GUCCI グッチ
グッチの歴史②「再生と新しい才能の台頭」
グッチ復活の立役者「トム・フォード」
(出典:http://http://www.gucci.com/)
グッチが現在のようなハイブランドとしての地位を築いているのには、トム・フォードの貢献というのが最も大きいと思います。
マウリツィオ・グッチの時代にクリエイティブ・ディレクターとしてドーン・メローが就任しましたが、その時にまだまだ若手で職のなかったトム・フォードをグッチに引き入れました。
トム・フォードがグッチのデザイナーになったのが1990年。
入った当初からフォードのデザインするハンドバッグやスリムスーツ、スパイクヒールなどが脚光を浴び、ウェアのコレクションも復活させました。
そして、グッチ一族が去った1年後の1994年にグッチの改革の貢献者でもあり、トム・フォードをグッチに引き入れた張本人でもあるドーン・メローがグッチを去ることになりました。
当然、メローの後任が必要になるのですが、この時に指名されたのがトム・フォードなのです。
まだまだフォードにグッチの未来すべてを託すというのは賭けの部分もありましたが、メローの推薦もあり、デザインに関してフォードと対立していたマウリツィオももういない、後にグッチの社長となるドメニコ・デ・ソーレはフォードの才能にグッチの未来を賭けたのです。
フォードスタイルの確立
(出典:http://http://www.gucci.com/)
デ・ソーレはこれまでのクラシックなグッチのイメージから、フォードのファッション路線に賭けました。
商品のみならず、広告やショーウインドウ、ショッピングバッグのデザインまですべてフォードの承認が必要というほどに権限を与えました。
この賭けにデ・ソーレは勝ちました。
旧来のバックパックをフォードがリ・デザインしたミニ・バックパックが飛ぶように売れ、その後のクロッグシューズと毎シーズン目玉になるようなアイテムを発表しました。
フォードのコレクションはこれまで凋落していたグッチのイメージを一新し、「新しいカール・ラガーフェルド」とまで称されるほどでした。
マドンナやケイト・ウインスレットといったスターまでもがフォードのデザインしたグッチを愛用したのです。
さらにフォードのデザインというのはこれまでのバラバラのデザイナーによってデザインされていたグッチとは違い、デザインとして一貫性があり、それがグッチスタイルの確立「フォードスタイル」の確立にもつながっていきました。
フォードが与えたファッション業界への功績
(出典:http://http://www.gucci.com/)
グッチのスタイルというのは、モダンでセクシーなグッチルックとなり、あと一歩で下品になるというギリギリのラインを攻め続けました。
1960年~1970年代のグッチのスタイルがこのようなギリギリのラインだったので、それを現代風に再解釈し、ヒールはとことん高く、スカートはとことん短くといった具合に限界を探るような挑戦をしたのです。
こうした路線というのは高い支持を集めていていき、フォード自体が広告塔となってハリウッドスターもグッチのファンとして取り込んでいきました。
そして、フォードは商品だけではなく店舗のデザインや広告、販売員の服装にまで徹底的にこだわりました。デ・ソーレがすべての権限をフォードに与えていたこともあり、その権限をフル活用してフォード流を貫いたのです。
革製品主体のラグジュアリーブランドであるグッチが、トレンド感満載のアパレル商品を発表し、ファッションショーにおける演出もまるでミュージカルやロックショーのようにとてもエキサイティング。
非常に端的でメリハリの効いたショーを展開するので、観客はその演出に魅了され、バイヤーからしても要点がまとまっているので、何を買えばいいのかがはっきり分かる。
こうした単なるファッションデザイナーとしてではなく、これまでのラグジュアリーブランドにはないビジネスの才覚も持ち合わせていたのがトム・フォードというデザイナーの真骨頂です。
グッチはフォードの活躍によって、ブランド価値を劇的に向上させたのですが、ラグジュアリーブランドを商業的な観点で捉えるという観点ではグッチの再建だけではなく、ラグジュアリーファッション業界全体に対しても大きな影響を与えた人物となりました。
トム・フォードの辞任
デザイナー トム・フォードと経営者ドメニコ・デ・ソーレは、最高のコンビとして一族経営によってどん底に落ちていたグッチを不死鳥のように蘇らせましたが、こんな2人もグッチを去る時が訪れます。
2004年に、グッチグループの親会社にあたるPPRとのすれ違いにより、グッチを去ることになります。
理由は、PPRがグッチのブランド構築に対してもっと影響力を発揮したいという理由から、グッチの経営やデザインにも口を挟むようになってきたことが挙げられます。
