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COACH（コーチ）ブランドのイメージつくり

企業としてのコーチ

コーチというブランドは、ブランドというよりもまさに企業というのが的確だと思います。
そのビジネスモデル、マーケティング能力は非常に優れていて、多彩な戦略を駆使して我々にコーチの素晴らしさを伝えてくれます。
今でこそコーチと聞くと、すぐに何かしらのイメージが湧いてくると思いますがここに至るまでには様々な取り組みを行いコーチというブランドを浸透させてきました。

アクセシブル・ラグジュアリーというコンセプト

（出典:http://www.coach.com/） コーチの最大の特徴としては、アクセシブル・ラグジュアリー（手の届く高級品）というコンセプトが挙げられます。
もともと卓越した職人の手によってすべて手作りの高級革製品を扱っていたブランドから、より現代的なブランドへと進化したのが2000年前後です。

この間に行われたのがデザインの一新に加えてアクセシブル・ラグジュアリーという価格帯の定義です。
大体ハンドバッグの価格が5万円前後で、これは他のヨーロッパのラグジュアリーブランドのハンドバッグが数十万円することに比べるとかなりリーズナブルな価格帯です。
しかし、決して安物ではないという消費者が少し手を伸ばせば、そこに手が届くという絶妙なポジションを作り上げました。

ラグジュアリーアイテムの全てをCOACHで

（出典:http://www.coach.com/） 展開するコレクションも年々拡大を続けてきました。
コーチの創業時は、革製品のみの取り扱いで今のようなキャンバスやナイロン素材のバッグなどもちろんありませんでしたし、バッグ以外のコレクションもほとんどがレザーグッズと呼ぶような小物類のみでした。

それから数十年、ハンドバッグにおいても素材の変化やデザインの変化、様々なコレクションを発表してきましたが、バッグだけではなくトータルファッションブランドへと変貌を遂げました。

1992年のアイターウェアを皮切りに、1998年にライセンス契約によってウォッチラインの開始、翌年にはシューズコレクションとどんどんそのラインナップを広げてきました。
2000年の節目にはハンプトンズ・コレクションとして頭から足の先までのトータルコーディネートコレクションを発表し、ライフスタイルを提案するファッションブランドへと突き進みます。

さらには2006年のジュエリーコレクション、2007年のフレグランスコレクションとコーチだけですべてが揃うようになり、すべてのラグジュアリーアイテムをアクセシブルにしたのです。

アクセシブルは価格だけじゃない

（出典:COACH Japan facebook） コーチのお店は、他のブランドに比べると色々なところにあると思いませんか？
これは、コーチが店舗数を増やす、要するにお客様との接点を増やすということに重点を置いているからです。

1979年のルー・フランクフォートがコーチに来た時には、まだ一部のデパートでしか売られていなかったコーチですがフランクフォートが直営店を作り、その後もとにかく店舗数を増やしていきました。

アクセシブルというのは価格だけにとどまらず、今では日本のほとんどの都道府県に店舗を構え、どこにいてもコーチの商品が買えるというロケーションのアクセシブルも実現しているのです。

驚きと感動で制するマーケティングイベント

（出典:COACH Japan facebook）

マーケティングのすごさもコーチの特徴のひとつ。
渋谷ジャックと称された2003年の渋谷のフラッグシップ店のオープンでは、街中に花柄のコーチの広告が溢れ、カラフルなコスチュームに包まれた外国人モデルが街ゆく人々に笑顔でガーベラの花を手渡すという衝撃的なものでした。

その後の丸の内では、丸ビルの大きな柱がコーチの広告で埋め尽くし、コーチカラーのオートバイ ベスパを丸ビルの1階スペースに並べて道行く人の度肝を抜きました。

さらに札幌では日本ハムの新庄剛志を起用し、オープニングには蛯原友里や押切もえも駆けつけて盛り上がりを見せました。

こうした巧みなマーケティング戦略によって常に人々に想像を超えた驚きと感動を与えることでコーチを強く人々の心に印象付けているのです。


皆さんが知っているコーチというのは、本当に21世紀に入ってからです。
2000年に入ってからわずか10年ほどの間で今のコーチの礎となるアクセシブル・ラグジュアリーブランドとしての地位を確立しました。
コーチのすばらしいビジネスモデルと新しいコレクションを持ってすれば、今後ラグジュアリーマーケットにおいてさらなる高みへと登っていく可能性は十分にあるでしょう。

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この記事を監修しているのは？

ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
好みや主観が入ったり、否定的な意見が存在するのは、ハイブランド.comの味であり、外部からの影響から独立しているからこそ出来ること。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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