名作データシート
- 作品名: ORIGAMI(オリガミ)
- 発表時期:2007 年
- デザイナー: Riccardo Blumer(リッカルド・ブルメル)
- ブランド: YCAMI(イカミ)
(出典:http://www.ycami.com/)
アルミを折り曲げて作る折紙
ORIGAMIは名前の通り、折って完成させる椅子なのですが、折る対象というのが変わっています。
なんとアルミを折って椅子にするというとんでもないことをしている椅子なのです。
アルミニウムの厚さは2mm、18個のパーツに切り取られたアルミをリベットで接合していく事によって完成します。
また、その構造は東京タワーと同じ「トラス構造」になっており、柱と柱、梁、筋交いで構成された三角形を組み合せた構造体なのですが、トラス構造にすることでアルミの脆弱な素材としての脆さを解消し、高い強度を生み出す事に成功しています。
そして、もう一つの利点がその軽さです。
なんと重量が2.9kgしかないのです。
2.9kgというと少し重いノートパソコン程度の重さです。
見た目はかなり重厚な雰囲気を出しているORIGAMIですが、持ってみると片手でも楽々持ち上げられる程の軽さです。
素材を除けばデザインはいたってシンプルで、非常にベーシックなカタチをしています。
しかし、アルミニウムが格子状にくりぬかれて椅子の内部に空洞が出来ていることによって光の当たり方で見事な陰影が生まれ、アートオブジェのような存在感を発揮します。
さらに座ってみると意外と心地よい座り心地をしています。
これはトラス構造によって格子状の構造が創り出されたことによって構造自体がクッションの役割を果たしているのです。
ゴツゴツしてそうで、座るとお尻が痛いような印象を受けますが、金属の質感を感じないように工夫されているのです。
ORIGAMIという名前から日本人がデザインしたと思われるかもしれませんが、デザインしたのはリッカルド・ブルメルというスイス出身でイタリアを拠点に活躍するデザイナーです。
ORIGAMIのような素材を活かしたデザインを得意としています。
そして、発表したのはYCAMI(イカミ)というアルミニウム家具を専門的に取り扱うブランドです。
価格は27万円と高価ですが、最先端の3D加工技術によって生み出された全く新しい発想の椅子です。
室内、屋外両方で使用できますので、ユニークなアルミの椅子を是非お試しください。
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