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勢いにのる若き新星「オリヴィエ・ルステン」

ファッション業界に突如現れた新星オリヴィエ・ルステン

(出典:https://www.instagram.com/balmain/) 現在ファッション業界の話題をさらっているといってもいいのが、BALMAIN（バルマン）という老舗メゾンに若干25歳という若さでクリエイティブ・ディレクターに就任したオリヴィエ・ルステン。

ルステンが2011年にクリエイティブ・ディレクターになってからというものブランドの業績が右肩上がりで、正式発表はないものの20％程度は業績が上向いているのではないかと言われています。
最近ではH＆Mとのコラボレーションを大成功させたり、ナイキラボとのコラボでスポーティなバルマンという別の一面も見せています。

とくに顕著なのがメンズファッション。
バルマンというと、これまではオートクチュールブランドでクラシカルで富裕層マダム向けというイメージだったのが一転して、若者やメンズから絶大な支持を受けるブランドに変貌しました。

実はルステンの前のデザイナーだったクリストフ・ドゥカルナン時代にある程度モダナイゼーションが進み、そのアシスタントであったルステンにバトンを託したような形にはなっていましたが、とはいえルステンの活躍は眼を見張るものがあります。

そんな超売れっ子デザイナーへと登りつめたオリヴィエ・ルステンの生い立ちや交友関係、内面に迫ってみたいと思います。

生い立ちは孤児院育ちという意外な事実

(出典:https://www.instagram.com/balmain/) 1986年にで生まれたルステンですが、両親はおらず幼少期はなんと孤児院で育ちます。
その後、フランスの南ボルドーの裕福な白人夫婦の養子になることでファッションの道に進むことができるようになります。

18歳でパリの服飾学校ESMOD（ Ecole Supérieure des Arts et Techniques de la Mode）エスモードに入学し、卒業後はイタリアブランドの「ロベルト・カヴァリ」にてキャリアをスタートさせ、ピーター・ダンダスのもとで働いた5年のうちに才能を大きく開花させていきレディース部門のトップにたちます。

2009年にはバルマンに入社し、当時のクリエイティブ・デザイナーのクリストフ・ドゥカルナンのもとでアシスタントを務めますが、2011年にドゥカルナンが退任すると、まさかバルマンのクリエイティブ・ディレクターに任命されるのです。

まだルステンはこの時25歳で異例の大抜擢となりました。
本人もまさか自分がクリエイティブ・ディレクターになるとは思っておらず、どこか別のメゾンから大物デザイナーを呼んでくると思っていたほど。

しかし、ルステンの実力とビジョンが認められて、若くしてバルマンという老舗メゾンのトップに立つことになったのです。

ファッションの多様性を好む背景

　 オリヴィエはもともと孤児院で育ったので、正確な記録はありませんが様々な人種が混じっている混血です。
彼の肌の色を見ると純粋な白人ではないことが分かりますが、多様性を好む彼のスタイルはこうしたバックグラウンドからも深く影響を受けています。

語学も堪能で英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ギリシャ語など様々な言語を操るマルチリンガル。

インタビューの中でも述べていましたが、
「フランスの老舗メゾンを少数民族が乗っ取るなんて・・」
と皮肉交じり言い放ち、ファッション業界でも人種差別を受けていたことを暗に示唆しています。


また、ルステンを語る上でさけて通れないのが、彼がゲイであり、それをオープンにしているということ。
ファッション業界にはゲイが非常に多く、あのイヴ・サンローランなどもそうであったようにとくに珍しいことではありません。

ただ、ルステンのすごいところはオープンにした上に、自身のヌードでゲイ雑誌を飾ったということです。

ある意味このオープンさが世界のビッグネームとの交友関係を生み出し、SNSでも多くのフォロワーを獲得している要因の一つであるのかもしれません。

いまやルステンはファッション業界のビッグネームであると同時にゲイ業界のアイコンにもなっているのです。

誰もがうらやむ華やかな交友関係

　 オリヴィエ・ルステンが注目されるもうひとつの大きな理由は彼の交友関係のすごさ。

その最たる例はファッショニスタであるキム・カーダシアンとカニエ・ウエスト夫妻との関係です。
キム・カーダシアンはプライベートでバルマンの洋服を着た姿が何度もパパラッチされているし、おそらくが特注と思われるようなデザイン。
さらに2015SSコレクションでは、夫婦揃ってキャンペーン広告を飾るなどお互いの親交の深さが見てとれます。

2014SSコレクションでキャンペーンビジュアルを飾ったリアーナは、「親友だ」と言うほどの仲で2014年のコレクションではリアーナの到着を待ってショーの開始をギリギリまで遅らせたほどでした。

他にもH＆Mとのコラボレーション企画で広告に起用したジョーダン・ダンとケンダル・ジェンナー。

ビヨンセやジャスティン・ビーバー、クリス・ブラウンからカール・ラガーフェルドまでその交友範囲はどうなっているのかと思ってしまうほどです。

こうした交友関係が彼のインスタグラムにアップされるので、フォロワー数はなんと100万人を超えて増えつづけています。

そしてSNSの重要性を理解しているルステンは、ファッションの閉鎖的な世界を変えていけるように様々な情報をインスタグラムやセルフィー、ツイッターといったSNSから発信しています。


アパレル業界にトレンドを創りだしたというほどの影響力を与えるオリヴィエ・ルステン。
エディ・スリマンの打ち出した超タイトスキニーやスカジャンがそうであったように、キルティング仕様のダブルライダースやサイドジップのついたパーカー、蛇腹デザインのジーンズなどは他のメゾンからファストファッションまでこぞって類似品を発表しました。

バルマンの仕事をするときは創業者のピエール・バルマンのことを考えるということだが、それと同時に未来のバルマンを創造することにも力を入れています。

今後もアパレル業界に革命をもたらすルステンのコレクションからは目が離せませんね。

次は、「若者を虜にする粋なコラボ」

この記事を監修しているのは？

ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
好みや主観が入ったり、否定的な意見が存在するのは、ハイブランド.comの味であり、外部からの影響から独立しているからこそ出来ること。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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