サンフランシスコ近代美術館とは?
サンフランシスコ近代美術館は、1935年にアメリカ西海岸最初のモダン&コンテンポラリーアート専門の近代美術館として創設されました。
サンフランシスコ近代美術館は、その歴史において革新的で挑戦的な芸術作品を擁護し、また近代の巨匠と若いデザイナーの革新的な作品をともに展示するように努めています。
当初開設してからの60年間は、シビック・センターの戦没者記念ビルの上階を使用しており、開館から40年経った1975年には「近代美術館」として世界でも十分な地位を確立するまでに至っています。
そして、1995年に大規模改修と増設を行うために現在のヤーバ・ブエナ・ガーデンに隣接した現在の場所に移転し、建築家マリオ・ボッタがデザインした現在の特徴的な建物となりました。
そして、このタイミングで現在親しまれている「SFMoMA」という愛称呼ばれるようになりましたが、このSFMoMAというのはニューヨーク近代美術館(MoMA)との区別のために付けられたものです。
コレクションとしては、2万6000点もの作品を所蔵しており、20世紀のモダンアートや写真を中心に、ヨーロッパの絵画や彫刻が展示されています。
作品の中には、マティスやクレー、ミロ、ピカソ、フリーダ・カーロ、ジャクソン・ポロック、リチャード・ディーベンコーン、マルセル・デュシャン、アンセル・アダムスなど現代美術の巨匠の作品が多数並んでいます。
SFMoMAの特徴的な建築
SFMoMAは近代美術館としても有名なのですが、その建物自体もとても印象的であり、有名な建築物となっています。
マリオ・ボッタが設計したその建造物は、まるで大聖堂のようです。
彼自身がう「現代都市では、美術館がかつて大聖堂の果たした役割を担う。」と語っており、実際に美術館に祈りをささげに来るわけではありませんが、サンフランシスコ現代美術館は荒廃した貧民街であったマーケット街南側一帯の大規模な再開発の総仕上げにあたる建築でした。
再開発地区は新美術館にくわえ、筋向かいにイェルバ・プエナ・ガーデンズ総合芸術センターも開館するなど、ハイテク・ビルが林立し、流行の尖端をゆく文化の中心地となったことは確かです。
段々になった5階建てのまるで要塞のような建物の中央には、白黒の縞模様を斜めに切った円筒の天窓つきの灯りとりです。この灯り塔が中世の大聖堂に設けられたものと非常に酷似しています。
そして、この中央のシンボルがなければ、ほとんど窓もない外観は本当に要塞のように無機質な質感になっていたかもしれませんが、レンガ細工を施し、斜めに切ったこの中央のシンボルが美術館全体に神秘的な雰囲気をまとわせ、美しいアートのような建造物に仕立て上げています。
そしてこの灯り取りのための塔は、美術館の中に入ったときにさらにその真価を発揮します。
最長40m以上にも達するその円形から陽の光が降り注ぎ、アトリウムをとても明るいスペースにしてくれています。
美術館最初のサイト運営
SFMoMAのウェブサイトは、1995年に開設され美術館の運営するサイトとしては最初ともいえるものでした。
開設以来、革新的なデザインだけではなく、デザインアワードを受賞した作品のキュレーションや教育プログラムなどオンライン分野でのリーダーシップを発揮してきました。
現在のサイトは2008年にオープンしたもので、数千もの美術作品、展示会情報、アーティストに関する情報など膨大な情報をサイト訪問者が簡単に参照できる仕組みを備えたものになっています。
西海岸最初の現代美術館として、世界的にも地位を築くサンフランシスコ近代美術館は、その展示作品だけではなく、建物自体もアート作品としての価値を持っています。
ウェブサイトにも力を入れているので、まずはオンラインでチェックして、世界の現代美術の最先端を見学に行きましょう。