グッチのようなラグジュアリーブランドが株式を公開するとどうしても株主の意向に沿うような経営が求められます。結果として長期的なブランドイメージの形成(デザインや品質なども含む)をないがしろにして、短期的な利益に走る傾向が出てきます。
こうしたことを嫌って最高のデザイナーと称されるトム・フォードがグッチを去ってしまったのです。
トム・フォード体制の終焉「フリーダ・ジャンニーニ」
(出典:http://http://www.gucci.com/)
フォードが退任した後のグッチのでザイナー体制は、全てがフォードの部下で行うことになりました。
ウィメンズウェアをアレッサンドラ・ファッキネッティ、メンズウェアはジョン・レイ、アクセサリーはフリーダ・ジャンニーニが就きました。
しかし、ブランドとデザイナーというのはよほど相性がよくないと長く続かないのが、業界の常というものでファッキネッティに関しては2005年に、ジャン・レイも翌年の2006年にグッチを離れることになった。
2人が担当していたウィメンズウェアとメンズウェアはすべてジャンニーニが引き継ぐことになり、まさにフォードの後釜といえる全領域のクリエイティブ・ディレクターについた形になりました。
ジャンニーニの活躍も素晴らしく、現在でも人気ラインとして定着している「フローラ・コレクション」を発表し、2005年には現在でも定番となっている「グッチシマ」ラインをスタートさせました。
実際にジャンニーニは2015年までの12年間もの長きに渡り、グッチのクリエイティブ・ディレクターとして君臨し、数々の名作を世に送り出してきました。
トム・フォードが1990年から15年間グッチで働いていたのと比べても遜色ないほどの期間をグッチで働いているのです。
実は、ジャンニーニはグッチ退職後、同時にグッチを退職したパトリツィオ・ディ・マルコと数カ月後には結婚をしています。
もしかすると2人の退任の理由はこの結婚が原因だったのかもしれませんね。
新しい才能の台頭「アレッサンドロ・ミケーレ」の革命
(出典:http://http://www.gucci.com/)
フリーダ・ジャンニーニの後任デザイナーとして、クリエイティブ・ディレクターに就いたのはアレッサンドロ・ミケーレです。
2002年にトム・フォードによって才能を見出されグッチに入社、フリーダ・ジャンニーニに次ぐアソシエイト・クリエイティブ・ディレクターを務めていたのですがジャンニーニが抜けたことによって繰り上がりでクリエイティブ・ディレクターに昇格しました。
そして、最初のコレクションでは「GG BLOOMS」を発表。
GGスプリームキャンバスに、手描きのようなゼラニウムのフラワープリントが咲き誇るコレクションで早速存在感を発揮しました。
アレッサンドロ・ミケーレは、グッチ歴代のデザイナーの中でも『鬼才』とまで言われており、他の追随を許さないような圧倒的なセンスによってグッチに大きな革命を起こし、ファッション業界、ラグジュアリーブランド業界にひとつの時代を築くほどになりました。
例えばBALENCIAGA(バレンシアガ)がオーバーサイズシルエットで一躍脚光を浴びたvetements(ヴェトモン)のデムナ・ヴァザリアをクリエイティブ・ディレクターとして起用し、ストリートの風をメゾンに取り込み大ブレーク、あのルイ・ヴィトンですらOff-White(オフホワイト)の創業者でもありストリートで外すことの出来ない大物ヴァージル・アブローをメンズ・アーティスティックディレクターに迎えるなどラグジュアリーとストリートは今や切っては切れないほどの関係となっています。
(出典:http://http://www.gucci.com/)
この潮流の中心にいたのがアレッサンドロ・ミケーレであり、その革命の代表的なものがグッチのロゴを無許可でストリートに描いていた<グッチゴースト>とも呼ばれたブートレグ(著作権無視の非合法商品)アーティストのダッパー・ダンやプロスノーボーダーであり、ストリートアーティストでもあるトレバー・アンドリューといったストレートカルチャーとのコラボレーションです。
これまでのラグジュアリー、クラシカル、エレガントなどといったイメージを吹き飛ばし、全く異なる世界観をグッチという老舗メゾンで実現したことにより、グッチファン層を大きく広げることに成功したのです。
トム・フォードから才能を見出されたミケーレの活躍によってグッチは新しいステージへと踏み出しています。
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ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門
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