ヴィクトリア＆アルバート博物館とは？
ヴィクトリア＆アルバート博物館は、イギリスのロンドンにある1500年～1900年のイギリスの伝統的な美術作品と現代美術を中心として、陶磁器、家具、衣装類、ガラス細工、宝石、金属細工、写真、彫刻、織物、絵画、変わったところではイギリスを代表するロックアーティスト達のコスチュームなど400万点以上もの作品が収蔵されている国立博物館で世界でも並ぶものがないほどの最大規模の博物館です。
名前にあるとおり19世紀のイギリス大英帝国時代の女王ヴィクトリア女王とその夫アルバート公がその基礎を築き、「V＆A」の愛称で親しまれています。
ベスナル・グリーンには、分館であるV＆A子供博物館も存在しています。
V＆Aの歴史
ヴィクトリア＆アルバートという名前はついていますが、イギリス王室のコレクションを基にしているわけではありません。
イギリスの工芸品やインダストリアルデザインの質を高め、イギリスの工業文化の発展を図るための博物館として構想され、1851年のロンドン万国博覧会の大成功を機に、その収益や展示品を基にして、1852年に産業博物館として開館しました。このときに総合的な指揮をとったのがアルバート公で、水晶宮と呼ばれる会場には世界中から人が大挙して集まったといいます。
1857年には現在のサウス・ケンジントンに移転し、サウス・ケンジントン博物館と名称を変更しています。
1899年になって現在の名称「ヴィクトリア＆アルバート博物館」に名称が変更され、1909年になって現在の建物が竣工しています。
V＆Aの多様なコレクション
V＆Aには実に多様なコレクションが展示されています。
一番人気の展示室はファッションエリアで1600年から1800年にかけての生地コレクションは世界最大級で世界中の展覧会で利用されています。歴史的なドレスだけではなく、ヴィヴィアン・ウエストウッドやアレキサンダー・マックイーンといった最新のファッションシーンを牽引するようなブランドのコレクションも展示されています。
そして有名なのが、ステンドグラスです。
古代から現代にかけてのステンドグラスが展示されており、装飾品としてだけではなくキリスト教やユダヤ教といった宗教のメッセージも含まれており、時代背景と宗教的歴史もステンドグラスの装飾から読み解くことが出来ます。
自然光を使って、様々な色を反射させ描かれる技法は現代のアーティストのインスピレーションの元になるものでもあり、非常に美しい展示室となっています。
宝石のコレクションも非常に充実しています。
過去から現代に至るまでのヨーロッパにおける宝飾品のコレクションはきらびやかな輝きを放ち、見ているだけでも心を奪われてしまうほどの美しさを放っています。
世界各国からイギリス王室に贈られたような至高のアクセサリーも多くあり、その美しさは他ではなかなかお目にかかることは出来ません。
この部屋だけは撮影禁止ゾーンとなっています。
そして、忘れてはいけないのは家具コレクションです。
当サイトで紹介している名作家具でも度々V＆Aにパーマネントコレクションされているという表現が出てきますが、20世紀になってヨーロッパのモダン家具のコレクションもV＆Aに追加されています。
20世紀は政治的、社会的に大変動が起きた時期なので家具デザインも時代背景を顕著に表しています。
20世紀を代表する名作家具が数多く収蔵されており、非常に素晴らしい展示室となっています。
非常に歴史のある博物館で古代から現代美術まで膨大な数のコレクションが取り揃えられています。
イギリスはかなり遠いですし、すべてを見て回るのはかなり大変ですが、ぜひ一度足を運んでみてください。
