名作家具 Well Tempered Chair ウェル・テンパードチェア
名作データシート
(出典:http://www.ronarad.co.uk/)
近未来的なフォルムをもった名作
ウェルテンパードチェアは、1986年にロンドンのワークショップでデザインされた4枚のステンレススチールを折り曲げてナットで留めただけのとてもシンプルなチェアです。
オリジナルは体重をかけるとステンレスの座面がほどよくしなり、弾力性が心地よく感じられます。
デビュー作のローバーチェアでは、ローバーの廃車シートと鉄パイプだけでデザインしていたこともあり、ロン・アラッドらしいといえば彼らしい作品ですね。
まるで宇宙船のコックピットのような近未来的なデザインは、おそらく普通のデザイナーには出来ない発想でしょう。
鉄板を切ってみたり、木や合板を曲げてみたり、異なる素材を無理やり接合してみたりとプロダクトデザイナーとしてだけでなく、アーティストとして新境地に常にチャレンジし続けるロン・アラッドだからこそ生み出せた作品だと思います。
このデザインは、彫刻や建築の要素がふんだんに盛り込まれた意欲作ですね。
ちなみに2002年にはステンレススチールから素材をグラスファイバーに変えたバッドテンパードチェアというのも発表しています。
現在ではヴィトラ・デザインミュージアムによって6分の1ミニチュア版しか販売されておらず、そのミニチュア版も職人の手作りによって生産されているため年間にほんのわずかしか生産されない希少な作品になっています。
この記事を監修しているのは?
高級家具・インテリアリサーチ部門
元建築家や現役インテリアコーディネーターや家具販売店員で編成。
国内外の高級家具やブランドなどを徹底的にリサーチし、定番からまだ見ぬブランドや家具を発掘しています。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。
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