バルセロナ現代美術館とは?
バルセロナ現代美術館は、Museu d’Art Contemporani de Barcelonaの略としてMACBA(マクバ)の愛称で親しまれる現代美術専門の美術館です。
1995年に開館したので、まだ歴史的には浅く、若干コレクション数に乏しいところはありますが、20世紀後半のスペインの作品を中心に展示されており、他にも南米や北アフリカのアーティストの作品などが並びます。
展示は半分は美術館のコレクションとして常設展示され、残り半分は5ヶ月ごとに入れ替えが行われています。
建物は、アメリカ人の建築家リチャード・マイヤーの設計で白を基調とした建造物はバルセロナを代表する近代建築ともいえますが、場所が旧市街のラバル地区でもともとは美術館の設置で街の活性化を狙っていたのですが、思った通りにはいかず少し街並みとしては残念な場所にあるといった印象はぬぐえません。
内装も白で統一され、非常にクリーンで開放感のある雰囲気ですが、展示数がそれほど多くないことからかなり閑散とした印象になっているのでもう少し展示を充実させてほしいというところではありますね。
まだ開館して20年程度なので今後の発展に期待といったところでしょう。
MACBAの歴史
MACBAの構想に関しては実は1959年までさかのぼります。
美術評論家の Alexandre Cirici Pellicerがコンテンポラリーアートの美術館を創設するというアイデアを持っていました。この頃から、CiriciとCesáreo Rodríguez-Aguileraは、将来の美術館開館のために基礎となるコレクションを収集するようになりました。
しかし、このときには政治的要因などで結局美術館開設までには至りませんでした。
その後、時を経て1985年にカタルーニャ政府の文化議員Joan Rigolによってバルセロナ議会で現代美術館のアイデアが取り上げられ、カサ・デ・ラ・カリタで美術館を建築することが決定しました。
そして、その建物の設計をリチャード・マイヤーに依頼したのです。
1987年には財団が設立され、1995年に正式にオープンすることになりました。
Ciriciの構想から実に30年以上の歳月が経っていましたが、こうして彼らの想いは現実に実を結んだのです。
バルセロナにはダリ美術館やピカソ美術館、カタルーニャ美術館など他にも美術館がありますが、現代美術という点ではやはりMACBAだと思います。
建物自体も近代建築として秀逸ですので、近くによった際には立ち寄ってみてもよいのではないでしょうか。