名作データシート
- 作品名: Favela Chair(ファヴェーラチェア)
- 発表時期:2003 年
- デザイナー: Campana Fernando&Humberto(フェルナンド&ウンベルト・カンパーナ)
- ブランド: edra(エドラ)
(出典:http://www.edra.com/)
木材のスクラップで出来た椅子
この椅子は、Favela Chair(ファヴェーラチェア)と言いますが、誰がデザインしたチェアか分かりますか?
そうですね、フェルナンド&ウンベルト・カンパーナです。
カンパーナ兄弟は、ブラジル出身でサンパウロの田舎町で育ちました。
混沌とした街で育った彼らは、その街の情景から感じたことを様々な素材にのせて表現します。
このファヴェーラチェアは、貧民街をイメージして作られたチェアなので「favela」というのが貧民街と言う意味だそうです。
見た目からも分かるようにこの椅子は、無数の木材、しかもスクラップを使って椅子として組みあげています。
ベースの内部フレームに木のスクラップをランダムで配置して釘で打ちつけています。
デザインとしては手作業で行っているので、全く同じものはなく全てが世界にひとつしかない一点モノです。
しかもこの椅子のそもそものコンセプトである「favela」のイメージからカンパーナ兄弟自体が不規則に作ると言う事を望んでいるため、どの椅子にも個性が生まれてくるのです。
不規則性を生み出す事も難しい
製作自体はブラジルで行われており、ドイツ系の職人がいる工房で行っているのですが元々技術力が高く、規律を重んじるドイツ系の職人なので理路整然としたデザインになってしまいました。
なので、カンパーナ兄弟が元々のコンセプト通り、不規則なフォルムにしてほしいとお願いした事もあるようです。
しかし、それだけ技術がある職人が手掛けているからこそスクラップを組みあげただけの不規則なフォルムとはいえ、これだけの美しい椅子に仕上がるのです。
このファヴェーラチェアも真っ赤なロープで作られたチェア「ヴェルメーリャ」と同様にイタリアを代表するアバンギャルドブランドのedra(エドラ)で製造されています。
やはり、こういったぶっとんだ作品をエドラが製造しているとなると安心感がありますね。
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