ミラノトリエンナーレとは?
ミラノトリエンナーレという言葉はよく耳にします。
「ミラノトリエンナーレで金賞を受賞しました。」と聞くとなんだかすごいんだろうというのは分かりますが、いったいミラノトリエンナーレって何?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
(出展:http://www.triennale.org/)
ミラノトリエンナーレというのは、博覧会国際事務局から認定された国際博覧会で「トリエンナーレ」という言葉は、イタリア語で3年に1回という意味を持ちます。
イタリアのミラノで3年に1回開催される国際展覧会がミラノトリエンナーレということです。
とはいえ、実際には3年に1回というわけではなく、5年、7年空くときもあるので不定期開催という形にはなっています。
この展覧会では、デザイン・ファッション・建築・都市計画・メディアアートといった分野のデザインが展示され、その中で優秀なデザインに対して賞を与えるというものです。
ミラノトリエンナーレは1923年にミラノビエンナーレ時代から考えても非常に長い歴史があり、また世界最大のデザイン都市ミラノでの開催ということもあり、非常に権威のある展覧会ですので、その中でグランプリを受賞するということは大変名誉あることになります。
なので、モンドセレクション金賞とは全く格の違う意味のある賞ということです。
ミラノトリエンナーレの歴史
(出展:http://www.thailandfurniturefair.com/)
一番最初は1923年にイタリアの都市モンツァでミラノビエンナーレとして始まります。
開始当初から非常に大規模なイベントとして芸術、産業と社会との関係を活性化させることを目的として隔年開催されていました。
その後1933年から拠点をミラノに移し、ミラノトリエンナーレとなり形式上は3年に1度の開催となります。
このときにトリエンナーレの立ち上げに尽力したのが、イタリアを代表する建築家ジオ・ポンティやマリオ・シローニなどです。
ここからミラノトリエンナーレは、80年以上にもわたり、文化的にも経済的にも芸術と産業界の国際対話のための重要なエンジンとして機能しています。
1923年のビエンナーレ開始以来、この祭典では優秀な作品に対してアワードを与えていました。
しかし、1973年にその制度はいったん廃止され、2003年にまた復活しています。
また、2003年は同時に素晴らしいプロジェクト、建築を成し遂げたデザイナーに対するアワードが新設され、ウンベルト・リーヴァやレンゾ・ピアノといったデザイナーが受賞しています。
トリエンナーレ・デザインミュージアム
(出展:http://www.inexhibit.com/)
トリエンナーレ・デザインミュージアム自体はかなり新しく、2007年に開館したばかりです。
建物は、ムッソリーニ政権時にミラノトリエンナーレの会場として建てられたもので、パラッツォ・デッラルテ(芸術の館)とも呼ばれ、周囲にはアートオブジェが置かれており威風堂々とした佇まいをしています。
しかし、とても意外なのですが実はイタリアで最初のデザイン美術館としてオープンしており、デザインにおける多様な表現で訪問者を魅了しています。また、イタリアでもファッションの最先端として脚光を浴びるミラノのデザインの歴史を知ることが出来るということもあり、とても人気のある観光スポットにもなっています。
(出展:http://www.thailandfurniturefair.com/)
イタリア、ミラノで活躍した建築家、デザイナーなどの作品群が展示されていたり、ミラノトリエンナーレで発表された作品が展示されていたりとイタリアデザインの歴史、そして最新のモダンデザインとデザイン好きにはたまらない美術館です。
よくよく考えてみるとイタリアにはウフィツィ美術館やヴァチカン美術館など有名な美術館はけっこうありますが、あまり近代美術館も多くないですね。ローマ国立近代美術館くらいでしょうか。
そう考えるとトリエンナーレ・デザイン美術館はミラノだけではなく、イタリアという国にとっても非常に貴重な美術館ということになりますね。