ホイットニー美術館とは?
ホイットニー美術館は、アメリカの近代・現代美術にフォーカスをあて、そのコレクションを展開する美術館としてアメリカでも代表格となる場所です。
特にまだ存命中のアーティストの作品に力を入れており、大きな展覧会なども開いています。
そして、その取り組みは先進的、前衛的なアーティストやオンタイムで大活躍をしているアーティストたちを紹介する「ホイットニー・ビエンナーレ」を展開していることでも知られています。
展示面積は、約20000㎡もあり、9階構造で2フロアの常設展示階があり、収蔵作品は20000点以上にものぼります。
また、企画展示スペースは1670㎡あり、この展示スペースの広さは数あるニューヨークの美術館の中でも最大級の広さを誇ります。屋外にも展示スペースがあり非常に開放的で広々としたアート空間を演出しています。
収蔵作品にはアメリカを代表する画家アンディ・ウォーホルの「緑のコカ・コーラ瓶」をはじめ、エドワード・ホッパー、ジョージア・オキーフ、ジャスパー・ジョーンズなどの作品があり、また家具分野では日系アメリカ人のイサム・ノグチの「ハンプティ・ダンプティ」なども展示されています。
ホイットニー美術館の変遷
1930年にガートルード・ヴァンダービルト・ホイットニーによって設立され、当初はグリニッジ・ヴィレッジに位置していましたが、1954年にMoMA(ニューヨーク近代美術館)の裏にあたる場所に移設しました。
さらに1966年には、マディソン・アヴェニュー75丁目に移転をし、この時の建物は建築家マルセル・ブロイヤーによって設計されました。
上に従って段々と突き出していくような独特のフォルムと花崗岩で出来た重厚な外壁、そしてポツンと置かれたひっくり返った窓という独特のデザインが当時の話題をさらいました。
さすがバウハウスで学び、曲線美や彫刻的な表現を特徴とするブルータリズムの先駆者とまで呼ばれたデザイナーだけあってコンクリートでの簡潔さとやわらかさを見事に表現したデザインです。
そして、2014年には旧館は閉鎖されましたが、2015年にはハドソン川とハイラインに隣接したミートパッキング地区に新しい建物でリニューアルオープンしました。
この新しい建物を設計したのが、フランスのポンピドゥーセンターの設計や日本でも関西国際空港のターミナルを設計したことでもおなじみのイタリア出身の建築家レンゾ・ピアノです。
レンゾ・ピアノは建築界のノーベル賞とも言われるブリツカー賞を受賞するほどの建築家で、この建物も単なる建築物としてだけではなく、周辺環境やコミュニティとの繋がりを意識した空間設計ともいえるデザインとなっています。
ニューヨークの再開発エリアでもあるハイラインで新しいスタートをきって、再開発の流れの中で変わり行く街並みを横目で見つつ、アメリカを代表する現代芸術を堪能するというのは非常におつなものだと思います。