ハンブルク美術工芸博物館とは?
ドイツのハンブルクにあるハンブルク美術工芸博物館は、MKGの愛称で親しまれ、中世から現代までの世界の美術工芸品を所蔵している美術館です。
工芸品や古楽器、絵画などの様々な歴史的な芸術作品からグラフィックデザイン、最新のプロダクトデザインまで幅広く展示してある美術館で伝統的なアートとインダストリアルデザインが融合したユニークな美術館といえます。
フロアは3つからなり、もっとも有名なのはアールヌーボーのコレクションです。
ドイツのアールヌーボーだけではなく、フランス、イギリス、オーストリア、ベルギーといったヨーロッパ各地の美術作品が展示されているので、ヨーロッパの歴史的な様式の変化、地域ごとの違いを見る上でも非常に楽しめます。
日本のコレクションも充実しており、茶室まで館内に備えられており、茶道のデモンストレーションまで開催されているほどです。
MKGの歴史
ハンブルク美術工芸博物館は、1866年にゲゼルシャフトによって「美術と工業製品の博物館」と呼ばれる美術館が構想され、その目的としては、アーティストや工芸家、インダストリアルデザイナーの素晴らしいデザインを歴史的作品や現代的な作品を関係なく同じ美術館の下に集めることでした。
1877年に創設ディレクターとなるユストゥス・ブリックマンによってゲゼルシャフトのアイデアが現実のもととなり、ハンブルグに「Museum für Kunst und Gewerbe」が創設されました。
Museum für Kunst und Gewerbeという名称からMKGの愛称で親しまれるようになります。
博物館は一般市民の間にも浸透し、ハンブルグの富裕層からその成長を加速させるように歴史的、文化的に価値ある品が寄贈されました。
そして、展示会への展示品として博物館から多くの作品が貸し出されるようになり、美術館の存在意義はますます高まっていきました。
次の世代Max Sauerlandtがディレクターを務める時代では、人類の創造から4000年の歴史に着目し、そのコレクションを追加し、さらに当初のコンセプトである「美術と工業製品の博物館」から現代アートの収集も推し進めました。この時代はちょうど第2次世界大戦にあたり、1937年にはナチスの芸術政策によって250点もの作品が押収されているのは残念なことです。
第2次世界大戦の終了後には、電子カタログとコレクションを構築しました。
1879年から開始されたMKG美術工芸フェアでは、職人やプロダクトデザイナーと直接対話できる非常に重要なイベントも開始されています。
MKGのコレクションについて
MKGのコレクションは世代をこえて収集され続けてきました。
現在では50万を超えるコレクションを所蔵している巨大な博物館となっています。そのコレクションは、人類の歴史4000年からなり、古代から中世、古典主義、バロック、ルネサンスから現代アートと連なっており、コレクションの幅という意味ではこれを超えるものはなかなかありません。
1872年にセーブルの王室磁器メーカーから受け取った最初のブイヨンカップから始まって以来、寄贈、ギフト、購入を通じて一貫して成長を遂げてきました。
MKGのコレクションは、非常に国際色豊かでヨーロッパと東アジアの芸術を統合しています。キリスト教、仏教とイスラムという3世界の宗教ですら統一しています。
さらに、この博物館はグラフィックデザイン、ポスターアート、写真、ファッションとテキスタイルといった総合的なコレクションを特徴としています。
ドイツの誇る古典から現代までのコレクションを誇る非常にユニークな美術館は、見ておいて損はないほど素晴らしい作品で溢れています。
特にアールヌーボーコレクションは世界最大級なのでぜひ一度足を運んでじかにふれてみてはいかがでしょうか。