ポンピドゥーセンターとは?
ボンピドゥーセンターは、国立美術館、産業創造センター、音響音楽研究所IRCAM、公共図書館が入っている複合施設です。
国立美術館は、ルーヴル美術館、オルセー美術館と並んでパリの三大美術館とされています。ざっくりと言えば、所蔵作品は、古典美術がルーヴル、近代美術がオルセー、現代がポンピドゥーという分類になっています。
フランス語の正式名称は、”Centre national d'art et de culture Georges-Pompidou”で直訳するとジョルジュ・ポンピドゥー国立美術文化センターとなるが、ポンピドゥーセンターとして呼ばれることが一般的です。
このポンピドゥーというのは変わった名称だと思われるでしょうが、フランス第五共和政の第2代大統領で、現代芸術の擁護者でもありこの施設を発案したジョルジュ・ポンピドゥーにちなんで名づけられました。
1977年に開館されたのですが、パリ中心部に現代美術や音楽、ダンス、英語といった芸術の拠点を創るという構想のもとに計策され、レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースが設計しました。
2010年には分館としてフランス北東部の都市メスにポンピドゥーセンター・メスが開館していますが、日本人建築家の坂茂とフランス人建築家ジャン・ドゥ・ガスティーヌの共同案がコンペに優勝して採用されています。
国立近代美術館は、1906年以降のモダン&コンテンポラリー・アート作品を約6万点所蔵しており、世界的に見ても現代美術館としてはかなりの規模です。
また、図書館は1万m²の広さを誇り、35万点の蔵書をもち無料で誰でも利用できます。ほかにも独創的なラインナップが人気の映画館や、子供が楽しみながらアートに親しめる「子供のアトリエ」など、芸術の街パリの芸術・文化の発信基地となっています。
ポンピドゥーセンターを象徴する独特の建物
ポンピドゥーセンターの特徴としては、その外観も非常に大きな部分です。
透明チューブ状のエスカレーターやガラス面で構成された外観、カラフルなむき出しの梁がはりめぐらされた奇抜なデザインは非常に前衛的で、建物自体がすでに芸術作品といえる域に達しています。
1971年の国際コンペの結果としてレンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースの案が採用されました。
ジャンフランコ・フランキーニやピーター・ライスなども協力して設計された建物は、重さを支える柱などの構造や、建物の共用部分である電気・水道・空調などの配管、階段・エスカレーターも外部にむき出しになっているという特異な外観をしています。
そのおかげで内部空間は広々とした空間を活用することが出来るようになっており、様々な展覧会などに対応できるフレキシブルな空間を有しています。
ポンピドゥーセンターのコレクション
ポンピドゥーセンターのコレクションで最も特筆すべきなのは、ヨーロッパ最大規模の近代絵画のコレクションでしょう。ピカソ、カンディンスキー、シャガール、マティス、ミロ、ダリ、レジェ、クライン、デュビュッフェといった近代巨匠の名作ガ取り揃えられています。
さらにビュレン、ウェドマー、ガルースト、トゥオンブリー、ボルタンスキーといった現代造形アーティストの作品やアンディウォーホルといったピップアートの旗手の作品など近代から現代にかけてのアート作品もそろっています。
そして、家具、インテリア、建築も見逃せません。
フランスを代表する建築家、デザイナー フィリップ・スタルクの作品など現代的なモダン家具の名作も多数展示されています。