名作データシート
- 作品名: Paimio(パイミオ)
- 発表時期:1932 年
- デザイナー: Alvar Aalto(アルヴァ・アアルト)
- ブランド: Artek(アルテック)
(出典:http://www.artek.fi/)
患者の立場に立った至高の安楽性
パイミオは、建築家アルヴァ・アアルトによってフィンランドの結核療養所のためにデザインされたイージーチェアです。
この結核療養所(=サナトリウム)がパイミオという地にあったため、パイミオと名付けられました。
このパイミオのサナトリウムは、アアルトによって家具を含めてすべてデザインされました。このことにより、アルヴァ・アアルトの名前が一躍広まるきっかけとなったのです。
アアルトは、サナトリウムの設計にあたり、患者のことを第一に考え、結核患者が少しでも楽になるようにという思いで設計されています。このパイミオもそんな患者への思いから出来たチェアなのです。
というのも、アアルト自身がサナトリウム設計時に病気にかかり、自身の入院生活を考えた時に全く病人の立場になっていない設計に驚かされたからです。
当社は、パイミオもクロームメッキスチールを用いて作ることを考えていましたが、こうした自身の経験から木材を使った椅子へと変更したのです。
そして行きついたのが、大判の成形合板を大胆に曲げてシートを作るという発想。
この画期的なデザインによってファブリックなどの張地をしていないにもかかわらず、適度なクッション性をもった快適な座面を作ることに成功しました。
これは素材の革命でもあり、自然な状態で湿気をもつ樺材を使用したことが成功の要因です。
樺材はフィンランドには豊富にある資源なので、製造コストも抑えることが出来ました。
また、背もたれの角度も患者がもたれたときに呼吸がしやすいような角度に調整してあり、低い座面とあわせて非常に楽な姿勢がとれるように考えられています。
こうしたパイミオをはじめとするサナトリウム建築の成功によって、アアルトの名声が一気に高まり、Artek(アルテック)創設の礎にもなりました。
安楽性が考え抜かれたチェアですので、リビングでくつろぐにはもってこいのチェアです。
アアルトの名作をぜひご家庭でも活用して下さい。
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