BALLY バリー
数々の苦難を乗り越えたスイス伝統ブランドの歴史
スイスの国家的財産と言われるほどのブランドへ
BALLY(バリー)は、1851年にスイスで創業したブランドです。
創業者カール・フランツ・バリーの父であるペーター・バリー・ヘルツォークが北スイスの村にあったリボンやサスペンダーなどを作っている会社を買い取っており、1949年に死去した後にカールと弟のフリッツが家業を継ぐ形でスタートしました。
創業当初は「Bally&Co」という名前で、リボンやサスペンダーといった伸縮ゴム関連のビジネスから靴作りへと舵を切ったきっかけというのはカール・フランツがパリへの出張中に妻にブーツをプレゼントしようとした時に靴には自分たちが生産しているのと同じような伸縮性のボタンが使われていることに気づいたのです。
この気づきによってより事業を発展させるためにデザイナーを雇い、工場を作り、手作業での靴作りをスタートさせたのです。
創業から20年経った頃にはバリーは靴業界のリーダーとして認められるほどになり、さらに産業革命の効果で大量生産が可能になってきたことからアメリカやイギリスなど欧米他国の先端技術を積極的に取り入れ安定して成長を続けていきました。
「時代のトレンドを追い、かつ機能的な靴を作る」
この企業戦略にのっとり、カーフレザーやスエード、コードバンなどのハイエンドレザーを靴に採用し、高級靴ブランドとしての高い評価をえて、スイス国内だけではなくイギリス、フランス、ドイツなどのヨーロッパ主要国へ進出。
年間で200万足を生産するほどの企業へと躍進しました。
この頃には代替わりし、1892年にブランド名は「CF Bally&Sons」へと変わっています。
20世紀に入ると移動手段の発達による旅行やレジャーの普及もあり、スポーティーなウェアと機能性の高いパンプスの組み合わせが人気となり、1907年には株式公開も果たします。
激動の時代を耐え抜いて次のステップへ
創業から1900年代の前半まで非常に順調に成長を続けていたバリーでしたが、1900年代の前半というのは2度の世界大戦と世界恐慌という激動の時代でもありました。
当然バリーも大きな打撃を受けたのは言うまでもありません。
しかし、1950年代に入り戦争も終わり、世界が平穏を取り戻しつつあった時代、バリーはカール・フランツの孫マックス・バリーが指揮を執っていました。
マックス・バリーは様々なバリーを象徴するデザインを送り出した人物ですが、その中でもメンズドレスシューズ「スクリーブ」が大ヒット。
ブランドとしても活気を取り戻し、再び成長路線に乗っていきます。
しかし、時の流れは残酷なもので1976年にマックス・バリーが死去。
アパレルやハンドバッグなど靴以外のブランドラインナップを拡充した年でもあったのですが、ブランドとしては大きな危機を迎えます。
国外競合ブランドも増え、ブランド自身の戦略が不透明になっている中、価格低下の圧力や輸入品からスイス製品を保護する関税の撤廃などがあり、翌年には起業家のヴェルナー・K・レイに売却され、さらにスイスの工作機械工場会社のエリコン・ビュールレに買収されたのです。
120年以上もの歴史を刻み、スイスの国家的財産とまで認識されていたバリーが創業一族の手から離れたことはスイスという国にとっても大きなインパクトを与えました。
このぐらいの時期からはバリーの経営基盤やブランド戦略はグラグラになり、かつての栄光は全くなく、ライセンス販売に手を出してブランドイメージを失墜させるなど2流ブランドとしての認識を持たれてしまいます。
復活を期し奮闘中も、未だ方向性は見えず・・・
この後もかなり紆余曲折がありますが、ブランドの再生が始まったのが2000年に入ってから。
テキサス・パシフィックグループ(TPGグループ)という投資会社がバリーに資本参加し、CEOとしてマルコ・フランキーニが就任しました。
「最上の最高の日常着」というコンセプトを掲げ、トータルファッションブランドとしてのリブランディングをスタートします。
2001年にクリエイティブ・ディレクターにもサルヴァトーレ・フェラガモで経験を積んだスコット・フェローズが就任し、ミラノ・コレクションデビューも果たしました。
スコット・フェローズは1年で辞任し、後任としてメンズとプレタポルテはルカ・ラゴネーゼ、レディースアクセサリーはメリッサ・メリッシュという体制になっています。
2007年にクリエイティブ・ディレクターはベルサーチェで靴などのアクセサリーを手掛けていたブライアン・アトウッドに交代しています。
その後2008年にジミーチュウやデレク・ラムなども保有しているドイツのJABラグジュアリーに買収され、2010年にはアクアスキュータムのヘッドデザイナーだったマイケル・ヘルツとグラエム・フィドラーがブライアン・アトウッドの後任としてクリエイティブ・ディレクターとなり、新ラインを提案するなど伝統とモダンを組み合わせたスタイルを打ち出していきます。
2014年にはバーバリーやセリーヌ、トムフォードなどの一流ブランドでバッグやシューズなどを手掛けてきたパブロ・コッポラがデザイン・ディレクターとして就任しましたが、2017年には退任しています。
2018年には「買収マニア」とまで呼ばれ、拡大を続けるレナウンの親会社でもある山東如意という中国企業に買収され、インターナルのデザインチームによってクリエイションが行われています。
創業者一族の経営から離れてからというもの幾度もの買収が繰り返され、クリエイティブ・ディレクターも頻繁に変わり、良い方に解釈すれば常に新しい風を取り込んでアップデートしていると捉えることも出来ますし、悪い味方をするとブランドとしての進むべき方向性が見えず、価値を提案しきれずにいる状態となっています。
まだしばらくは動きの多そうな雰囲気が感じられますが、企業として落ち着いてクリエイションに力を入れられる状況になってほしいですね。
この記事を監修しているのは?
ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門
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