケットに基づくショーという毎年3回の見本市の中で選定されます。
1950年の最初のショーでは、フィン·ユール、ポール·ルドルフ、アレクサンダー・ジラードの助けを得て、チャールズ&レイ・イームズが5300フィートものインストレーションを行いました。
審査は革新的なデザイン、新技術、フォルム、素材、アーキテクチャ、コンセプト、機能、審美感などの面で1950年のプログラムで確立された基準にのっとって専門の審査員によって審査されます。
どんなメリットがあるの?
グッド・デザイン賞を受賞することで、製品のパブリック・シンボルとしてマーケティング、出版物、プロモーション、キャンペーンでシカゴアテナイオン博物館のグッドデザインロゴを使用することに対してライセンス契約を結ぶことが出来ます。
このシンボルは世界的にも高い評価を得ていますので、このシンボルがついているということが信頼の証になります。
また、12月には国際的なプレスにおいて発表されることで認知度の向上にもつながり、MoMAにパーマネントコレクションされ展示されます。