DELVAUX デルヴォー
ハンドバッグの発明者となった世界最古のレザーグッズブランド
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DELVAUX(デルヴォー)の創業は1829年、ベルギーが独立を宣言する1年前なのでベルギーという国よりも早く生まれたブランドという事になり、そのためベルギーの歴史と共に語られることがあるくらいです。
シャルル・デルヴォ―がブリュッセルにトランクなどの旅行用品のお店を開店したことが始まりです。
エルメスやティファニーですら1837年、ルイ・ヴィトンやバーバリー、ロエベ、ゴヤールなども1840年以降の創業なので世界最古の高級レザーブランドと言われています。
ブランドとして大きな転機を迎えたのは1870年以降からで、当時ベルギーには世界最大の鉄道網が敷かれていたこともあり、先見性のあったシャルル・デルヴォーは「旅行がもたらす改革」を訪れることを予見し、旅行の際に貴重品を手元に置いておきたい女性のためのハンドバッグを開発しました。
その結果として1883年にはベルギー国王のレオポルド2世からベルギー王室御用達という栄誉を与えられ、1908年には最初期のハンドバッグの意匠登録を行っています。
旅に求められる実用性を備えたエレガントなバッグとして特許の取得以降、デルヴォーは「現代におけるハンドバッグの発明者」としての地位を確立しました。
現代においてもデルヴォーのハンドバッグは大きな注目を集めていますが、実は100年以上もの歴史に支えられたハンドバッグなのです。
しかし、時の流れは残酷なものでこうした老舗のブランドというのはどうしても経営的な苦難に立たされることも多く、デルヴォーも例外ではありません。
徐々にブランドとして衰退していき、1933年にデルヴォー家の最後の1人であったエドモンド・デルヴォーから革製品の経験すらなかった農業技師のフランツ・シュワニックに引き継ぐことになり、デルヴォーの一族経営は終焉を迎えました。
ファッションブランドの要素を取り入れ大きく飛躍
フランツ・シュワニックがデルヴォーの事業を引き継いでから、オートクチュールの考え方を取り入れたシーズンごとのコレクション発表という当時としては画期的な新しいコンセプトを打ち出していきました。
今もなおデルヴォーの代表作として定番バッグとなっている「Le Brillant(ブリヨン)」は1958年のブリュッセル万国博覧会のために制作されたもので、はじめてブランドロゴ(Dのバックル)を打ち出した作品ともなっています。
この他にも1968年には、現在も定番として人気となっている「Le Tempete(タンペート)」が生み出されました。
フランツ・シュワニックは1970年に亡くなるのですが、その後も妻のソランジュがその精神を引き継ぎ、「Le Madame(マダム)」、「Le Pin(パン)」などのレザーグッズの歴史に名を遺すような名作を作り続けました。
特にソランジュは新時代のキャリアウーマン向けのバッグというものに目を付け、アクセサリーや身の回りの品を運ぶために必要な軽量バッグとして「パン」をリリースしています。
そして、世界展開を推し進め、ベルギーブランドからグローバルブランドとして世界から認知されていったのです。
1980年代の後半にはフランツとソランジュの長男であるフランソワ・シュウェンニッケが会長に就任しその体制を盤石なものにしていきます。
1994年にブリュッセルに本社が戻すことになり、ルイシュミット通りにあるベルギー軍の元兵器庫の跡地にベルギー発祥のアールヌーボーに重きを置く建築家アンリ・ファン・デ・ボエによってデザインされました。
1990年代はゲストデザイナーとのコラボレーションを行い、クラシックでありながらもスタイリッシュなコレクションを発表しています。
投資会社による買収で世界展開、完全なグローバルブランドへ
現在のDELVAUX(デルヴォー)は革新的なハンドバッグブランドとなっていますが、そこには買収という大きなターニングポイントが関係しています。
2009年にアーティスティック・ディレクターとしてヴェロニク・ブランキーノを迎えていましたが、2011年には退任しています。
その背景には2011年に香港を拠点とするFung Groupの投資会社First Heritage Brandsがデルヴォーを買収したことが関係しています。
この買収によってデルヴォーは本当の意味でグローバルブランドへと成長していきました。
2014年にメンズバッグコレクションが発表され、東京、パリ、ロンドンにフラッグシップ店をオープンし一気に店舗展開を加速させたのです。
200年近い歴史を持つブランドですが、日本で名前を聞くようになったのもここ数年のことで本格的なグローバル展開が始まってからです。
2015年にはアーティスティック・ディレクターにクリスティーナ・ゼラーを起用しました。
2012年以降は、アーティスティック・ディレクター不在の中、クリスティーナ・ゼラーが実質的にはデザインチームの指揮を執っていたので昇格して正式に就任した形です。
ただ9年間ブランドを率いたクリスティーナ・ゼラーも2020年には退任にし、クリエイティブ・スタジオがそのデザインを引き継いでいます。
現在に至るまでニューヨーク、ローマ、ミラノ、香港など次々と世界中に店舗を拡大し、50店舗近い直営店をオープンしています。
なんと売上高は2011年のFirst Heritage Brandsの買収以降で10年ほどの間で10倍にまで拡大したのです。
2021年にはCartier(カルティエ)、Chloe(クロエ)、ヴァンクリフ・アーペルなどを擁する世界的なブランドコングロマリットであるリシュモンに買収されています。
リシュモンは腕時計や宝飾品などに強いですが、デルヴォーのようなレザーグッズを中心に取り扱うブランドは少ないので、主力ブランドとして世界中に張り巡らされたネットワークを活用して全面的にデルヴォーの知名度、人気向上を行っていくでしょう。
世界最古のブランドでありながら、大きな飛躍を遂げられずにいたデルヴォーですが、投資会社のグローバルネットワークによる世界戦略によって芸術作品とも呼ばれるデルヴォーのバッグがグローバルスタンダードとして羽ばたいています。
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ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門
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