ニューヨーク近代美術館(MoMA)とは?
ニューヨーク近代美術館は、英語ではThe Museum of Modern Art, New Yorkとなり、MoMAの愛称で親しまれているニューヨークにある近代美術専門の美術館で世界においても最も有名な近代美術館です。
1929年に設立されたMoMAは、20世紀以降の近代、現代美術の発展と普及に対して多大な貢献をしてきた美術館であり、MoMAに永久コレクションされるということはアーティスト、デザイナー、メーカーにとって非常に名誉なことです。
2002年から2004年にかけてマンハッタンの本館が工事をしていたときに利用されていた施設がそのままクイーンズ分館として存続しており、さらに革新的な作品を展示するP.S.1という美術館もあります。
MoMAの生い立ち
ニューヨークにおける近代美術館設立の構想は、リリー・P・ブリス、メアリー・クイン・サリバン夫人およびアビー・オルドリッチ・ロックフェラーという3人の女性によって発案され、他4人の理事と共に1929年に設立されました。
開館最初の第1回展は、「セザンヌ、ゴーギャン、スーラ、ゴッホ展」でした。
これは印象派の次の世代であるポスト印象派にあたる画家が当時の前衛的な美術であり、20世紀以降の現代美術の最初の画家であったということを表しています。
そして、建築、プロダクト、ポスターや写真、英語といったこれまでの美術館の収蔵品としては異例であった新しい表現も取り入れていくことで世界の近代美術の中心として地位を確立していきました。
こうした比類なきコレクションには、1880年代のヨーロッパの革新的なアート作品から現代に至るあらゆる時代を代表する作品が収蔵されており、伝統的な表現技法だけでなく、全く新しい表現を含めて網羅されています。
10万点以上の所蔵品の誇るMoMAのコレクションは、近代美術の殿堂としてこれからも近代美術の中心として君臨し続けるでしょう。
JID賞の過去の受賞作品ってどんなの?MoMAの建築物としての価値
開設当初はオフィスビルを間借りしていましたが、1932年には現在地へと移転し、ジョン・ロックフェラー2世より隣接地の寄贈を受けたことによりビル建設を始めました。
エドワード・D・ストーンとフィリップ・S・グッドウィンによって設計されたMoMAの建物は、箱状の外観と滑らかできらびやかな壁面、大きなガラス面からなる国際様式建築の典型として現在まで残っています。
第2次世界大戦後には、1951年と1964年の2度にわたり、フィリップ・ジョンソンによって鉄骨ガラスによるイースト・ウィングが増築され、彫刻庭園も追加されました。
1963年には、シーザー・ペリによってガラスのエスカレーターが印象的なガーデン・ウィングが増築され、展示面積も倍増しました。
そこからさらなる展示スペースの増加を目指した改装時には国際コンペを行い、日本人建築家の谷口吉生の設計が採用され、展示面積はなんと1万2500平米にまで拡大しました。
近代美術の殿堂となるMoMAですが、その建物自体も非常にアートな造りとなっており、展示作品を見に行くと共に建物自体のデザインも楽しむことが出来ます。