名作データシート
- 作品名: Spanish Chair(スパニッシュチェア)
- 発表時期:1959 年
- デザイナー: Borge Mognensen(ボーエ・モーエンセン)
- ブランド: FREDERICIA(フレデリシア)
(出典:http://www.fredericia.com/)
考え抜かれたリ・デザイン
スパニッシュチェアは、ボーエ・モーエンセンが自分の家で使う為にデザインした椅子です。
アンダルシアから北インド地方に伝わる一枚皮革で出来た伝統的な木製椅子の様式をモーエンセンが独自の解釈を加えてリ・デザインしています。
この椅子はスペインの貴族階級で使われていたところからインスピレーションを受けたため、「Spanish Chair」と名付けられました。
大胆に使われる大きな一枚皮革
この椅子の最も注目すべき点は、やはり背もたれと座面に大胆に使われた一枚ものの大きな革皮なのですが、このたわみ具合が抜群によく快適な座り心地を与えてくれます。
ただ、時間が経ちすぎると皮革というものはどうしても伸びてきてしまうのですが、そこもしっかりと考えられていて座面裏側にあるベルトを締める事で皮革の張りを取り戻す事が出来るようになっています。
長期間に渡って愛されることをはじめから分かっていたような粋な仕掛けが提供されています。
そして、この大きな一枚ものの皮革ですが、当時の事情を考えると実はもう一つの大きな意味がありました。
この1950年代後半というのはちょうど車が普及しだした頃にあたり、馬具職人たちの仕事がどんどんとなくなっていたのです。
一枚皮革を贅沢に使ったこのスパニッシュチェアのデザインによって馬具職人たちに仕事を与えることによって助けるといった事も同時に担っていたのです。
庶民のためのシェーカーチェアをデザインしたモーエンセンらしい粋な計らいですね。
サイドテーブルにもなる広いアーム
もう一つの特徴としては、広いアームです。
アーム部分がかなり広く作られているためサイドテーブル代わりにも使用できるのです。
コーヒーなどを置いて「ほっ」と一息つくことも出来ますし、11インチ程度のミニノートだったらこのアームに置いて作業出来てしまいます。
非常にシンプルなデザインではありますが、モーエンセンらしいシンプルな中に機能を詰め込んだ素晴らしいデザインのチェアになっています。
正規品はフレデリシアから販売されています。
シンプルなデザインなのでリビングにおいてゆったりと楽しむことも出来ますし、テラスなどにおいて景色を眺めるとかにもいいと思います。
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