シカゴ美術館とは?
シカゴ美術館は、アメリカのシカゴにあり、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ボストンのボストン美術館と並びアメリカの3大美術館に数えられる世界でも屈指の美術館です。
収蔵品の質の高さと版画や素描、写真、建築、テキスタイル、家具といったその収集分野の幅も広く、年間200以上の展示会を開催しており、なんと年間で150万人以上が訪れるというテーマパークのような存在です。
特に有名なのはやはり絵画のコレクションで、多くの巨匠画家の作品や宗教絵画が展示されています。
レンブラントの「金の首飾りの男」やスーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」、ゴッホの「自画像」、モネ、セザンヌ、ルノワール、エドワード・ホッパー、アンディ・ウォーホルなど誰もが知っているような素晴らしい作品がこれでもかというくらい堪能できます。
また、現代美術も充実しており、部屋ごとにそれぞれ違ったテーマで展示されているので時代背景やその時代ごとの構図、色使いの特徴などを意識しながら見ていくととてもおもしろいです。
1階には家具の展示もあり、おなじみのイームズの家具やショーン・デックス、ジョアンナ・グラウンデルなど現代アメリカを代表するようなデザイナーの家具も展示されています。
その他アジアやアフリカの装飾美術品なども飾られていたり、日本の浮世絵コレクションなども日本以外では最高のコレクションということで非常に有名です。
シカゴ美術館の歴史
シカゴ美術館は1879年に「シカゴ・アカデミー・オブ・ファイン・アーツ」として設立されたとされていますが、実はその前身は1866年の「シカゴ・アカデミー・オブ・デザイン」となります。しかし、1871年の火災により焼失してしまったため、1879年を設立年としています。
1882年には、「シカゴ美術研究所(The Art Institute of Chicago)」と改称しています。
19世紀末のアメリカでは、万国博覧会がブームとなっており、こうした潮流の中で美術学校や美術館が積極的に作られました。この時代背景の中でシカゴ美術館も設立され、当時は学校設立のハードルが比較的低かったため、美術館と美術学校が一体となる方式をとっています。
本館の建物は1893年のシカゴ万博博覧会で建てられたものですが、幾度となく増築が行われ展示面積は当初よりも大幅に増加しています。
日本ギャラリーは日本人建築家安藤忠雄によって設計されましたし、2009年にはイタリア人建築家でポンピドゥーセンターの設計でも知られるレンゾ・ピアノによって新館が設計されました。
幅広い収蔵品
収蔵品の品質の高さ、そして幅広さには定評のあるシカゴ美術館ですが、その内容は古代から現代にいたる各地域、時代を網羅し、アメリカやヨーロッパという地域だけではなく、アジア、オセアニア、アフリカなどの美術品も幅広く収集しています。
ヨーロッパの作品では、モネ、スーラ、ルノワールといった印象派の巨匠などの作品が充実し、スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」はシカゴ美術館の目玉となっています。
アメリカ美術では、合衆国200年の歴史における代表的名作品を多く収蔵し、なかでもエドワード・ホッパーの「ナイトホークス」は注目される作品です。
後は中国の青銅器、陶磁器、日本の浮世絵などさまざまなコレクションは見つくせないほどのボリュームです。
アメリカ3大美術館にも数えられるだけあって、非常に敷地面積も広くぱっと見て回れるような規模ではありませんので、ゆっくりとしたスケジュールで見て回りたいものです。