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名作データシート

• 作品名： SE18（SE18）
• 発表時期：1953 年
• デザイナー： Egon Eiermann（エゴン・アイアーマン）
• ブランド： WILDE + SPIETH（ワイルドアンドスピース）

（出典:http://www.wilde-spieth.de/）

長年愛される普遍的な美

数々の建築作品でドイツ近代建築の礎を築いたエゴン・アイアーマン。
そんな彼が1953年にブリュッセルで開かれた世界博覧会でドイツ・パビリオンを依頼された時にデザインしたチェアがSE18フォールディングチェアです。
この作品は、MoMAのグッドデザインアワードを受賞しており、第10回ミラノトリエンナーレでも高い評価を受けた名作チェアです。
発売から10年で9000脚以上が販売され、現在でもそのフォルムは一切変わらず、高い人気を誇っています。

ドイツでは、戦後フォールディングチェアに積極的だったイタリアやスイスとはちがい、あまりフォールディングチェアの開発には力を入れていませんでした。
そんな環境の中、アイアーマンはドイツの中で他のデザイナーに先駆けてフォールディングチェアに注目し、開発に取り掛かり1946年時点で既にSE18の原型となるようなモデルを開発していました。
そして、この研究の成果が1953年の世界博覧会で花開いたということになります。

素材は背もたれと座面はプライウッドで、脚は無垢材、接合はスチールを組み合わせてあり、プライウッドならではの柔らかい曲線で快適な座り心地を生み出しています。
また、折りたたんだ時ピンと真っすぐになる姿が非常に美しく、数脚重ねるとそのラインは更に美しさを増します。
これは、背もたれと座面の絶妙なカーブが座り心地だけでなく、折りたたんだ時のラインまでも計算されているからでしょう。

60年以上経った現在でも実用性テストにパスしており、アイアーマンの設計がいかに完璧であったが伺えます。
フォルムを一切変えることなく、長年に渡り人気を維持し続けることが出来るのは、どのような時代でも変わらない普遍的な美がこのチェアにあるからだと思います。
現在では、ドイツのワイルドアンドスピースで製造・販売されています。

この記事を監修しているのは？

高級家具・インテリアリサーチ部門

元建築家や現役インテリアコーディネーターや家具販売店員で編成。
国内外の高級家具やブランドなどを徹底的にリサーチし、定番からまだ見ぬブランドや家具を発掘しています。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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