ヴィトラ・デザイン・ミュージアムとは?
ヴィトラ・デザイン・ミュージアムは、スイスに拠点をおくインテリアブランド ヴィトラがドイツにある工場敷地内のヴィトラ・キャンパスに1989年にオープンした世界でも有数のデザイン博物館です。
もともと、ヴィトラというブランドは、チャールズ&レイ・イームズ、ジョージ・ネルソン、マリオ・ベリーニ、ジャン・プルーヴェといった歴史的な家具デザイン界の巨匠の作品を復刻するところから始まりました。
こうしたバックグラウンドのあるブランドが手がけるミュージアムですので、イームズ、ヴェルナー・パントン、ジョージ・ネルソン、アレキサンダー・ジラードといったデザイナーズ家具、照明作品から現代アートまで膨大な数の作品が収蔵・展示されています。
特に家具に関するコレクションは、他の美術館と比べても圧倒的に多いのでデザイナーズ家具好きの方にはぜひとも訪れてほしい博物館です。
ヴィトラ・キャンパスとは?
ヴィトラ・デザイン・ミュージアムを語る上では外せないのが、ヴィトラ・キャンパスです。
ヴィトラ・キャンパスはミュージアムが位置する敷地全体を指すのですが、このキャンパス内も見所が十分なのです。
まずは、日本人建築家として世界的にも有名な安藤忠雄が設計したセミナーハウスや日本人建築家ユニットSANAAのデザインした工場、アルヴァロ・シザの工場施設やジャン・プルーヴェのガソリンスタンド、ザハ・ハディトの消防署、バックミンスター・フラーのドームテント、ヘルツォーク&ド・ムーロンによるショップ、カフェを併設するショールーム「ヴィトラハウス VitraHaus」と近代・現代建築における名作がずらりと並んでいます。
ヴィトラハウスには、ヴィトラが取り扱う家具が空間ごとにテーマを決めて展示されています。
まさにこんなスタイルの部屋に住みたいと思わされるような素敵な空間をイメージできるところです。
また、ヴィトラ・キャンパス前のバス停もジャスパー・モリソンがデザインしていて、こうした細かいところまで全て著名なデザイナーの手腕が発揮されているというのも目が離せません。
これら建築作品を見るだけでも十分に価値はあるというところです。
そして、デザインミュージアム自体の建物はフランク・O・ゲーリーの設計によるもので、複雑な構造をしたミュージアムの建物も現代建築の素晴らしさを知る上では欠かせない見事な作品となっています。
こうした家具ブランド ヴィトラが手がけるミュージアムですが、敷地全体がすでにアート空間となっており、ヴィトラ・キャンパスに足を踏み入れた瞬間からその世界が始まっています。
様々な有名デザイナー企画展なども開催されているので、いついってもまた違った楽しみが出来ると思います。