ローマ国立近代美術館とは?
ローマ国立近代美術館は、1883年にイタリアのローマで創設された近代・現代専門の美術館です。
Galleria Nazionale d'Arte Modernaを略してGNAMと称されることが多いです。
ボルケーゼ公園の北西にある建物は、17世紀に建てられただけあってとても壮大な建物になっていますが、近代・現代専門の美術館の建物という点では、少し似つかわしくない雰囲気であることも確かです。
ただ、中に入ると外観の雰囲気とはうって変わって斬新なスペースでコンテンポラリーアートが展示されています。
ある意味のこのギャップが楽しいのかもしれません。
エントランスホールを入ってすぐにホワイトの床がグチャグチャに割れていて驚きますが、これ自体がアート作品となっており、こうした来館者を驚かす発想も面白いですね。
コレクションは、ローマにある美術館だけにイタリア人アーティストの作品がほとんどで、ジョルジオ・デ・キリコの12作品を始めとして、セガンティーニ、ファットリ、モディリアーニ、アイエツ、マンズー、カノーヴァ、モランディ、フォンタナ、デ・ピシスなど19世紀以降の作品と現代アートがメインになっています。
また、イタリアはモダン家具の本場なので家具エンツォ・マーリの家具なども展示されています。
イタリア人以外の作品でもクリムトの1905年の大作「三世代」、ドンゲンの「白い婦人」、セザンヌの「ジュールダンのキャビン」、ロセッティの「ウィリアム・モリス夫人の肖像」、クールベ、ドガ、モネ、ゴッホ、モンドリアン、サージェント、ブラック、ジャコメッティ、ポロック等世界的に有名な作品が多数展示されており、特にクリムトはローマ国立近代美術館の目玉となっています。
近代・現代美術という観点では、イタリア国内では最高のコレクション数を誇り、カフェなども併設されており、ゆったりと近代アートを楽しむにはもってこいの美術館です。
ただ、如何せんイタリア美術がメインというところもあってMoMAやポンピドゥーセンターなどの世界トップクラスの近代美術館と比べてしまうとコレクション的にも見劣りしてしまうところがあると思います。